せどりってどんなビジネスなの?
せどりで利益を出すには、そもそもせどりとは何なのか、仕組みや作業の流れなどを知っておかなければなりません。
まずは、せどりの特徴について詳しく見ていきましょう。
せどりの特徴を知ろう
せどりとは、商品を安く仕入れて高く売るビジネスの総称です。
もともとは古本の転売で使われていた言葉で、背表紙をチェックして高く売れそうなものを探していたため「背取り」と呼ばれていました。
現代では古本に限らず、雑貨や電化製品、ファッションアイテムからオモチャにいたるまで、ありとあらゆる商品がせどりに利用されています。
ジャンルごとに高く売れる商品や仕入れの難しさなどが変わるため、自分が詳しいジャンルから慣れていくとよいでしょう。
せどりの基本的な流れは、まず高く売れそうな商品をリサーチし、実店舗やインターネットショップなどで仕入れます。
少しでも利益を多く出すには、できるだけ安く仕入れられる店舗を見つけるのがポイントです。
特に、在庫処分品やプレミア化している商品を仕入れることができれば、より利益を得やすくなるでしょう。
商品を手に入れたら、Amazonやヤフーオークションなどの販売サイトに出品し、購入されるのを待ちます。
無事に購入されたら商品を丁寧に梱包し、購入者あてに発送して終了です。
ビジネスの仕組み自体は非常にシンプルなので、特別なスキルや知識がない初心者でも比較的挑戦しやすいでしょう。
中古品の販売を勝手に行ってもよいのか不安に思う人も多いでしょうが、個人が行うせどりが違法行為とされるケースはほぼないので安心してください。
ただし、チケット転売や偽ブランドの転売などは法律で明確に禁止された違法行為であるため、いくら利益が期待できても手を出してはいけません。
また、取り扱う商品の数や売買の頻度などによっては「業務として転売を行っている」と見なされる可能性もあるため、古物商許可証を取得しておく必要もあります。
古物商許可証は所轄の警察署で申請すれば基本的に誰でも取得できるので、本格的にせどりを始める前に取得しておくのがおすすめです。
せどりの種類を理解しよう
ひと口にせどりと言っても、詳しく見ると主に5つの種類に分かれています。
それぞれの種類により取り扱う商品や作業手順などが異なるため、内容を知って自分に合うものを見極めるようにしましょう。
1つ目は「家電せどり」と呼ばれるもので、その名の通り家電製品全般を取り扱うせどりを指します。
家電製品は商品ごとの単価が比較的高いものが多く、うまく仕入れれば一度の転売で高い利益が期待できます。
2つ目は、新品または中古CDなどを取り扱う「CDせどり」です。
商品ごとの単価が割安なので利益を出すにはある程度の量が必要ですが、リスクとリターンのバランスに優れています。
3つ目は「ホビーせどり」で、子ども向けのさまざまなオモチャを取り扱います。
人気があるのはプラレールやアンパンマングッズ、ウルトラマンや戦隊シリーズなどで、クリスマス前などは特に高値で転売できるケースも多いです。
4つ目は、ゲーム機本体やソフト、周辺機器などを取り扱う「ゲームせどり」です。
それぞれを単体で取り扱ってもよいのですが、うまく組み合わせてセット販売すると高値で売れやすくなることもあります。
5つ目は「電脳せどり」というものですが、これは特定の商品を指すわけではありません。
ディスカウントストアやリサイクルショップなどの実店舗で仕入れるケースも多い一般的なせどりと違い、電脳せどりは仕入れから販売まですべての工程をインターネット上で完結させるのが特徴です。
安く仕入れられる店舗が近所になくても問題なく、24時間いつでもインターネットから仕入れが行えるので、仕入れに行く時間がない人や自宅から離れられない人にも向いています。
せどりの仕入れ先
せどりで利益を出すには、できるだけ安く商品を仕入れなければなりません。
一般的な店舗やインターネットショップでは定価で売っていることが多く、あまり利益が期待できないので、リサイクルショップやディスカウントストアを狙うのが基本です。
たとえば、古本やCDの転売を考えているなら、豊富な種類がそろっているブックオフがよいでしょう。
DVDやゲーム、フィギュアなどを取り扱っている店舗もあり、さまざまな商品を仕入れることができます。
家電製品の転売なら、AV機器や情報通信機器なども取り扱っているハードオフが最適です。
状態のよいものも多く、サウンドトラックやジャズなど豊富なジャンルのCDを取り扱っていることもあります。
CDやDVDについては、ブックオフやハードオフ以外にTSUTAYAも品ぞろえが豊富なのでおすすめです。
ただし、TSUTAYAは中古品の取り扱いがない店舗もあるので、あらかじめ確認しておきましょう。
さらに、家電量販店のネットショップでは割安なネット限定商品の販売やセールを行っている場合もありますし、Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングなどのECサイトも安く購入しやすいです。
このほか、大手ディスカウントストアのドン・キホーテは一般商品が安いだけでなく、ワゴンセールでさらに激安販売しているときもあるのでチェックしてみるとよいでしょう。
せどりビジネスのメリットとデメリットを理解しよう
商品を安く仕入れて高く売るせどりビジネスには、メリットだけでなくデメリットも存在します。
いざせどりを始めてから後悔しないよう、メリットとデメリットの内容をしっかり理解しておきましょう。
せどりビジネスのメリットとは
せどりは、商品を仕入れて売るというシンプルなビジネスです。
このため、狙った商品を仕入れる資金さえあれば、すぐにビジネスを始めることができます。
商品のリサーチや販売にはパソコンやスマートフォンがほぼ必須ですが、すでに持っている人なら準備するものも少なく、ほとんどコストをかけずに始められるでしょう。
ビジネスを始めるために貯金する必要もなく、気軽に挑戦できるというのは非常に大きなメリットです。
また、商品によっては出品してから比較的短期間で売れることも多く、すぐに結果が出るため収益が得やすいという魅力もあります。
きちんと需要や市場相場をリサーチして取り扱った商品なら在庫を長く抱えるリスクは低く、即金性が高いため資金不足になる心配も少ないでしょう。
あらかじめ需要や市場相場をチェックし、売れそうな商品だけを取り扱うため、損をする恐れが少ないビジネスだと言えます。
さらに、特別なセンスや才能がなくても、リサーチさえしっかり行えれば始められるという点もメリットです。
どのような商品が売れやすいかは無料ツールなどを使えば手軽に分析できますし、転売の流れも経験を積めばすぐに覚えられます。
スタートのハードルが高くないので、誰でも気軽に始められるでしょう。
せどりビジネスのデメリットとは
せどりのデメリットとしては、まず「不労所得ではない」という点が挙げられます。
せどりで稼ぐには、リサーチや商品の仕入・管理、出品作業や梱包・発送などさまざまな作業が必要です。
自分が労働をして対価を得るビジネスであるため、アフィリエイトのように最初にシステムを作れば後は勝手にお金が入ってくるということはありません。
利益を得るには労働を続けなければならないので、人によっては苦痛に感じることもあるでしょう。
また、一獲千金の夢もある仮想通貨やFX投資とは違い、せどりは一度の取引で大きな利益を得ることが難しいというデメリットもあります。
1回の取引で見ると、薄利多売の商品なら数百円、高く売れる商品でも数千円~数万円の利益になるケースがほとんどです。
まとまった利益を得るにはかなりの労働が必要になるので、あらかじめ覚悟しておきましょう。
さらに、せどりを始めるにはインターネットが必須であるため、設備がない場合はパソコンなどのデバイスや周辺機器を購入しなければなりません。
商品を発送するための梱包資材や、最初に販売する商品を仕入れるための費用など、まとまった資金が必要です。
仕入れた商品も基本的に自宅で保管するため、仕入れる量によっては自宅が手狭になってしまうこともあるでしょう。
このほか、リサーチが甘かった場合や大量に商品を仕入れた場合、商品が売れ残って赤字になる恐れもあります。
せどりは商品が売れなければ利益が発生しないため、一気に資金不足に陥ってビジネスを続けられなくなる可能性もあると覚えておきましょう。
せどりビジネスに向いている人と向いていない人
せどりは気軽に挑戦しやすいビジネスですが、誰にでも向いているわけではありません。
次は、せどりが向いている人と向いていない人の特徴を紹介していきます。
せどりビジネスに向いている人
せどりに向いているのは、まず自分がせどりで取り扱う商品そのものが好きである人です。
せどりでは「どの商品に需要があるか」「いくらで仕入れていくらで売れそうか」を徹底的にリサーチし、利益が期待できる商品を見つけなければなりません。
まったく興味も知識もないジャンルの商品だと、ゼロから勉強しなければならないので時間もかかりますし、モチベーションも保ちにくいでしょう。
このため、もともと興味があり、ある程度そのジャンルについて詳しい人のほうが向いているのです。
自身で試行錯誤しながら働き方を学び、前向きに働ける人なら、きっと楽しんでせどりに打ち込めるでしょう。
また、せどりは仕入れから発送にいたるまでの作業が毎回ほぼ同じ流れなので、単純作業が苦にならない人にも向いています。
基本的には一人で作業することになるため、集団行動が苦手な人にはうってつけです。
お金のために割り切って働ける人や、お金を稼ぐこと自体に興味がある人も積極的に作業できるでしょう。
せどりビジネスに向いていない人
せどりに向いていないのは、ズバリ単純作業が苦手な人です。
どのような商品を取り扱うにしても、作業そのものは「仕入れて売る」だけなので変化がありません。
基本的に1人で単純作業を繰り返すことになるので、にぎやかな場所で働くのが好きな人、継続して地道に作業するのが苦手な人は注意したほうがよいでしょう。
また、仕入れを実店舗で行う場合、安く売っているところを探して歩き回ったり、仕入れた商品を自分で運んだりしなければなりません。
体力がない人は、この作業の繰り返しがかなりつらくなってしまいます。
このほか、ビジネスを初めてすぐに大きな利益を得たいと考えている人も、あまり向いているとは言えません。
せどりは一度の取引で大きな利益を得られる可能性はほとんどなく、コツコツと地道な作業を繰り返して利益を増やしていくものです。
まさにローリスクローリターンのビジネスであるため、一獲千金を夢見るのはやめましょう。
せどりで儲かるためのポイント
せどりについて理解が深まったところで、具体的な「もうかるためのポイント」が気になる人も多いでしょう。
次は、どのような点に注意すればせどりで利益を得やすくなるのかを紹介していきます。
商品を仕入れる際のポイント
せどりで利益を得るには、商品を安く仕入れて高く売るのが鉄則です。
そのために、「せどりすと(せどろいど)」や「モノレート」、「Monozon」などの無料ツールを活用しましょう。
無料ツールは、さまざまな販売サイトの中から人気のある商品や高く売れる商品などを分析し、わかりやすく表示してくれる便利なシステムです。
これがあれば、あまり知識のない初心者でも、売れる商品や安く仕入れられる店舗を見つけやすくなります。
また、店舗仕入れと電脳仕入れを商品の特徴に合わせて使い分けることも大切です。
ブックオフやTSUTAYA、家電量販店などで店舗仕入れをする場合、特価ワゴンやエンド陳列を必ずチェックするようにしましょう。
電脳仕入れでは、Amazonを活用して「仕入れリスト」を作成すると便利です。
トップ画面の「カテゴリ」の中からDVDやデジタルカメラなど具体的なカテゴリを選び、「Amazonランキング」を見ると売れている商品が表示されます。
その中で「急上昇ワード」をチェックするとよく検索されている商品やキーワードがわかるので、それをAmazonで検索しましょう。
検索結果の中から定価以上で取引されている商品をチェックして仕入れリストに入れ、それを参考にフリマアプリやネットショップなどで仕入れて販売すると効率的です。
このほか、フリーマーケットなどで安い商品を値切って仕入れたり、クレジットカードを利用して還元ポイントを貯めながら仕入れたりするのもおすすめです。
商品を発送する際のポイント
売れた商品を発送する際、できるだけコストを節約することで利益を得やすくなります。
小型の商品であれば、宅配便ではなくレターパックやスマートレターなどを活用して送料を抑えましょう。
商品が壊れないように包む梱包材や緩衝材は、ホームセンターで購入するよりアスクルで取り扱う業務用を購入したほうが割安になることもあります。
取り扱う商品数が多い場合は名前と住所のスタンプを作成したり、出品時の商品説明のテンプレートを作成したりしておくと、各作業の手間と時間を節約できるでしょう。
また、Amazonが提供する「FBA」サービスを利用すると、自分の代わりにAmazonが受注・発送作業を行ってくれます。
発送や在庫管理の手間を省くことができるので、その時間を商品のリサーチや仕入れ作業にあてるとよいでしょう。
稼げるポイントを理解したうえでせどりビジネスを始めよう!
誰でも気軽に始められるせどりですが、確実に利益が得られる保証はありません。
知識がないままビジネスを初めてもうまくいかないので、せどりの基礎知識に加えて「稼げるポイント」を理解しておくことが大切です。
せどりについてもっと深く知りたい場合は、さまざまな情報を発信している「物販総合研究所」をチェックするとよいでしょう。
今回紹介した内容とあわせ、せどりで稼ぐためのイメージがつかみやすくなるはずです。