Amazonの送料設定|アメリカへの送料で大事なこと
Amazonで自己発送で出品する場合、送料設定はどのようにすればよいのか。
Amazonで出品して売れるようになれば、1日に数個どころではなく、何十、何百という膨大な数の商品を発送することとなります。
発送の数が多ければ、送料がたった10円違うだけでも、大きな利益ないし損益につながります。
Amazon輸出では利益に大きな影響を及ぼす送料について、自己発送の販売者として知っておくべき情報をチェックしていきましょう。
アメリカアマゾン【amazon.com】での送料設定手順
海外Amazonで商品を自己発送出品する場合は、自分で送料の設定をします。
では早速、amazon.comでの送料設定方法について見ていきましょう。
まず、Amazonセラーセントラルにログインし、[Settings]をクリックして表示されるメニューから[Shipping Settings]をクリックします。
次に「Shipping settings」の画面で「General Shipping Settings」と「Shipping Templates」の2つのタブが並んで表示されます。
Amazonのアカウントを日本で登録している場合、デフォルトで「Shipping Country」が「Japan」と表示されているのですが、これが正しく設定されるか確認してください。
発送国が「Japan」と記載されていることを確認後「Shipping Templates」タブを開きます。こちらから送料テンプレートの登録ができます。
送料テンプレートというのは、送料の設定を複数登録できる便利な機能。新規テンプレートの作成をしておけば、編集はもちろん、既存テンプレートのコピー、不要なテンプレートの削除も可能。最もよく使うテンプレートは、デフォルト(初期値)として設定もできます。
米国アマゾンでの送料設定に便利な配送パターン登録方法
米国Amazonの出品で、配送パターンのテンプレートを作成する場合、まずテンプレート名を入力します。これは、後で分かりやすいように、自分の好きな名前でOKです。
「Shipping Template Name」の入力欄にテンプレート名を入力しましょう。
続いて「Rate Model」を次の2択から選びます。
- Per Item / Weight-Based(個数・重量制)
- Price Banded(購入金額制)
これは配送料設定の選択肢。
「Per Item / Weight-Based(個数・重量制)」というのは、注文1件ごとの定額料金に、商品1点毎または重量(ポンド)ごとの料金を加算して送料を決める設定方法。
もう1つの「Price Banded(購入金額制)」というのは、注文の合計金額によって送料を決める設定方法となります。
一般的にAmazon輸出出品の場合は「Per Item / Weight-Based(個数・重量制)」を選択します。
米国Amazonの配送料設定では、国内発送と海外発送のいずれかで設定できます。英語では、次の2つの項目です。
- Domestic Shipping(国内)
- International Shipping(海外)
ここでの「Domestic Shipping(国内)」というのは、あくまでもアメリカ基準での国内ですから、アメリカ以外からの配送となれば、全て「International Shipping(海外)」を選ぶことになります。海外への輸出販売初心者が勘違いしやすい部分なので気をつけましょう。
国内と海外、それぞれに設定可能な発送方法が異なります。
Domestic Shipping(国内)で利用できる発送方法は3つ。
- Standard (標準)
- Expedited (速達)
- Two-Day Delivery (11時AMまでの注文は翌々日お届け)
International Shipping(海外)で利用できる発送方法は以下の2つがあります。
- Standard (標準)
- Expedited (速達)
全ての発送方法が設定必須というわけではありません。国内、海外いずれも、Standard (標準便)のみ設定してもOKです。
国内発送で利用できる「Two-Day Delivery」というのは、日本Amazonで言う「マケプレお急ぎ便」にあたりますので、海外Amazonでの出品では利用しません。
更に、配送パターン設定では、地域ごと(Regions)にグループ分けしておくことができます。例えば、
- Domestic Shipping (米国内であれば州や諸島別)
- International Shipping (米国以外であれば国別)
といったように送料ごとに、各地域でグルーピングしておくと便利ですね。
Amazon海外出品で送料無料で出品する方法
海外Amazonでも、送料無料で出品している日本人セラーが多くいらっしゃいます。
海外発送で送料無料って大丈夫なの?と思うかもしれませんが、送料無料というのは万国共通で喜ばれます。一番の理由は、分かりやすさですね。
送料がいくらになるか不安だから購入を躊躇する、という障壁を無くすことができます。
では、海外のAmazonで「送料無料の出品」をする方法について見ていきましょう。
出品画面で[Shipping Settings]をクリックし、[Edit Template]で編集画面を開きます。
続いて、Rate Modelの区分にある、配送料設定をPer Item / Weight-Based(個数・従量制)を選びます。
Shipping feeに0.00ドルと入力します。
自己発送で「Free Shipping」と設定すると、Amazonの出品画面で以下のように表示されます。
Amazon海外で送料無料にするメリット・デメリット
送料無料は分かりやすいという理由で、世界共通で好まれます。
送料がかかるのでカートに入れた商品の購入を迷う、諦める、ということが無くなります。
そして、Amazonのプラットフォームでは、Refine byのところで「Free shipping」だけに絞って表示することができます。よって、送料無料とするだけで差別化になります。
反対に、送料無料のデメリットとしては、送料を安くした分、商品代金を高く設定すると一見商品価格が高く見られがちです。
そして送料無料としますと、まとめ買いがされにくくなります。その理由は購入金額制(Price Banded)にした場合、注文の合計金額によって送料が決まりますので、同じ送料であればもっと買おう、ついで買いしよう、という心理が働きます。
送料無料としますと、本当に必要なもののみ買う方が大多数です。
アメリカAmazonの送料を出品商品ごとに変更する方法
送料ですが、数年毎に値上げになることもあります。そのような場合、設定した送料を上書きする方法があります。
セラーセントラルにログインし、Inventory>Add Product via Uploadをクリックし、テンプレートをダウンロードします。
ダウンロードされた、Shipping Override Fileというエクセルファイルを開き、SKU毎に通貨や送料価格、更新か削除か、などの項目を入力して、テンプレートを準備します。
続いて、セラーセントラルのUpload inventory filesから「Shipping Overrides File」を選択し、準備したテンプレートをアップロードして完了です。
【Amazon輸出】海外のアマゾン出品で送料を安くする方法
海外発送は、大多数の方が日本郵便を利用しています。
料金は全国一律で決められており、海外宛ての場合、他の配送業者のように交渉して見積を取るということは難しいです。(ゆうパックであれば、最寄りの局と交渉して見積を出してもらうことができます)
続いて送料の支払いですが、都度現金で払う方法と月締めで口座引き落としで払う料金後納契約があります。
後納としますと、専用のビズカードを発行してもらうことができ、支払いが月締めで都度精算が不要ですので、荷物の配送依頼がスムーズになります。
更に支払い方法は、現金で払うこともできますが、切手払いも可能です。
その際、荷物に送料分の切手を貼付してもよいのですが、荷物の量が多いときには切手を貼る作業だけで時間がかかります。
切手払いとしたい方は、料金別納で送料分の切手と引き換えに発送することができます。
手順は別紙に切手を貼って提出する、局員に切手を渡す、など局によって対応が異なりますので詳細は最寄りの局に問合せしてみてください。
なお、料金別納と料金後納は別ですので、混同しないように注意しましょう。
Amazon輸出の自己発送の場合、荷物の量が多いという方もいると思います。
その場合は、ボリュームディスカウントが摘要できますが、その前提条件として、料金後納ないし料金別納が必要とされます。では、その詳細について説明します。
Amazon送料は割引を活用せよ!海外のアマゾン出品で知っておくべき配送割引
Amazon輸出をするならば、利益底上げのためにも、配送割引について把握しておきたいですね。
例えばEMSでの配送であれば、以下の割引制度があります。
- 同時差出割引(料金後納または別納)
- 月間割引(料金後納)
- 年間実績割引(要申し出)
これらの割引は併用することはできませんが、1つずつ内容をチェックしていきましょう。
EMSの同時差出割引
EMSの同時差出割引というのは、1回にまとめて10個以上の発送で送料が10%OFF、50個以上なら20%となる割引サービスです。
EMSの同時差出割引は、料金別納か、または料金計器別納または料金後納としたもののみが対象となります。
EMSの月間割引
EMSの月間割引というのは、1ヶ月間で50個以上の配送をする場合に適用される割引サービス。
発送個数/月 | 50個以上 | 100個以上 | 300個以上 | 500個以上 | 1,000個以上 | 5,000個以上 |
---|---|---|---|---|---|---|
割引率 | 10% | 15% | 18% | 20% | 22% | 23% |
EMSの月間割引は、料金後納の場合のみ、割引対象となります。
EMSの年間実績割引
EMSの年間実績割引というのは、1年間で6,000個以上のEMSを発送した場合に、翌年1年間、継続して割引を受けることができるサービスです。割引率は以下の通り。
差出個数/年 | 6,000個以上 | 8,000個以上 | 10,000個以上 | 15,000個以上 | 30,000個以上 | 60,000個以上 | 120,000個以上 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
割引率 | 20% | 21% | 22% | 23% | 24% | 25% | 26% |
ただし、このEMSの年間実績割引は、申出書で日本郵便へ申請しないと受けられません。申請月の前月から過去1年間の発送数が6,000個以上となれば適用されます。
また、今後1年間で6,000個以上発送する予定がある場合の特例措置もあるので、大量取引の発生が見込まれる場合には、窓口で相談してみるといいですね。
このように、数を発送するようになると、様々な割引が利用できますので、しっかりと活用していきましょう。
輸出の際はとにかく配送にお金がかかります。梱包でも緩衝材などの経費が掛かるので、まとめ買いなどで少しでも安く抑えたいですね。まとめ買いの他、ダンボール箱を定番サイズ数パターンで限定するといった工夫も有効。こうした工夫は、費用だけでなく作業量の軽減、時短による効率化にも繋がります。
Amazon輸出初心者が出品時の送料設定で失敗しないために
ここまで送料設定に関する手順や割引について記載しました。最後に、送料設定を失敗しないためにも注意点をお伝えします。
送料設定は、商品の3辺サイズと重量で決まります。商品毎にサイズや重さが異なりますが、商品単体ではなく、実際は梱包後のサイズと重さを把握する必要があります。
商品が手元にあれば、測定できるのですが、無在庫の場合は事前に調べることができません。
その際、Amazon JPにあるデータを見て予測の送料を割り出します。
Amazonのデータは必ずしも正確ではありません。よって、1度販売した商品は予測送料と実送料の整合性を確認し、修正が必要であれば、適正な送料を再設定することが必要となります。
Merchant販売での送料設定は、最初は複雑に感じるかもしれませんが、ルールを定めて取り組むことで予想以上に送料がかかったり、予定していた発送方法で発送不可だったということを回避できますので、取り組みながら送料設定の手順を確立させることが第一歩です。