AmazonUSとは?
アマゾンは日本でも多くの方が利用していますが、AmazonUSと言えば世界最大級のECサイトです。
そんなアメリカのAmazonUSでも、多くの日本人が商品を出品しています。
海外のAmazonでの出品というと、ちょっとハードルが高いですよね。実際、日本からAmazon.comのサイトで販売をするというのはどのように手続きするのでしょうか?
実は、Amazonの出品システムはほぼ全世界共通。言語は異なるものの、日本のセラーセントラルを利用している方ならそれほど難しいことはありません。初心者の方でも、比較的簡単に輸出ビジネスにトライできるのです。
AmazonUS出品のメリット
AmazonUSで出品することで得られるメリットとは何か、その魅力をチェックしていきましょう。
USアマゾンは結果が早い
AmazonUSでの輸出は、とにかく結果が早く出やすいのが特徴でありメリットです。
AmazonUSでセラーアカウントの作成さえできれば、すぐにでもアメリカのAmazonで輸出販売を始めることができます。
Amazonのプラットフォームでは、商品カタログ毎にランキングが公表されています。該当の商品がどの程度売れているかの指針になり、今後の売れ行き予測にも活用できますね。
Amazon出品をサポートしてくれる外注システムも様々にあり、外注化しやすいのも魅力です。
Amazonでは、1つのセラーアカウント内に複数のユーザーアカウントを発行し、各々の権限を設定できる仕様となっています。例えば、在宅の外注さんを見つけて、出品や顧客対応など、作業パートを限定して外注依頼をすることも可能なのです。
アメリカAmazon出品は初心者でも取り組みやすい
アメリカAmazonでの出品であれば、全くの初心者であっても数ヶ月で数百万円の売上を達成することも不可能ではありません。
出品の登録なども簡単で、既にAmazonUSで出品されている商品であれば、1つ出品するのに掛かる時間はほんの数分です。
Amazonでは、方法によっては在庫を持たずに販売することも可能。この方法を活用すれば、まとまった資金がなくても大量に出品ができて、売れない商品の在庫を抱える心配もありません。
売れるものが分かれば、在庫を仕入れて本格的に参入することもできます。
Amazonという後ろ盾があるため、初心者でも取り組みやすく、結果を出しやすいのが大きなメリットになるのです。
AmazonUS出品のデメリット
AmazonUSでの出品は初心者でも始めやすいこともあり、日本からの参入者も多いです。価格差がある商品を見つけて出品しても「すぐにライバルが出現!」といったこともよく起こります。
参入へのハードルが低い分、誰でも仕入れのできる商品ばかり扱っていれば、ライバルが増えて価格競争に巻き込まれてしまうでしょう。
Amazonで出品されている商品のページを「商品カタログ」と言うのですが、1つの商品カタログには、複数名が出品しているというのが基本です。
その複数いる出品者の中で誰かが価格を下げれば、周りもそれにならって価格を下げるといった現象が起こりやすくなるのです。
AmazonUSでの出品でも、日本と同様に価格改定ツールで価格設定を自動化しているセラーもいます。時に赤字でも価格を下げてくる場合があり、ここから価格破壊が発生することも。
こうしたリスクを避けるためには、ライバルが増えにくく利益が出せる商品を見つけることが大事ですね。
ただ、Amazonではどんな商品でも出品可能というわけではない点にも注意が必要です。
Amazonの出品ではなく輸出で制限される商品もありますし、商品やブランドによっては、Amazonでの販売許可が必要なものもあります。
これらはデメリットと言えるでしょう。
あともう1点、最大のライバルが「Amazon」であることも大きなデメリットですね。
Amazonはどの商品がどのくらい売れているのか、売れるもの、売れないもの、ライバルの数や販売力まで、最も詳細なデータを把握している最強のセラーなのです。
そうは言っても、Amazonという世界最大の通販サイトの強みを活用できるのですから、メリットを最大限得られるよう、上手に出品して利益を出していきたいですね。
AmazonUSAアカウント登録方法
スタートするためには、Amazon usaで販売していくための「セラーアカウント」を準備します。Amazon.comで新規アカウントを作成しますが、それだけでは購入のみしかできません。アカウント作成後、続いて「セラーアカウント」を作ることで販売が可能となります。
Amazon usaに新規登録する際、必要なものは以下の3つです。
- 名前
- メールアドレス
- パスワード
そして、セラーアカウント開設時に必要となるものは、下記です。
- 名前
- メールアドレス
- 住所
- クレジットカード
- 電話番号
- ショップ名
電話番号は、本人確認のためのPINコードが届きます。ショップ名は変更が可能です。
amazon.comでの出品種類と販売方法
では、実際にAmazon USAに出品するには、どのような方法なのでしょうか?
それは、大きく大別して次の2通りがあります。
amazon.com の出品種類
セラーアカウントを作成する過程で、セラーアカウントのタイプについて問われます。
- 「Sell as a Professional」 大口出品
- 「Sell as an Individual」 小口出品
大口出品を選択しますと、月額$39.99の固定費がかかります。小口出品は月額料は無料です。ただ、小口の場合は1点売れる毎の手数料が発生しますので、月の販売個数によってどちらがよいか、見極めを行います。
大口と小口の切り替えは随時できますので、具体的に販売したい商品がまだ決まっていない方は、まずは小口で作っておき、まとまった出品をする前に切り替えをされるとよいかと思います。
amazon.com の販売方法(自己発送とFBA)
商品に出品する際に、2通りの販売方法を選択することができます。
- Merchant(自己発送)
- FBA(Fulfillment by Amazon)
これは、商品を出品して売れてからどのように発送するかを事前に決めることです。Merchantを選択しますと、売れたら日本からお客様に直接発送し、FBAの場合は、予め商品をAmazon倉庫に送っておき、売れたらAmazonの倉庫から顧客に発送となります。
amazon.com の販売方法(相乗りと新規出品)
- 相乗り出品:商品カタログに出品する
- 新規出品:新規にカタログを作成して出品する
相乗り出品とは、既に存在する商品カタログに自分も出品する方法です。新規出品とは、自らが商品カタログを作成するところから行います。
Amazonに出品する方法は、大きく分けると次の2つです。
- 相乗り出品
- 新規出品
相乗り出品は、既存の商品カタログに自分も参入して出品する方法です。相乗りでの出品はとても簡単ですので、1品あたり数分で完了します。必要事項は、SKUと価格、販売方法(Merchant/FBA)の選択、販売方法がMerchantの場合は発送までの日数です。
相乗りの場合、他の出品者と差別化できる要素は価格がメインです。最安値でほぼ同価格、同条件で出品している出品者は、「Amazonのカート」が順番に回ってきます。
次に、新規出品について説明します。
こちらは、まだ誰もAmazon usaに出していない商品を出す際に自分で商品カタログを作成して出品、販売します。新規に商品カタログを作るには、JANコードが必要です。JANコードを取得するには、予め一般財団法人 流通システム開発センターにて、GS1事業者コードに登録し、番号を付与してもらいます。
新規カタログを作ることができれば、まだ誰も出していない商品を売るだけでなく、人気商品を組み合わせたセット売りもできますので、独占販売も可能です。
Amazonアメリカでの出品登録
既存の商品カタログに出品する手順を記載します。
まず、seller centralのInventoryからAdd a Productを選択します。続いて、ASINコードやJANコード、商品名(英語)などで出品したい商品を検索します。出品したい商品が表示されましたら、「sell yours」ボタンを押し、以下の項目を入力します。
以下の4つが必須事項です。
- Seller SKU (セラーの商品管理コード)
- Condition(new, usedなどを選択)
- Your price (販売したい価格、USドル)
- Quantity (出品する個数)
最後に「Save and finish」ボタンを押して出品完了です。
出品が完了しますと、下図の画面が表示されます。
出品完了しますと、e-mailでも通知が届きます。
Amazonアメリカでの新規出品登録(カタログ作成)
新規登録の方法も説明します。
seller centralのInventoryからAdd a Productを選択します。その際、Create a new product listingをクリックし、続いて商品カテゴリを選択してSelectボタンをクリックします。
そうしますと、画像のような画面が表示されます。タブが下記の5つあり、各々必須項目を入力していきます。
- Vital Info
- Offer
- Images
- Description
- More Details
《Vital Info》
《Offer》
《Images》
《Description》
《More Details》
5つのタブに入力や画像登録が終わりましたら、最後にSave and finishボタンをクリックすると、新規の商品カタログ作成が完成です。出品は、上述のカタログ商品出品登録と同様の手順で登録できます。
新規出品登録で必要なJANコードとは?
日本の商品には、商品管理コードが付与されています。日本には、Japanese Article Numberという規格があり、一般的にJAN、JANコードと呼ばれています。
日常的にお店で売っている商品のパッケージを見ますと、必ずバーコードがあるかと思います。バーコードをの下に数字が49〜, 45〜などと記載がある番号がその商品のJANコードです。バーコードはスマートフォンでスキャンすると、同じ数字を読み込みできます。
日本国内で共通の商品管理コードをつけておくことで、商品が日本全国に流通しても誰もが迅速に正確な商品情報を得られることができます。JANコードは日本の規格ですが、Amazon USAに出品する際にも登録できます。
では、まだ誰もAmazon USAに出品していない商品や、オリジナル商品等を出品したい場合、JANコードはどうすればよいのでしょうか?
JANコードを取得するには、予め一般財団法人 流通システム開発センターにて、「GS1事業者コード」(ジーエスワン)に登録し、番号を付与してもらいます。登録は有料です。自分の会社や事業の番号が付与されますので、その後に、商品アイテムコードを順番につけて、チェックデジットという末尾のコードを計算すると新規JANコードを作成できます。
AmazonUSA|日本からのFBA納品方法
FBAに商品を送るためには、Amazon USAで納品プランを作成します。納品プランは、どの商品を何個ずつAmazon倉庫に送るか、ステップ式に登録していきますが、その際に商品毎にバーコードを誰が貼るか?を指定できます。
自分で貼るか、Amazonに依頼するかの2択ですが、Amazonに依頼をしますと、1枚毎に手数料が発生しますので、自分で貼ることをお勧めします。
納品プランを作る際に、どの箱にどの商品が何個入っているか?を入力していきます。なお、1箱当たりのサイズと重量は、上限値がきまっていますので超えないように注意します。
納品プランが完成しますと、発送先の倉庫が指定されます。発送は、転送業者を利用したり、USA在住のビジネスパートナーを探して転送してもらうという方法もあります。
転送する場合は、Amazonが用意しているAmazon パートナーキャリアを利用すると送料を節約できます。1回当たりの物量が多い方は、クーリエで直送した方が送料を押さえられる傾向があります。
どちらが良いかは、ご自身が送る荷物の量によってきまりますので、料金計算をシミュレーションしてみましょう。
Amazonセラー出店|US Amazonでの注意点
アメリカのAmazonでセラーとして出店すれば、たくさんの商品を売ることができますが、注意すべき点もあります。
価格改定や在庫切れ等などこまめにチェック
海外Amazonに出品するのは簡単ですが、そのまま売れるまで放置していると、問題が発生することもあります。
どういった問題が発生するかというと、まずは価格。
Amazonでの商品価格は常に変動しています。出品時にライバルチェックをして設定した価格のまま出品し続けていると、高すぎていつまでも売れなかったり、もっと高く売れたのに気付かずに安く売ってしまったり、なんてこともあるのです。
価格の定期的な見直しは赤字防止のためだけでなく、より高く販売するためにも大事です。これは、Amazonでの発送種類や販売方法に関わらず、必ずやるべき作業だと認識しておきましょう。
もう1つは、無在庫販売の場合。
在庫を仕入れずに自己発送で販売する場合にも、注意が必要です。なぜなら、売れた後に在庫切れで仕入れができなかったり、仕入れ値が高騰して赤字になったりすることもあるから。仕入元の管理を怠ればリスクも高くなるので注意しましょう。
こうしたリスクを回避するためには、ツール活用を検討するのもいいでしょう。Amazon輸出を効率化するツールは多数存在します。
Amazon出品ツールといっても、目的に応じて様々な種類があるのですが、例えば、
- 日米Amazonで価格差のある商品を選別するツール
- 出品後の価格変動に応じて価格設定を自動変更するツール
などがあります。使いこなせば、リサーチや日々の作業を効率化してくれるでしょう。
ただし、ツールは便利な反面、管理も必要です。例えば、価格設定ツールで無限に価格を下げられては困りますから、利益を考慮した設定が必須です。ツールを活用する際には、それぞれの機能をしっかり把握した上で導入を検討しましょう。
アマゾンからの警告メール
Amazonで出品していると、Amazonから警告メールが届くこともあります。例えば、知的財産権に抵触しているものなど、ランダムにインボイスの提出を求められる場合もあります。
Amazonからの警告メールが届いた場合は、すぐに内容を確認しましょう。英語が分からなければ、翻訳ソフトなどを利用して内容を把握します。具体的にどの商品に対して、何の警告が来たのかを理解して、対処する必要があります。
→ Google翻訳
警告通知の内容が分かっても、トラブルの原因が不明の場合は、AmazonUSのカスタマーサービスに問い合わせをするのが確実です。最近は、AmazonUSAでも日本語での対応が可能となっていますので、英語が堪能でなくても問い合わせしてみましょう(問い合わせ内容によっては英語のみの場合もあります)。
警告がきた商品が分かれば、今後は同様の商品を出品を避け、アカウント停止等のペナルティを受けないよう注意して出品していきましょう。
US Amazon出品初心者のトラブル事例
US Amazon出品で初心者にありがちなのが、ツールに頼りすぎたことによるトラブルです。
「利益が取れるはずだったのに売れたら赤字だった」などといった失敗が起こりがちなので注意しましょう。
ツールで日本と海外Amazonの価格差を出す際に取得できるデータ等は、あくまでも「Amazonサイト上にあるデータ」から拾ったものです。
ですが、残念ながらAmazon上のデータは、完璧ではなく、中には誤情報もあるのです。特に、パッケージの寸法や発送重量がAmazonの数値と実際の数値で異なるケースは珍しくありません。
海外との取引では、発送重量や商品のサイズは、送料にも利益にも大きく影響します。
送料が想定よりも高い、あるいは安い、ということは十分にあり得ますので、予想利益を計算する際はこの点を把握しておくべきですね。ツールもAmazonも完璧ではありません。
海外Amazon出品は「アカウントヘルス」に要注意
プラットフォームで販売を行っていく上で大切なことは、アカウントを守ることです。
Amazonの場合、「アカウントヘルス」という画面でアカウントの状況がわかります。現時点での項目は以下の通りです。
Customer Service Performance:顧客サービスの実績
- Order Defect Rate 注文不良率
Product Policy Compliance:商品ポリシー遵守
- Product Authenticity 商品が正規品か
- Product Safety 商品の安全性
Shipping Performance:発送の実績
- Late Shipment Rate 発送遅延
- Pre-fulfillment Cancel Rate キャンセル率
- Valid Tracking Rate 追跡番号
これらの項目が規定値を下回らないように取引を行いながら注視します。
自己発送の場合、商品が売れてから発送するまでの期日(ハンドリングタイム)は余裕を持って設定します。ハンドリングタイムを過ぎてしまうと、アカウントに支障が出てしまいます。特に、在庫を持たない場合、売れてから仕入れ、梱包発送と工程がありますので、自分が発送可能な期日で出品をしておきましょう。
アカウントは最重要です。アカウント停止、サスペンドになってしまうと、資金留保だけでなく、復旧に労力も時間もかかります。最悪は永久サスペンドにもなりかねないので、アカウントヘルスは常に確認するよう習慣化します。
AmazonUS出品でのデメリットも把握して確実に収益を
ここまで、Amazon USAでの輸出について、基礎となる情報を記載しました。メリット、デメリットで記述の通り、参入しやすい反面、ライバルも増えやすいプラットフォームでもあります。しかし、誰にでもできて売上を上げやすいのも事実です。そして、リサーチした商品をFBAで販売する方法は副業の方でも時間をかけずに取り組むことが可能です。これから輸出をやってみたい方は、まずアカウントを小口で作っておくだけでも、一歩前に進めると思います。