ネットショップ作成サービス「BASE」とは?
BASE(ベイス)とは無料でネットショップを開設できるサービスのことです。
システムなどを提供しているのはBASE株式会社であり、2021年にショップ数は140万店舗を突破しました。
ファッション、フード、ハンドメイドなど扱われているカテゴリーも幅広く、オリジナルのTシャツやスマホケースが作成できるアプリケーションソフトも無料で利用することができます。
BASEでネットショップの作り方は、メールアドレスを登録して必要事項を入力するだけです。
基本のショップURLではBASEが用意しているドメインが選択できるので、別途サーバーを契約する必要もありません。
ショップデザイン用のテンプレートも複数あるので、無料のブログサービスを利用する感覚で自分のECサイトをオープンできてしまいます。
運営自体も無料で、登録や月額料金などが請求されることはありません。
販売をしているだけの状態であれば、費用をかけずに使えます。
手数料も、実際に商品が売れたときに「BASEかんたん決済手数料」が3.6%+40円、「サービス利用料」が3%かかるだけです。
これら2種類の手数料は商品代金と送料の合計金額に対して、注文ごとに発生することになっています。
BASEのメリット
インターネットのおかげで、既存の大手ECサイトなどへの出品は一般的になりつつありますが、自分のネットショップとなると、また違った特徴があります。
BASEのメリットは大きく分けて2点あります。
無料で自分のショップが持てる
1つは無料で自分のショップが持てるという点です。
通販で好きな商品を販売できる場所を望む人にとってはネットショップが開設できるだけでもポイントが高いかもしれませんが、BASEはそれを無料にしたことで人気を集めています。
サイトのカスタマイズが簡単
もう1つのメリットはサイトの開設や機能の拡張が簡単であるという点です。
確かに、BASEのようなサービスに頼らず、自力でECサイトを開設するのは不可能ではありません。
しかし、その場合はサーバーをレンタルしたり、サイト構成を考えたりと、販売以外のさまざまな面についても準備をしなければならないのが一般的です。
その点、BASEであれば、基本的なショップ開設はもとより、クレジットカード決済の設定ですらもボタン1つですることができるので、自分のやりたいことにだけ、集中することができます。
また、海外向けの販売用に多言語機能やオンライン決済サービス「PayPal(ぺイパル)」を選ぶこともできるので、語学の苦手な人でも簡単に海外向けのショップを開設することができます。
BASEのデメリット
現状、BASEで課題とされているのは集客に自分なりの工夫が必要になるという点です。
ショップ運営を成功させるにはネットショップ・リアル店舗を問わず、集客努力が欠かせません。
特に、ネットショップの場合はリアル店舗のように立地を選ぶことができないのが難点とされています。
立地による集客が期待できない分、自分のショップをより多くの人に見てもらい、商品が売れるようにするためには、Webマーケティングの知識が必要となります。
記事の後半では、自分ですぐに取り組める有効な方法をいくつか解説していきます。
BASEでネットショップを開設するパターン
実際にネットショップを開設することをイメージできたら、他の人がどのような感じで出店しているのか、気になる人もいるのではないでしょうか?
ここでは、BASEの主な店舗開設パターンについて事例をもとに紹介していきます。
パターン1:リアル店舗からの販路拡大
BASEの出店パターンとして最も分かりやすいのは、もともとリアル店舗を運営している人が商品の販売ルートを増やすためにネットショップを開設するパターンです。
例えば、アパレルショップが公式オンラインストアとしてBASEを活用するケースがあります。
今や、アパレルのネット通販は販路として欠かせない存在となっていますが、独自のオンラインストアを用意しようとすると、費用や人材といったリソースを確保しなければなりません。
その負担が決して小さくはないことを考えると、BASEは理想的な選択肢となるのです。
また、街のお菓子屋さんなどの食品店がネット販売でお客さんの利便性を追求するのもパターンの一つです。
例えば、お年寄りや遠方に住む客のためにいつでもお店の商品が手に入る環境を作っておくことは商品購入のチャンスを見逃さないという意味で大きなメリットがあります。
リアルとネットの双方から売り上げが入る状況を作っておくことで売り上げの安定化が期待できるのです。
パターン2:自作の商品の発信基地
もちろん、ショップデビューの場としてBASEで開設するというパターンもあります。
例えば、クリエイターが自作の商品の発信基地としてBASEを活用するケースです。
クリエイターは自分の作品のみを扱える場所を求めていることも多く、BASEでオリジナルのショップを持てることが創作活動のモチベーションに良い影響を与えています。
時には、ファンになってくれたお客さんを対象にワークショップを開催したり、イベントを企画したりといった将来の選択肢を広げる活動もできるため、クリエイターがBASEに出店をするメリットは大きいのです。
なかには、大学生が立ち上げたアパレルブランドがBASEで人気となり、リアルでポップアップストアを出店するにいたったケースも存在します。
パターン3:好きな商品を仕入れて販売
BASEでは、自分で制作するようなオリジナルの商品がない人でも、ネットショップを運営できるのが特徴です。
例えば、海外などから好みのアイテムを仕入れて販売するといった方法がそれに当たります。
日本は必要な物が十分に行き渡っている社会ではありますが、世界には日本未発売の魅力的な商品が存在するものです。
そういった情報に詳しく、海外まで買い付けに行くタイプの人であれば、BASEを通じて自分がおすすめするアイテムを国内にシェアすることも可能です。
また、転売などの物販ルートとしてBASEを活用することも考えられます。
転売やせどりではAmazonなど大手ECサイトやオークションサイトへの出品が主流ではりますが、独自のネットショップを持つ動きも出てきつつあり、今後ブームとなるかもしれません。
自分のショップであれば、より自立した稼ぎ方を身につけることも可能です。
ただし、BASEで中古品を販売する際は「古物商許可証」を取得するのがルールです。
BASEでのネットショップ開業が向いている人
ネットショッピングが普及している現代ではBASEの活用方法にもさまざまなパターンが考えられますが、何事にも向き・不向きはあります。
そこで、BASEでネットショップを開設するのが向いている人のタイプについて説明していきます。
【BASEでのネットショップ開業が向いている人】
- 気軽な気持ちで物販をしたい人
- ハンドメイド作品を販売したい人
- 自分の店を持ちたい人
気軽な気持ちで物販をしたい人
BASEはネット販売の経験が全くない人でも使いこなせるシステムなのが特徴的です。
実際に出店している人たちからも、BASEのようなサービスなしに自力でネットショップを開業するなんて到底できそうもない夢だったという声がよく出てきます。
そのため、物販に興味はあっても難しそうなイメージを持っている初心者の人はBASE向きといえます。
基本的な機能を使って運用する分には無料なので、金銭的なリスクを背負うことなく、気軽な気持ちでスタートできます。
どんな商品を扱っていくかは人によってさまざまですが、本格的に取り組むだけの商品数が揃っていなくても出店してから少しずつアイテム数を増やしていく形で問題ありません。
ハンドメイド作品を販売したい人
趣味でハンドメイドに取り組んでいて、知り合い以外の人にも自分の作品を見てもらいたい、使ってもらいたいという人もBASEはおすすめできます。
特に、近年はminne(ミンネ)やCreema(クリーマ)といったハンドメイド作品を販売できる場所も複数あり、市場自体も活気があります。
BASEでハンドメイド作品を販売するメリットは「自分のショップ」として、さまざまなところで宣伝ができるところにあります。
最初は小さくても続けていくうちにイベントなどの新しい可能性につながることもあるので、挑戦してみる価値はあります。
自分の店を持ちたい人
BASEは物販初心者にも使いやすいサービスですが、もちろん自分の工房を持つレベルの本格派にも理想的な環境です。
特に、本当はリアル店舗を経営したいと思いつつも、初期費用のハードルが高く、悩んでいるタイプの人はBASEからスタートするのが向いているかもしれません。
実際に同じ理由で出店している職人気質の人たちもいるので、一人で活動するよりも刺激を得られる可能性があるからです。
リアル店舗で自分のブランド感を演出しようとすると、作品だけでなく、内装や家具の影響が大きくなる分、どうしても費用がかさんでしまいます。
しかし、ネットショップであれば、ほとんどお金をかけることなく、オリジナル感を出すことができるのです。
BASEで集客を成功させるコツ
BASEは2021年の時点でアプリのダウンロード数が800万を突破しており、右肩上がりの成長を続けていますが、商品が本当に売れるのか気になる人もいるかもしれません。
そこで、最後に、BASEで集客を成功させるコツについて紹介します。
SNSを活用する
ネットショップに限らず、Web上での集客はSNSが鍵を握ることが多くあります。
そこで、まずは、BASEでもSNSアカウントの活用を意識したいところです。
BASEでは2021年現在、Twitter、Facebook、Ameba、Instagramと連携することができるようになっています。
例えば、BASEに開設した自分のショップと、もともと持っているFacebookのアカウントを相互リンク機能で結べば、個人としての運営であっても友達や知り合いにネットショップの存在を知ってもらいやすくなります。
また、将来的にショップのファンになってくれる人が現れたときも、SNSアカウントがあれば気軽にフォローしてもらえるので有利です。
SNSを積極的に利用していない人は、ショップの開設を機会に、SNSにも挑戦してみることをおすすめします。
検索キーワードを意識する
実際に販売をするときは検索キーワードにこだわることも重要です。
商品が売れるようにするには、購入者が利用する検索機能を意識して自分のショップへの導線を強化する必要があるからです。
BASEの場合であれば、ショップ説明や商品名、商品説明の欄にキーワードを盛り込んでおくのが有効です。
例えば、アパレル商品として花柄のブラウスを販売するのであれば、「トップス」、「ブラウス」、「花柄」といった言葉を使った文章が必要となります。
ネットショップの場合は、使用したキーワードが売れ行きを大きく左右すると考えておいて間違いありません。
ただし、関連性の低いワードを多用すると、お客さんをがっかりさせてしまい、逆効果となるので、その点は注意が必要です。
BASEの集客機能を使う
BASEでは、拡張機能として提供されている「BASE Apps」を利用して集客アップを狙う方法もあります。
例えば、BASEのショップ内にブログ記事を掲載できる「Blog App」もその一つです。
商品の制作過程や仕入れの様子などを公開することで、ブランドや商品についてより深く知ってもらうことができます。
また、「メールマガジン配信App」も集客に効果的です。
これは自分のショップで商品を買ってくれた人を対象に無料のメルマガを配信できる機能です。
新作の告知情報や季節のキャンペーン情報などを送ることで、リピート顧客の獲得に役立ちます。
これら2つの機能は無料で利用できるので、ショップを開設した当初から積極的に利用することをおすすめします。
ここで紹介した以外にもアイデア次第でさまざまな使い方ができるので、さまざまな工夫を試してみてください。
BASEで自分のネットショップを開設してみよう!
BASEのようなサービスがリリースされたことで、自分の店舗を持つことはもはや難しいことではなくなりました。
BASEは、開設方法が非常に簡単で、無料の機能が多い点がショップオーナーたちから高評価を得ています。
もし、ネットショップを始めることを考えているのであれば、BASEは便利な存在です。
まずは気楽な気持ちでショップ開設をしてみるといいかもしれません。
以下の記事でもBASEについて解説しているので、興味のある方は合わせて参考にしてみてください。