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実はこれもメイドイン深セン

吉川真人
更新日:2022年6月7日
投稿日:2022年6月6日

この記事の内容

中国を代表するハイテク企業のテンセントやファーウェイを生み出し、「中国のシリコンバレー」とも言われる深セン。

その街で、投資会社と組んで高級ブランド品のリユース事業・monobankChinaを共同創業し、日本人初のユニコーン&IPOを目指し奮闘している若き経営者/吉川真人さんに、物販総合研究所公式サイトの読者へ中国の「今」や「新しい」を伝えてもらいます。

神岡進也
この記事の監修者
吉川 真人
monobankChina共同創業者
深セン投資会社と組んでブランド品AI鑑定とリユース日中JVスタートアップmonobankChina共同創業者。プロダクトマネジメントやデータ分析、ファイナンス、O2Oマーケティングに従事。中国ビジネスインフルエンサー。2009年同志社大学に入学後、大学3年次に1年間休学し、北京の中国青年政治学院へ留学。これを機に早くから海外で経験を積むことに決める。2014年に大学を卒業後、新卒でベトナムの人材紹介会社へ入社し、3年間ハノイ・ホーチミンで勤務した後、2017年2月に日本支社へ転籍。業績1位を取ったタイミングで退職した後、フリーランスとして幅広く活動。2019年に深センに渡り、2020年monobankChina創業。同社リユース事業で日本人初のユニコーン&IPOを目指して奮闘中。
▶Twitter:https://twitter.com/mako_63
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深センは中国のシリコンバレーであり越境ECの聖地

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かつて3万人の漁村がポスト毛沢東として政権を握った鄧小平の資本主義経済化計画の改革開放によって「紅いシリコンバレー」や「未来都市」と呼ばれるようになった中国広東省深セン。

中国国内では北京、上海、広州、深センのそれぞれの文字を取って「北上広深」と呼ばれ、中国4大経済都市に深センは選ばれており、凄まじい発展を遂げた成功モデル都市であり、街中では既に自動運転のロボタクシーやドローンのフードデリバリーが民間企業と政府が提携して実証実験を行っている。

他の経済都市と比較して深センは日本語の情報が少なく謎のベールに包まれているので、まずは深センの概要を紹介していく。

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(深センの地図) 深センは香港の真上に位置し、東京とほぼ同じくらいの面積しかないが、既に人口は2000万人を越えようとしており、各地や海外から優秀な人材が集まり、スタートアップ企業を興す人も少なくない。

統計上、10人に1人が経営者で「起業するのが当たり前」の土壌が形成されていると言え、「中国のユダヤ人」の異名を持つ潮汕人が500万人くらい住んでいる。彼らに深センの主要なビジネスを牛耳られていると言っても過言ではなく、世界時価総額TOP10にランクインする深セン発企業のTENCENTの創業者ポニーマーもその民族の一人である。

日本でも有名な電気自動車のBYD(沖縄と京都には同社バス導入済み)、通信インフラメーカーHUAWEI、そしてドローン世界シェア70%を超えるDJIは全て深センから生み出されたテック企業で、深センの凄まじい発展とともに育った企業たちとも言える。

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これらはあくまでキラキラした深センの表の顔に過ぎず、実態としては深セン版秋葉原や越境ECの聖地の側面が強く、Amazonのベストセラーは深センの業者が牛耳っていることは業界内で非常に有名である。読者の方ももし機会があればAmazonの販売者情報を閲覧してみると、Shenzhenから始まる会社名か住所が見つかるに違いない。

越境ECのセラーたちは深センを中心として東莞、広州、恵州、佛山、中山、珠海の工業エリアに密集している。彼らは売れる商品、もしくは既に売れている商品とわかればすぐに商品研究やレビュー分析を行い、模倣品を即座に作り上げていくし、ベンチマークとしている競合他社の工場の特定も全く厭わない所謂「深センスピード」の一面である。

彼らは主にHUAWEI付近の坂田というエリアに密集して、日本やアメリカ、ヨーロッパに販売している。筆者は何度か越境ECの聖地を訪れたことがあるが、その付近はビルばかりでお金儲けに執着する夢見る中国人たちが歩いている姿を見かけた。彼らに24時間働けますか?と聞けば、「はい、儲かるならば」と即答しそうだ。シニカルな表現にはなるが「精神と時の部屋」とも呼んでいる。

また、2021年にAmazonセラーのアカウントが数万社単位で凍結した事件はまだ記憶に新しいかもしれない。実はその多くは深センのセラーたちと言われている。

アカウント凍結の理由は、業界内で当時当たり前のように繰り広げられたサクラレビューが原因である。Amazonセラーが活用する倉庫(FBA)から商品を販売することも手元に戻すこともできず破産した会社は数知れず。

きっとSNSのDMで「アマゾンのレビューするだけで1日30分月10万円稼げます」という怪しい連絡が来ていたら、サクラレビューを求めるセラーであると言える。

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(华强北の写真)

次に、深セン版秋葉原の電気街/華強北はガジェット製品の卸市場であり、ジャンク品のApple製品からMTGのシックスパッドをもろパクりした商品、1000円弱の小型ドローンやコナンのような電動モーター付きスケートボードなどのB級品(下手するとガラクタに属する)は日本人なら無視できないくらい面白い。

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前置きが長くなってしまったが、深センは越境ECや中国OEM、ODMを駆使したビジネス環境が整った経済都市であることがご理解頂いたであろう。今回のコラムではタイトルの通り「これも深センの商品だったのか」と驚いていただき、読者の方々も深センのエコシステムを活用したビジネスの示唆を与えられたらと考えている。

 PUDU(普渡)

pudu1(本社訪問時に筆者が撮影)

ロボティクススタートアップPUDUは深センサイエンスパークの中心地に位置している。中国国内では、火鍋で有名な海底撈の配膳ロボットとして活躍しており、コロナの影響でニーズが急増し波に乗っている期待の企業。

同社のコア技術はSLAMとカスタマーフレンドリーで可愛げのあるAIが特徴的であり、店内のみならず店外でのビラ配りにも応用されており、飲食業界の人手不足を解決するプロダクトだ。

pudu2引用元:https://www.pudurobotics.com/jp/product/detail/bellabot

飲食店では予め指定したテーブル番号とテーブルの配置をロボットにインプットし、お客さんがオーダーした商品をそのお客さんのいるテーブルまで運ぶ仕組みとなっている。

実は2021年9月にパナソニックグループ傘下のパナソニック産機システムズと同社が連携し、飲食店やショッピングモール、ホテル、オフィス、百貨店、空港などに、「配膳・案内ロボット」の受注販売を開始している。

イオンモールやスターバックスにも活用されており、明らかにソフトバンクのペッパー君よりも多機能で実用性抜群だ。今後日本国内でPUDUを見かける機会は益々増えていくに違いない。

Anker

shenzhen7(筆者が帰り道で撮影)

日本でも有名なガジェットブランドAnkerは実は深セン企業であることはご存知だろうか?Amazonを主としてECサイトで低価格、高品質のスマートフォン周辺機器やパソコン周辺機器を販売したD2Cのパイオニア企業ではあるが、元を辿ると同社の歴史は面白い。

ご存じの方もいるかも知れないが、創業者のスティーブン・ヤンがGoogle米国本社の検索エンジンのソフトウェアエンジニアとして勤務した後、2011年に同社出身者を集めて創業した後、ヤンが深センに移住し製造パートナーを探したのがAnkerの黎明期である。

元Google社員たちによって創業された事実がフォーカスに当てられることでメイドインチャイナに脚光が浴びないようになっているが、これが日本国内で大ヒットした理由の1つであると筆者は考えている。

「安かろう悪かろう」のメイドインチャイナに対するアレルギーを持つ日本人は比較的多いが、Ankerがこの負のイメージから「これもメイドインチャイナ?ハードウェアのシリコンバレーの深センなら納得」という風に徐々にイメージ刷新しているに違いない。

Insta360

insta360(本社訪問時に筆者が撮影)

日本のYoutuberが動画撮影に活用する360度カメラのInsta360も深センの優良ハードウェア企業の1つだ。

VR球形カメラ業界のリーダーとなっており、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、日本を含む90以上の国々にて、観光、教育研修、マスメディア、スポーツ、イベント、会議などに広く使われている。

筆者は本社を訪問したことがあり、360度カメラのみならず、トイカメラやGoProのようなアクションカメラ、日本のアニメとコラボした商品など幅広く展示されていた。

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余談になるが、同社の英語名は「Shenzhen Arashi Vision」で、創業者のJKことJing kang Liu氏が日本のサブカルをこよなく愛し、ジャニーズ事務所の嵐からインスピレーションを受けて名付けたという説があるが、同社社内でも意見が分かれている。

総括

以上、紹介した商品は深センの代表例だが、いかがだっただろうか。ここまでご覧になった読者はすでに深センの活力を感じ取ったに違いない。

それと同時に『もしかして深センを活用したビジネスの可能性があるのではないか』と脳裏によぎったかもしれない。答えはYESだ。

実際のところ、コロナ前には深センの電気街や工業エリアに足繁く通う日本人のビジネスマンやせどり業者はたくさん見かけた。その多くは自然淘汰されてしまったものの、現在も深センに残っている日本人の中にも公にしないだけでしたたかに稼いでいる人がいるのもまた事実であり、筆者自身日本からのOEMの相談は何度も届いたのでこの波は衰えているわけではない。

本気でビジネスをする人には鬼に金棒な街なので恐れることなく挑戦する人が増えることが願うばかりである。热烈欢迎!

吉川真人