今、eBayセラーを襲う「関税」の2大トピック

現在、越境EC業界で議論されている大きなトピックは上記の2つ。これらは一時的なトレンドではなく、世界的な「通関厳格化」の一環です。今回の記事でポイントを押さえていきましょう。
なおDDP義務化については、以下の動画でもこの記事の著者である尾藤が分かりやすく解説しています!
①米国「デミニミス(800ドル免税)」廃止の動きと影響

これまでアメリカには、800ドル以下の個人輸入貨物に対して関税がかからない「デミニミス(De Minimis)」というルールがありました。
しかしこの制度を使い、TemuやSHEINなどのプラットフォームを通じて安価な中国由来品が大量に流入した結果、米国政府はこの免税措置を撤廃。これにより、日本のeBayセラーもアメリカのバイヤーに商品を販売する際、関税がかかることになったんです。
②EU・英国ですでに始まっている通関DXと「IOSS」

EUやイギリスでは、すでにVAT(付加価値税)の徴収ルールが厳格化されています。
2021年7月に欧州で導入されたIOSS(Import One Stop Shop)制度では、販売者側が「販売時に事前徴収したVAT」をEU加盟国の税務当局に納税しなければならないとされています。
世界的に「国境を越える買い物でも、国内と同じように税金を取る」という流れが加速しているわけです。
結論:これからは「関税込み(DDP)」が標準になる!
世界的な通関厳格化の流れにより、越境ECでも、バイヤー(購入者)側が「商品が届いたときに追加で関税を請求される機会が増える」ことになります。その結果、抵抗やストレスを感じ、受取拒否する可能性も高まります。
そんな中、eBayは「関税込み(DDP)での販売」を義務化する方向へ舵を切りました。以下の画像は、2025年12月23日にeBay Japanから届いたメールの一部です。

メールには、以下のように「DDPは任意ではなくて、必須だよ!」とハッキリ書かれていますね。
日本から米国向けに発送される2,500米ドル(送料を除く)未満の商品は、DDP(Delivered Duty Paid)での発送は必須であり、任意ではありません。
とはいえ、「DDPって何!?」という方もいるかもしれません。そこで次の段落からは、その辺りを解説します!
eBayの関税はいつ・誰が払うの?|DDPとDDUについて

eBay輸出での具体的な対策をお話しする前に、まずは改めて用語を整理しましょう。
DDU(バイヤー負担)とDDP(セラー負担)の決定的な違い

まずは、DDUとDDPの違いの違いから!
- DDU(Delivered Duty Unpaid):関税未払い(=バイヤー負担)
- DDP(Delivered Duty Paid):関税支払い済み(=セラー負担)
DDU(関税未払い)は、従来のeBayの基本スタイルです。商品到着時にバイヤー(購入者)が配送業者に関税を支払います。
一方、DDP(関税支払い済み)は新たに適用されたスタイルで、発送時にセラー(出品者)が配送業者へ関税を支払います。
なぜDDPが推奨され始めているのか(顧客体験の向上)
eBayでDDPが推奨される最大の理由は、「受取拒否の防止」のためです。従来のDDUでは、バイヤーが関税の請求額を見て驚き、「こんなに高いなら要らない」と受取拒否するケース(Refused)がありました。
デミニミスが廃止されたことで、受取拒否によるトラブルの増加が懸念されたんですね。そこで、eBayはプラットフォームとして早めに手を打ったという感じです。
eBayの公式ページには、以下の記載があります。

DDP義務化の適用日以降にDDU発送を行なった場合、セラー保護の対象外となることに加え、アカウントにDefectが付与されたり、販売制限(Selling Restriction)が適用されたりする可能性が示唆されています。
(参考)eBay|米国向け取引におけるDDP発送必須化について(※別タブで開きます)
DDPにするメリット:受取拒否とネガティブ評価の激減

「DDPってことは負担が増えるのか」とネガティブに捉えてしまいがちですが、実は以下3つのメリットも得られます。
- 受取拒否によるトラブルが減る
- 関税の高さによるネガティブフィードバック(悪い評価)がなくなる
- 関税を不安に思うバイヤーの買い控えが減る
今回の変更はプラットフォームの意向なので、評価を守り、アカウントの健全性を保つためにも、DDPに対応していきましょう。
eBayの関税はいくら乗せる?価格設定と計算ロジック

eBayによるDDP義務化の流れが分かったところで、もっとも重要なのは利益計算ですよね。DDP(関税元払い)にするということは、関税分をあらかじめ販売価格に上乗せしてバイヤーから回収する必要があります。
計算を間違えると「売れば売るほど赤字」になるため、以下のシミュレーションを参考に計算ロジックを理解しておきましょう。
DDP販売時の価格設定シミュレーション

今回は、eBay最大の市場である「アメリカ」向けにDDP販売をするケースで計算してみます。
例えば、米国バイヤーに30,000円の商品を送料・関税込みで売る場合、価格設定シミュレーションは以下の通りです。
| 項目 | 金額 | 計算の考え方 |
|---|---|---|
| ① 仕入れ価格 | 15,000円 | 商品の仕入れ費用 |
| ② 確保したい利益 | 6,000円 | 利益率20%程度 |
| ③ 国際送料 | 4,000円 | FedEx等の送料 |
| ④ 販売手数料 | 4,500円 | eBay手数料(約15%) |
| ⑤ 想定関税&諸経費 | 7,500円 | 商品価格の25% ※予備費込み |
| ★ DDP販売価格 | 37,000円 | ①〜⑤の合計 |
日本の場合、相互関税率は15%なので、まずはそれが基準となります。しかし、配送業者が徴収する「物品取扱手数料(MPF)」や「立替手数料(Disbursement Fee)」、為替変動のリスクを考慮すると、合計で20~30%の費用を想定しておく必要があります。
eBay輸出でかかる手数料については、以下記事の計算機でシミュレーションが可能です!あわせてチェックしておいてくださいね。
(関連)【計算機つき】eBay出品の手数料っていくら?実例と計算シートも紹介!
関税額を読み間違えて赤字にならないためのリサーチ方法
今後のeBay輸出では、関税額を読み間違えないことも赤字回避のために重要です。「アメリカ向けの関税はだいたい全部15%だろう」という予測は危険なので、しっかり確認しましょう。輸出品目によっては、関税率が高く設定されていることもあるからです。
「Simply Duty」やJETROの「WorldTariff」などで、取扱商品のHSコード(統計品目番号)と税率を確認してから価格設定を行えば、ミスを防げますよ!
(参考)Simply Duty(※別タブで開きます)
(参考)JETRO|世界各国の関税率(WorldTariff)(※別タブで開きます)
「関税込み」をアピールしてライバルと差別化する販売戦略

価格に関税を上乗せした場合、一見するとライバルより高く見えてしまいます。しかし、商品タイトルや画像に「No Extra Charges(追加請求なし)」や「Duty Included(関税込み)」と明記することで、賢いバイヤーはあなたの商品を選んでくれます。
後からいくら請求されるか分からない安値の商品より、総額が確定している商品の方が安心でき、心理的ハードルが低くなるからです。「関税込み」をアピールすることで、ライバルとの差別化を図りましょう。
【実務編】DDP対応をスムーズにする「配送ツール」と「キャリア」の選び方

ここまでeBayでDDPが優遇される背景やメリットについて解説してきましたが、実際にDDP発送を行なうには配送キャリアの選定も重要です。ここからは、おすすめの配送ツールやキャリアの選び方について見ていきましょう。
推奨:CPassやeLogiならDDP設定もスムーズ(直接契約不要)
DDPに対応している配送業者はFedExやDHLといった、いわゆる「クーリエ便」です。ただし、個別に利用すると送料が高く、運賃契約をするには発送個数など条件面でのハードルがあります。
そこでおすすめなのが、以下2つのeBay公式連携ツール。直接契約なしで、クーリエ便の送料が割安になります。
- ①CPaSS(シーパス)
- ②eLogi(イーロジ)
CPaSSは「eBay SpeedPAK」とも呼ばれ、DDP配送が基本です。
eBay上の「Shipping Policy」でSpeedPAKを設定しておけば、商品ページに「この商品には必要な輸入手数料がすでに含まれています。チェックアウト後に追加の支払いは一切発生しません。」と表示してくれるのもありがたいですね。
(参考)eBay|eBay SpeedPAKとは?(※別タブで開きます)
eLogi(イーロジ)もCPaSSと似たサービスです。DDUとDDPを選択できるので、配送国によって使い分けていく人におすすめです。
(参考)eLogi system|eBay出荷ツール「eLogi」がついに一般公開!(※別タブで開きます)
以下の記事では、eLogiを使った発送方法を図解で解説しています。「クーリエは初めて…」という方は、ぜひ参考にしてください。
(関連)eBay発送方法の最短ルートはこれ!簡単・割安・確実な8ステップを解説
注意:日本郵便はDDP未対応!クーリエ活用が必須の理由
日本郵便(EMSなど)は、DDP(関税元払い)に対応しておらず、アメリカへの荷物の引き受けも停止中です。
代替手段として「UGX(ゆうグローバルエクスプレス)」という発送方法が提供されていますが、送料は安くありません…。
そのため、「デミニミス廃止」などの規制強化に対応するためには、日本郵便ではなくFedEx・DHLなどのクーリエ(国際宅配便)を利用することが、今後eBayで生き残るための有効手段です。
これまで日本郵便を使ってきた人は、まずはCPaSSを利用してみましょう。
(参考)日本郵便|米国関税及び規制変更に伴う米国宛て郵便物の一時引受停止について(※別タブで開きます)
【補足】物販総合研究所なら「テラポ」が利用可能!
実は、物販総合研究所では「テラポ」という独自の物流サービスを提供しています。
仕入れた商品を国内の物流拠点「テラロジ倉庫」に納品しておけば、eBayで売れたときに自動でデータが連携され、外注のスタッフさんが梱包・発送してくれるという仕組みです。もちろん、DDPにも対応済み!
eBay輸出のスクール生(卒業生含む)で、Sekai Pocketという独自ツールを利用している方であれば、どこよりも簡単にDDP対応が完了しますので、スクールに興味のある方は、以下のページもチェックしてみてくださいね!
➡尾藤式!eBay&Shopee 無在庫輸出無料WEBセミナー
よくある質問【FAQ】

最後に、eBay輸出についてよくあるその他の質問にもお答えしていきます!
Q1. いつからeBayで関税が義務化されますか?
A.eBayでのアメリカ向けDDP発送の義務化は、日本時間で2025年10月17日16時以降に発生した取引から適用となっています。Q2. eBayで海外発送するとき関税は誰が払うの?
A.eBay輸出でアメリカ宛てに送る場合、関税はセラー負担となります。DDP発送が義務化されたので、対応しないとペナルティを課される可能性があります。Q3. eBayで生き残るための戦略はある?
A.eBayで生き残るための戦略は、ズバリ「高単価商品へシフトすること」です!
今後のeBay輸出では、DDPによって関税コストを上乗せして販売しなければなりません。単純に「高く見える」ことは避けられないため、「高くても欲しい!」と思ってもらえる商品が有利。
物販総合研究所では、高単価商品の代表格「カメラ輸出」を強化しているので、取扱商品の幅を広げたい人は以下の関連記事をチェックしてみてくださいね!
(関連)eBayカメラ輸出の「売れる正解」教えます。世界が求めるレンズ・機種とは?
関税ルールの変化をチャンスに変えて売上を伸ばそう!

「デミニミス廃止」や「DDP義務化」は、準備をしていないセラーにとっては脅威ですが、正しく理解しているあなたにとってはチャンスです。
多くのセラーが「面倒くさい」「よくわからない」と撤退していく中で、DDPという武器を使って「安心安全なショップ」を構築できれば、バイヤーからの信頼を独占できます。 まずは利益計算と発送方法を見直すところから始めていきましょう!
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