せどりの販売先は大きく分けて4種類
せどりの出品先は、大きく以下の4つに分類されます。
ECサイト、オークションサイト、フリマサイト、海外サイトです。
ECサイトの「EC」とは「電子商取引」を意味し、実店舗で行われる商品やサービスの売買をそのままネット上に移したような販売形式をとっています。
オークションサイトは多くの買い手の中から最も高値をつけた人にのみ売る競売、フリマサイトは不用品を販売するフリーマーケットをネット上で行うサイトです。
定額出品ができるオークションサイトが出るなど、各種サイトの差は埋まりつつありますが、それぞれメインとなる販売方法に違いがあります。
海外発祥のサイトは、販売方法を問わず海外サイトとして独立した分類をされることが多いです。
どの分類にも非常に多くのサイトがありますが、主要なサイトを狙うことが大切です。
人の集まらないところへ出品しても、売れ行きは期待できません。
ここでは、販売経路ごとの主なサービスを紹介します。
せどり販売の王道!ECサイト「Amazon」
せどりの販売先としてまず押さえたいのが、ECサイトのAmazonです。
国内大手のECサイトには楽天市場やヤフーショッピングなどもありますが、これらは主に販路拡大を目的とする小売店が利用する場所となっています。
そのため、個人での利用はややハードルが高いのが現状です。
まずは、個人のせどりにも頻繁に利用されているAmazonについて詳しく解説します。
Amazonが人気の理由
アメリカに本社を構えるAmazonは、日本でも代表的なECサイトとして知られています。
個人の買い物に加えて、せどりの出品先としても非常に人気が高いです。
ここでは、Amazonがせどりで利用される主な理由を説明します。
商品が売れやすい
Amazonが販売先として選ばれやすい理由としては、何と言っても出品した商品が売れやすいことが挙げられます。
2019年4月時点のAmazon利用者数は、昨年同月比より10%増えた5004万人です。
楽天市場は4804万人と拮抗していますが、メルカリは2216万人とまだまだ浸透しきっていないことがわかります。
このように利用者が多いので、買ってくれる人が見つかりやすいことがメリットの1つです。
また、Amazonはシニア層にも人気で、調査によるとシニア層の7割がAmazonを利用しています。
Amazonは幅広い世代に知名度があるので、自力で集客しなくても売り上げが期待できます。
個人のせどりでは収益の大半をAmazonでの売り上げが占めているケースも多いです。
そのため、これからせどりを始める人も、まずはAmazonに登録するというケースが多くなっています。
FBAサービスがある
Amazonには、FBA(フルフィルメント by Amazon)というサービスがあります。
これは、Amazonにせどり用の商品を預けることで、保管・注文処理・配送・返品対応のすべてを代行してもらえるサービスです。
せどりを始めると、在庫の保管スペースと発送作業の煩雑さという2つの課題に直面することがあります。
利益率の高い商品の中には、家電など場所をとる商品も少なくありません。
また、フィギュアなどのように、発送するだけでも手間がかかる繊細な商品もあります。
注文が増えれば、1日の多くを発送作業に費やすこともあるでしょう。
しかし、FBAを利用すれば、これらの作業をする必要はありません。
余った箱に入れて仕入れた商品をAmazonに納品するだけで、以降の作業をAmazonが代行してくれます。
手数料が必要となる有料サービスですが、それを差し引いても余りある利便性は大きな魅力です。
大口出品ができる
Amazonでの販売には大口出品と小口出品の2種類があり、それぞれ費用やサービス面に差があります。
小口出品は、月額登録料は無料で、商品が1個売れるごとに基本成約料100円がかかるという方法です。
一方、大口出品は、月額登録料4900円を払えば基本成約料なしで販売できます。
小口出品は自前のハンドメイドショップを持ち始めた主婦など、大口出品はせどりで本格的に稼ぎたい人などが使うと効率的です。
月50個以上の販売が想定できる場合は、大口出品を選んでおけば出費を抑えられます。
また、大口出品は購入者が選択できる支払い方法の幅が広いため、顧客獲得のために利用する人も多いです。
具体的には、コンビニ決済や代金引換などは大口出品でなければ選択できません。
また、受け取り日時や時間の指定など購入者が便利に使えるオプションの中にも、大口出品で出品された商品でのみ選べるものがあります。
こうしたオプションの有無を気にする購入者は少なくないため、そのような購入者を取り込む意味でも大口出品は有利です。
Amazonせどりの主な手数料
Amazonで商品を販売する際の手数料は、大口出品の場合、月額登録料4900円(税抜)+販売手数料+カテゴリー成約料です。
一方、小口出品では、基本成約料100円(税抜)+販売手数料+カテゴリー成約料が商品ごとにかかります。
販売手数料とは、商品が売れた際に発生する手数料です。
配送料などを含む商品の総額に対して、商品のカテゴリーごとに8~15%程度かかります。
Kindleアクセサリは45%、パソコンおよびその周辺機器やカメラなどは8%、そのほかは10~15%程度です。
購入されない間、手数料は発生しません。
一方、カテゴリー成約料は、書籍・ミュージック・ビデオ・DVDの販売時にのみかかるものです。
書籍およびミュージックは80円、そのほかは140円の設定となっています。
FBAを利用する場合は、さらにFBA手数料が発生することに留意してください。
商品のサイズやカテゴリー、販売価格45,000円以上の高額商品か否かによって必要料金が異なります。
せどりの販売先【オークションサイト編】
ここからは、ECサイトのAmazon以外の販売先を紹介します。
まずは国内の主なオークションサイト「ヤフオク」と「モバオク」です。
こちらも国内最大級のオークションサイトであり、特に利益率についてはAmazon以上の高さを秘めています。
ヤフオク
ヤフオクは、ヤフーが運営するインターネットオークションサイトです。
Amazonと並ぶ2大出品先として人気があります。
中でも、Amazonで出品制限がかかった商品を販売できたり、現金化がすぐにできたりする点は大きなメリットです。
Amazonでページが削除された商品の場合、販路が減って希少性が上がったことで、かえって高額入札につながったケースもあります。
さらに、Amazonよりも手数料が安いため、数百円の差がつくことも多いです。
ただし、配送などは自分で行うのが基本であるため、Amazonの中でもFBAに慣れている人からすると、手間がかかる点は否めません。
ヤフオクの手数料として代表的なものは、落札システム利用料です。
落札金額に対して、プレミアム会員は8.8%、それ以外は10%の手数料が出品者に対して発生します。
プレミアム会員の登録料は月額462円と多用するなら大した額ではないうえ、トラブル時も一般会員以上の補償を受けられるためおすすめです。
また、配送などのオプションサービスを使う際は別途料金がかかります。
モバオク
モバオクとは、DeNAの子会社である株式会社モバオクが運営するオークションサイトです。
ヤフオクと比べて利用者こそ少ないですが、売れ残った商品を見切り売りする場所として利用したり、掘り出し物の仕入れに利用したりするなどサブサイトとしての利用に向いています。
モバオクでは出品者の手数料は無料で、月額利用料300円(税抜)しか発生しません。
さらに送料も落札者負担であるうえ、出品方法も簡単と手軽な出品には最適です。
値段相場を気にしない主婦の出品が多いため、仕入れでもサクッと見るだけで安い商品が見つかります。
ライバルも多くないため、穴場として利用するのがおすすめです。
せどりの販売先【フリマサイト編】
せどりの出品先のサブ的な位置づけとして、フリマサイトを確保している人も少なくありません。
ここでは、主要なフリマサイトである「メルカリ」と「ラクマ」について説明します。
販売価格は安くなりがちですが、押さえておくと何かと便利です。
メルカリ
メルカリは、株式会社メルカリが運営する国内最大規模のフリマサイトです。
リリース開始は2013年と比較的新しいですが、ダウンロード数は2019年現在で8000万ダウンロードとかなり多く、せどりでもAmazon、ヤフオクに次いでよく名前が挙がります。
ただし、フリマサイトは「安く買える」ことも人気を集める理由の1つです。
そのため、せどりで売れ残った不用品を出品して現金化するといった使い方が良いでしょう。
振込申請の締め日は毎週月曜日、振込は振込申請の締め日から数えて4営業日です。
祝日などがなければ、週をまたがず現金を受け取ることもできます。
メルカリの手数料として代表的なものは、販売価格の10%を出品者が負担する販売手数料です。
振込申請時は振込手数料がかかる場合もありますが、そのほかの手数料はほとんどありません。
一方、購入希望者との価格交渉が発生することもあるので、多少手間がかかる場合もあります。
そのため、メルカリは販売先としてよりも安い仕入れ先として使う人が多いです。
ラクマ
ラクマは、楽天が運営するフリマサイトです。
2016年に、従来からあったフリマサイト「フリル」と統合しています。
ラクマの利用者数は1115万人で、2216万人のメルカリの半分程度です。
利用者数の伸び率はメルカリと同程度のため順調に増えてはいますが、それでもメルカリより規模が小さいことは否定できません。
そのため、出品する際は写真や商品説明など売れる工夫をしたほうが良いでしょう。
特に画像は、購入者から見た第一印象を上げるためにも重要です。
見栄えを良くしたり画質を上げたりすると、多少商品の状態が悪くても購入されやすくなります。
ラクマも、手数料がほとんど発生しないサイトです。
出品時に唯一発生する販売手数料は販売価格の3.5%で、10%程度発生するほかのサイトと比べても圧倒的に安く設定されています。
そのため、出品のコツを掴めば、どこよりも使い勝手の良いサイトとなりうる可能性を秘めているサイトです。
せどりの販売先【海外編】
せどりをする人の中には、国外の人への販売を目的に、あえて海外サイトを利用する人もいます。
ここでは、日本からも利用できる海外サイトの中でも人気の「Amazon.com」と「e-bay」を紹介します。
Amazon.com
Amazon.comはアメリカ版Amazon、つまり各国のAmazonを支店とすると本店と呼べる存在です。
Amazon.comを通すと、商品をアメリカ人に販売することができます。
海外サイトを利用するメリットは、利用者が多い分需要が期待できることです。
特にAmazon.comは巨大なため、英語がある程度できるなら選択肢の一つとなります。
Amazon.comの基本的な仕組みは日本のAmazonとほぼ変わらず、それは手数料の面でも同様です。
大口出品の場合の月額登録料は39.99$、小口出品の場合の基本成約料は0.99$となります。
ただし、アメリカ人を対象に海外配送をするという点は注意が必要です。
円安時は有利、円高時は不利といった為替の影響を考慮する必要があります。
e-bay
e-bayは、アメリカのオークションサイトで、ネットオークションでは世界最大規模を誇ります。
世界各国の人が利用しており、中学レベルの英語力があれば使えるようなわかりやすいシステムを採用しているため、日本人の利用者も多いです。
しかし、出品するための規約は厳しめなので、海外への販売にある程度慣れている人のほうが成果を出しやすい傾向があります。
e-bay でかかる手数料は、主に出品手数料、落札手数料、決済のためのPayPal手数料の3つです。
出品する商品によって値段が変わるので、為替動向と併せてケースごとに確認する必要があります。
せどりの販売先【番外編】
せどり用に仕入れた商品は、リサイクルショップや質屋といった実店舗でも売ることが可能です。
実店舗のメリットは、手数料がかからない点と即現金化ができる点にあります。
一方、安く買い叩かれてしまうケースもあるので、もしもの場合の選択肢程度に考えておくと良いでしょう。
実店舗で扱っている商品の多くは、宝石や時計などのハイブランド品となっています。
このような品物であれば、実店舗に持って行くのも1つの方法です。
また、せどりで実店舗を利用する人の中は、業者と繋がりを持ってリアルな個人取引をしている人もいます。
多くは元質屋などの経歴を持つ人達ですが、これだけでネットでの販売先を必要としないほど利益を得ている人も少なくありません。
せどりの販売先は「Amazon+α」が基本の形!
せどりの販売先は、まずAmazonをメインとして押さえた上で、利用シーンに合わせて他サイトを検討するのが基本の形となります。
とはいえ、慣れないうちから複数のサイトに手を出すと管理しきれなくなるので、一度に手を広げすぎないように注意しましょう。
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