せどりの利益率とは?
せどりは物を安く仕入れて高く売ることで、利益を上げるビジネスモデルです。
そのため、仕入れた物が売れればすぐに利益につながると考えている人もいます。
しかし、せどりにおいては商品が売れても販売価格そのままが、すべて利益になるわけではありません。
なぜなら、販売価格から仕入れにかかった費用を差し引く必要があるからです。
たとえば、Aという商品を1000円で仕入れて、800円で販売したとします。
すると、売上としては800円が計上されますが、実際は200円の赤字です。
つまり、せどりをビジネスとして成功させるためには、常に仕入れ価格よりも高い価格で商品を売っていく努力をすることが大切だといえます。
こうした利益の計算方法は企業においても重要視されていて、売上高(販売価格の合計)と営業利益(売上高から仕入れ価格を引いた金額)は別々で計算されています。
また、せどりの利益率を計算するうえで忘れてはいけないのが、販売手数料です。
せどりでは一般企業のように自社サイトを立ち上げて販売するケースはほとんどありません。
一般的にはAmazonなどの消費者参加型のサイトを利用して販売します。
それらのサイトでは販売手数料がかかるので、販売価格から差し引かないと正確な利益率は計算できません。
つまり、販売価格から仕入れ価格や販売手数料を引いたものが利益となり、販売価格に対する利益の割合が利益率になるということです。
せどりの利益率の計算方法
せどりの利益率の計算方法は「利益額÷販売価格×100」です。
正確な利益率を把握するためには、まずは利益額の計算から始めましょう。
利益額の考え方は「販売価格から仕入れ価格や販売手数料を引いたものが利益」です。
つまり、計算式としては「販売価格-(仕入れ価格+販売手数料)」となります。
たとえば、販売価格2000円の商品の仕入れ価格や販売手数料の合計額が1800円だった場合、計算式は「2000円(販売価格)-1800円(仕入れ価格+販売手数料)」です。
計算の結果、200円が利益額となります。
利益額が計算できたら、次は「利益額÷販売価格×100」という式に当てはめていきましょう。
上記例の場合、計算式は「200円÷2000円×100」となり、10%が利益率です。
利益率の計算式はそれほど難しいものではないので、逆算して簡単に利益額を算出することもできます。
たとえば、2000円で販売した商品の利益率が10%と分かっていれば、「2000円(販売価格)×10%(利益率)」という計算式が成り立ち、利益額は200円です。
また、応用編として、商品の仕入れ前に希望の販売価格と利益率がある場合、仕入れ額がいくらであればよいかを判断する材料にもなります。
たとえば、販売価格2000円、利益率10%で販売したい商品がある場合、「2000円(販売予定価格)×10%(見込み利益率)」という計算式から、利益額200円であればよいことが分かります。
このケースでは「2000円(販売予定価格)-200円(見込み利益額)」で、1800円で商品の仕入れが成功すれば目標達成です。
このように利益率の計算式は、さまざまな応用ができます。
販売計画を立てるうえで参考になる数値を算出する際に役立つことも多いので、覚えておきましょう。
せどりの利益率を上げる方法!
せどりの利益率を上げるためには、少しでも安く仕入れることが重要です。
なぜなら、消費者の傾向として、「できるだけ安い商品を買いたい」と思っている人が多いからです。
そのため、商品の販売価格を上げることは比較的難しいといえます。
それに対して、中古品を売却する側は、それぞれの事情を抱えており、なかには「安くてもいいからすぐに売却したい」と考えている人もいます。
つまり、せどりというビジネスにおいては、高値で売却することを目指すよりも、安値で仕入れることを目指したほうが利益率は上げやすいのです。
できるだけ安値で仕入れるためには、一般的には新品を狙うよりも中古品を狙うほうがよいといえます。
当たり前ですが、新品は品物の状態もよく、人気のある商品は消費者ニーズもそれなりにあるため、仕入れ価格は値下げされにくいです。
それに対して、中古品は人気のある商品であっても、新品に比べると需要が少なくなってしまいます。
そのため、中古品を扱う店舗側もできれば早く処分したいと思っていて、安く仕入れられる可能性が高いです。
特に一部マニアに人気のあるゲームなどは、中古品も比較的多く出回っており、安く仕入れれば高く売れることもあります。
コンディションに配慮して明確な写真を掲載し、消費者の信頼感を高めることができれば、ライバルよりも高値で販売できるでしょう。
また、少しでも利益率を高めたい場合には、クレジットカードや店舗のポイントを貯めて活用する方法もあります。
ポイントを利用すれば仕入れ価格を下げて、利益額を押し上げることができます。
店舗によっては特定日にポイントアップキャンペーンを行っているケースもあるので、上手に活用してみるとよいです。
せどりの利益率の平均値は?
結論からいうと、せどりの一般的な利益率の平均値は、20%前後だといわれています。
つまり、販売価格2000円の商品であれば、仕入れ価格と販売手数料の合計は1600円が平均的な値となります。
商品を販売するときは、ライバルとの値下げ競争によって、思わぬほど価格を下げなくては売れないケースも珍しくありません。
そのため、できれば、「値下げをしても利益率20%以上で売れる可能性が高い」と判断した商品だけ仕入れるようにするとよいでしょう。
利益率の平均値は商品などの条件によって異なりますが、仕入れる前に目安を決めておくとよいです。
また、利益率の平均値を考えるときに覚えておきたいのは、「利益率は一般的に売上が増加するにともなって下がる傾向にあること」です。
たとえば、毎月の売上額が200万円前後までであれば、利益率が20%という人も珍しくありません。
しかし、毎月の売り上げが1000万円を超えてくると、利益率は10%前後まで落ちてくるケースが多いです。
売り上げが大きい人ほど資金面で余力があるので、多少利益率が低い商品であっても手が出しやすいことが背景にあるといえます。
一方で、資金面で余力の少ないせどり初心者の場合、利益率が低い商品を扱っていたのでは効率が悪いので、平均値である20%を目安に取引したほうが無難です。
せどりで目指したい利益率は?
せどりの利益率の平均値は20%でしたが、可能であれば30%程度を目指していきたいものです。
その理由としては、せどりに限らず商品を販売するビジネスにおいては20~30%の利益率が理想だといわれているからです。
つまり、30%の利益率が達成できれば、一般企業にも負けていないほど上手に販売できているといえます。
また、30%という利益率はとてもバランスがいい数字です。
利益率を低くすれば早期に販売できる可能性は高まりますが、得られる利益はわずかな金額になります。
一方で、利益率を高くしすぎると売れなくなるので、利益が得られなくなるばかりか、次の商品の仕入れにも影響してしまい、結果的に悪循環に陥ってしまう恐れが高まります。
また、せどりは販売に適した商品を仕入れて、売却するためにさまざまな労力がかかるビジネスです。
商品を探すために何時間もインターネットで検索したり、販売するときも梱包に手間がかかったりすることがあります。
そうした手間などを総合すると、理想の利益率である30%を目指したいものです。
ただし、販売価格が高すぎると売れなくなってしまうので、30%という利益率は一般的にちょうどいい値だといわれていて、実際にそれぐらいを目指している企業も多いのです。
初心者が利益を上げるには?
初心者がよく失敗する事例としては、「在庫を抱え過ぎてしまうケース」が挙げられます。
せどりを始めた当初は、安い商品の情報にすぐ飛びついてしまい、結果的に在庫はあるもののなかなか売れないといった状況に陥りがちです。
すると、手持ち資金に余裕がなく、もっと利益率のよい商品がでたときに仕入れることができません。
結果的に薄利多売を繰り返して手持ち資金を作るしかなく、思ったよりも儲けられないケースが多いです。
そのため、初心者であっても最初から「単価は高くても利益率の高い商品を仕入れること」をおすすめします。
単価が高い商品は仕入れる品数が少なくなるうえ、売れなかったときのことを考えると不安を感じる人も多いかもしれません。
しかし、単価が高くても人気のある商品であれば売れる可能性は高く、資金が少ない人でも効率的に利益を稼ぐことが可能です。
また、品数を絞ることで、販売手数料を抑える効果も期待できます。
たとえば、一般的に販売手数料が安いとされる、家電・パソコン周辺機器・ホビーは初心者が利益を上げるのに向いている商品です。
また、エアコンなどの季節家電やトレンドをとらえた商品は回転率が早いので、すぐに投資資金を回収できる可能性が高いです。
せどり初心者は販売手数料が安く回転が早い商品を中心に仕入れていきましょう。
せどりの利益率よりも注目したい回転率とは?
せどりで儲けるためには利益率が重要ですが、さらに回転率にも注目して販売計画を立てるとよいです。
回転率とは、一定期間に商品がどれぐらい売れたかの目安になる指標です。
つまり、回転率が高ければ高いほど、販売回数が多いといえます。
せどりをするうえで、利益率はできるだけ高いほうがよいですが、いくら利益率の高い商品であっても売れなければ意味がありません。
高額の商品を仕入れた場合には売却が間に合わず、最悪資金不足に陥ってビジネスが成り立たなくなる可能性もあります。
そのような状態を回避するためにも、回転率を意識しておくことが重要です。
たとえば、販売価格が1万円で利益率が20%のAという商品と、販売価格2000円、利益率が15%のBという商品があるとします。
Aは年に1回しか売れませんが、Bは月に1回売れる場合、回転率では当然Bのほうが上回っています。
しかし、よく考えてみるとAよりもBのほうが年間の利益額でも上回っているのです。
Aの年間の利益額は2000円ですが、Bは3600円(2000円×15%×12個)となります。
利益率が高い商品を仕入れても、回転率が低いと在庫ばかり増えてしまって、結果的に儲けにならないケースもあります。
せどりは利益率だけでなく回転率も重要!
せどりにおいて利益率は重要ですが、それと同時に利益額と回転率も重視して、総合的に判断することが重要です。
この考え方はせどりだけではなくて、資産運用の世界であればほとんどの分野に共通するといえます。
たとえば、100万円を貯金した場合、2019年8月時点の日本では金利が非常に低いため、1年後であってもほとんど利息はつきません。
そのため、貯金をした場合は、利益はほとんどゼロです。
定期預金に預ければ多少利息は増えますが、そのぶん一定期間内の引き出しは制限されます。
資産運用をどのように行っていくかは、これらのメリットやデメリットを総合的に判断して、方向性を決めているはずです。
せどりにおいても基本的には資産運用の判断と同じで、リスクとリターンを総合的に考えることが重要だといえます。
仕入れた商品が、「いつ・どれぐらい利益をもたらしてくれるか」を判断して取引をしていくことが大切です。
特に資金が少ない場合は、回転率を重視することが上手く儲けていくポイントです。
回転率を上げることで、在庫を抱えるリスクが減り、売れることで着実に資金が増えていきます。
利益率を重視するのは、ある程度資金が増えてからでも悪くありません。
せどりの利益率を上げるポイントをつかもう!
利益率の理想は30%ですが、それ以上を狙って悪いことはありません。
利益率は高ければ高いほど効率的に資金を増やしていけるので、少しでも高い水準を狙って取引していきましょう。
せどりの利益率を上げるポイントは、「仕入れ価格を下げる工夫をすること」です。
たとえば、ヤフオクではオークション終了間際に入札する方法が挙げられます。
早い時期だと値段が吊り上がってしまうことがありますが、終了間際に入札することで価格の上昇を抑えるのが狙いです。
また、メルカリでは直接出品者と交渉ができるので、値切ってみるのもよいでしょう。
メルカリでは値下げ交渉はよくあることなので、ためらう必要はありません。
出品者も値下げ交渉されることを前提で出品しているケースもよくあります。
一方、販売価格を上げることも利益率を向上させるために重要です。
販売価格を上げる方法としては「Amazonの評価を上げる」「商品説明を丁寧に記載する」などが挙げられます。
消費者は少しでもお得に購入したいと考えているので販売価格を上げるのは容易ではありませんが、ライバルに比べて信頼感を高めることで可能になるケースがあります。
せどりの利益率を理解して収益アップを目指そう!
ビジネスとして成功するうえで利益率は重要です。
それは、せどりにおいてもいえることであり、20~30%を目指していくとよいでしょう。
ただし、利益率だけを重視すると回転率が下がって、効果的に利益を出せなくなる恐れがあります。
回転率についても重視し、ポイントを押さえた方法を工夫して収益アップを図っていきましょう。