アンティークコインの「スラブ」とは?鑑定済みを扱う3つの理由

ビジネスとしてアンティークコインを転売するなら、避けて通れないのが「スラブ」という透明の硬質プラスチックのケースです。
スラブは、「コインを劣化から守る」ための単なるケースではありません。中にコイン本体と、専門機関による鑑定結果(グレード)が記載されたラベルが一緒に封入されているため「価値を保証する」ためにも必要なアイテムです。
下の画像は、スラブの一例です。上の部分にコインの鑑定結果が記載されたラベル、下の部分に実際のコインが封入されています。

ベテランのコレクターの中には、コインの地肌に直接触れられる「裸のコイン」を好む人もいます。けれども物販総合研究所のアンティークコインビジネスでは、「安全性」の面から「スラブ入り(鑑定済み)」以外は扱いません。
「スラブ入り」のみを選ぶのは、以下の3つの理由からです。
- 知識ゼロでも「真贋(本物かどうか)」が保証される
- 世界共通の基準で「価格相場」をリサーチしやすい
- ケースに入っているため保管・発送中の破損リスクが低い
それぞれの理由について解説していきます。
理由1:知識ゼロでも「真贋(本物かどうか)」が保証される

アンティークコイン市場には、精巧に作られた偽物も潜んでいるのが実情です。「偽物を掴まされる」リスクを減らすためには、スラブに入っているコインだけを扱うのが得策。
スラブには、世界的な第三者機関の専門家が鑑定を行い「本物である」と認めたコインだけが封入されています。つまり、スラブに入っている段階で、真贋判定が済んでいるということ。
そのため、スラブに入っているコインを選べば、専門的な目利き能力がない人でも偽物を仕入れてしまうリスクをかなり軽減できるんです。
理由2:世界共通の基準で「価格相場」をリサーチしやすい

アンティークコインは、スラブ無しで裸の状態でも取引されています。ただし、その場合は「美品」や「並品」というような曖昧な言葉でコインの状態を表現するため、専門知識がないと適正価格がいくらなのかを判断するのが難しいんですね。
一方、スラブには世界共通の基準で「数値(グレード)」が記載されています。アンティークコインは同じ種類のコインでもグレードによって価値が変わるんですが、たとえば「MS65」というグレードが記載されていれば、世界のどこでも「MS65」として共通認識され、同じ基準で取引ができるわけです。
コインのグレードが分かれば、「過去に、このコインのMS65グレードでいくらで売れたのだろう?」というように、誰でも正確に相場をリサーチすることも可能ですよ。
相場の調べ方については、以下の記事を参考にしてください。初心者の人でも自分で調べられるよう、図解で詳しく手順を解説しています。
(関連)アンティークコイン相場の調べ方|買取査定で損しないための価値判断!
理由3:ケースに入っているため保管・発送中の破損リスクが低い

コインは金や銀などの非常に傷が付きやすい素材でできているため、わずかな指紋や擦り傷だけで、価値が数万~数十万円下がることも珍しくないほど繊細です。
スラブは硬質プラスチックでできているため、スラブで保護すれば指紋や多少の衝撃では傷が付くこともありません。とくに、海外(eBayなど)から仕入れて日本へ輸送するときには、輸送中の振動や配送中の落下などの衝撃からも保護できます。
また、自宅での保存中にもコインを傷つけてしまう可能性があります。スラブは、こうしたリスクを物理的に防いでくれるため、販売にあたって非常に頼もしい存在ですよ。
コインの鑑定機関は「PCGS」と「NGC」だけ覚えればOK!

アンティークコインを鑑定する会社は、世界にはいくつもあります。けれども、転売ビジネスでは、以下の「アメリカの二大巨頭」だけに注目しましょう。
- PCGS(ピーシージーエス):透明なケースが特徴
- NGC(エヌジーシー):白いラベルが特徴

この2社は、世界中のコレクターや投資家から絶大な信頼を得ています。よく「PCGSとNGC、どっちがいいの?」という質問を受けますが、転売においては特別な優劣はありません。
海外のオークションサイトeBayなどでは、この他の鑑定会社のスラブを見かけることがあります。けれども、この2社以外で鑑定されたコインは、仕入れても買い手がつかないことが多いので手を出さないほうが無難です。
【図解】スラブコインの読み方とPCGS・NGCのグレード

実際にアンティークコインを仕入れるときには、スラブのどこを見ればよいのでしょうか。ここでは、リサーチのときに見るべき場所と必要な用語や数字などについて解説します。
鑑定コインのどこを見ればいい?(発行年・国・状態・グレード)

ラベルにはいろいろな情報が記載されています。慣れないうちは暗号のようで、どこを見たらいいか迷ってしまうかもしれません。
基本的にリサーチに必要なのは以下の4つの情報です。
①発行年:いつ作られたコインか(例:1897)
②国・通貨単位:どこの国のいくらのコインか(例:Great Britain Crown)
③状態:コインの製造方法や状態を示すアルファベット(例:MS, PF)
④グレード:状態を数値化したもの(例:65)
以下のPCGS・NGCそれぞれの画像で、4つの情報がどこに記載されているか確認してみましょう。

これだけ覚えよう!基本の用語(MS・PF/PR・SP)の意味

グレードの数字の前についているアルファベットは、コインの「鋳造タイプ」を表しています。
種類はいろいろあるので、初心者の人はまず以下の3つを覚えておきましょう。
- MS(ミントステート):流通目的で作られたコイン。「未使用」の状態を指す
- PF / PR(プルーフ):コレクション用として、鏡面仕上げなど特別な加工をして作られたコイン。PCGSでは「PR」、NGCでは「PF」と表記される。
- SP(スペシメン):「試鋳貨」など、MSにもPFにも分類されない特殊なコイン

ここが重要!数字「シェルドンスケール(70段階)」の序列

アンティークコインのグレーディングでは、「シェルドンスケール」という70段階評価が採用されています。
グレードの数字が大きいほど状態が良く、価値が高いという意味です。
- 70:最高鑑定(完全未使用・傷ひとつない完璧な状態)
- 60~69:未使用クラス(数字が大きいほど傷が少ない)
- 59以下:流通して摩耗が見られる状態

現代コインや比較的新しいコインの転売では、主に「60以上(MS60~MS70)」の高グレード帯を扱うことが多くなります。
60以上のグレードが出回っているコインの場合、59以下のグレードはかなり希少性が高くないと売れません。最初のうちは判断が難しいので、59以下のグレードのコインは、ある程度知識を蓄えてから扱うかどうかを検討しましょう。
仕入れリサーチで注意すべき「グレード」のポイント

ここからは、実際に利益を出すために知っておくべき「グレードと価格の関係」について解説します。
「最高鑑定」は価格が跳ね上がる傾向がある
同じ種類のコインであっても、グレード次第で取引価格は大きく変わり、特に最高グレードの「70」は、取引価格が跳ね上がります。
例えば、MS69が3万円ほどのコインなら、MS70は相場で10万円ほどになることもあるほどです。
また、古いコインの場合は最高グレードの「70」が存在せず、現存する中では「68」が最高鑑定ということもあります。
リサーチでは、「グレード1つぐらい大差ないだろう」「だいたい同じグレードで調べればいいだろう」と容易に考えず、必ず仕入れたい商品に付いているグレードの数字でリサーチしましょう。
【要注意】数字が近くても「AU(準未使用)」以下はガクンと安くなる
先ほど、「MS・PF/PR・SP」について解説しましたが、これらはシェルドンスケールで60以上に付くアルファベットです。
これに対して、60未満の数字には「AU(準未使用)」といった、より下のランクのアルファベットが付きます。
例)
- MS 60:未使用ランクの最低ライン
- AU 58:準未使用ランクの最高ライン
この数字だけ見ると「60」と「58」で大差ないように感じるかもしれません。けれども、この2つには「未使用」と「中古(流通済み)」という決定的な違いがあり、価格相場もかなり違います。
「AU」「XF」「VF」などの表記を見かけたら、「これは流通して摩耗したコインだ(=MSより確実に安い)」と認識して、慎重にリサーチしましょう。
数字がつかない「Details(ディテール)」評価とは?
スラブのリサーチをしていると、数字(65や70など)が書かれておらず、代わりに「Details」と書かれているものに出会うことがあります。
これは「詳細評価」と呼ばれ、コイン自体は本物だけど、「洗浄(クリーニング)」「傷」「環境劣化」などのダメージがあるという意味です。
「Details」以外に以下のような表記を見かけることもあります。
例)
- Cleaned:過去に洗浄されている
- Scratched:ひっかき傷がある
- Polished:磨かれている
これらの記載があるコインは、通常の数字付きグレードに比べて相場がかなり下がるため、コレクターからも敬遠されやすく、初心者には売却難易度が高くなります。慣れるまでは「Details」評価のコインは仕入れないほうが無難です。
この他にも仕入れに向かないコインがあります。くわしくは以下の記事で解説しているので、あわせて見てみてください。
(関連)アンティークコインが売れない原因は2つだけ!今すぐできる対処法とは?
アンティークコイン初心者によくある質問

これからアンティークコインの転売を始める方は、以下のようなことも気になるのではないでしょうか。
それぞれの質問に回答します。
スラブケースは開けてもいいですか?
A. 個人的なコレクションなら構いませんが、転売するために仕入れているなら、スラブは「開封厳禁」です。
一度でもスラブを開けてしまうと、中のコインが本物でも「鑑定の効力」が失われて、ただの「裸のコイン」になってしまうからです。
未開封のスラブに入っていることは、購入されるポイントになります。
スラブ自体に偽物はありますか?
A. 残念なことに、本物と間違えるほど精巧に作られた「偽スラブ」も存在します。また、スラブ自体は本物でも中身が鑑定されたものではないというケースも…。
とはいえ、スラブには固有の鑑定番号があり、PCGSやNGCの公式サイトで番号を検索すれば、登録画像の照合が可能です。
高額なコインを仕入れるときは、必ず公式サイトの画像と、出品されている商品の写真を見比べ、傷の位置などを比べて偽物が封入されていないかを確認する癖を付けておくと、安心ですよ。
アンティークコインはどこで買うんですか?
A. 転売ビジネスとして利益を出すなら、「eBay(イーベイ)」などの海外オークションサイトから仕入れるのが王道です。
海外から安く仕入れたコインを、ヤフオクなどの日本市場で適正価格で売って、価格差で稼ぐのがアンティークコイン転売の基本的な戦略となります。
コインの仕入れについては、以下の記事で詳しく解説しているので、あわせてチェックしてみてください。
(関連)アンティークコインはどこで買う?転売で利益を出すなら「eBay」一択の理由
アンティークコインは、スラブの読み方から始めよう!

というわけで、アンティークコインの基本は、こんな感じ!

なんだか、ワクワクしてきました!!
今回は、アンティークコイン転売において最も重要な「スラブ(鑑定書)」の見方とグレードについて解説しました。
「アンティークコインは偽物が多そう」「専門知識がないと価値がわからない」と不安に思う方は多いですが、スラブ入りのコインを扱えば、初心者の方でもプロと同じ土俵でビジネスを行うことができますよ!
そうは言っても、仕入れ価格がそれなりのアンティークコインだからこそ、「もっと具体的なリサーチ方法を知りたい」「実際に利益が出るコインの事例を見てみたい」という方も少なくないはず。
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