アンティークコインを取り巻く「3つの価格(相場)」

大前提として、アンティークコインには「定価」が存在しません。誰がどの立場で見るかによって、大きく分けて以下「3つの価格」が存在します。これを知らずに「相場」という言葉を使うと、最悪の場合、安く手放して損をしてしまうことも…!
- 専門店の「販売価格」=【天井】
- 買取業者の「査定価格」=【底】
- オークションの「落札価格」=【実勢】
まず、コインショップやデパートなど専門店で売られている「販売価格」は、店舗の家賃や人件費、そしてお店の利益が乗っているため、3つの中で最も相場が高いです。
ただし、販売価格はあくまでもあなたが「買うとき」の値段。買い取ってもらえる金額ではない点に注意しましょう!
買取業者などのお店がお客さんから買い取る「査定価格」は、お店側が在庫を持つリスクと再販するためのコストを引く必要があるため、3つの中で最も相場が安いです。
特に、コイン専門店でない場合はアンティークの価値を正確に判断できません。そのため、「金」や「銀」としての価値しか見てもらえず、とんでもなく安い査定になることも。
オークションでの「落札価格」は、売り手と買い手が直接合意した価格です。業者のマージンが最小限で、需要と供給のバランスが取れた「リアルな価格」となっています。
結論、損をしたくないなら「3つの視点」で相場の全体像をつかむことが大切。次の見出しから、具体的な相場の調べ方を解説していきますね!
【国内編】アンティークコイン相場の調べ方

今回は「祖父の遺品を整理していたら、アンティークコインを1枚見つけた」という設定で国内のアンティークコイン相場を調べていきます。
【コインの基本情報】
- 名称:セント・ゴーデンス 20ドル金貨(Saint-Gaudens Double Eagle)
- 発行年:1924年(大正13年)
- グレード:MS63
- デザイン:表面は松明を持った自由の女神、裏面は飛翔する鷲。「世界で最も美しいコイン」と称されるアメリカ金貨の代表格。
- 材質・品位:K21.6(金90%・銅10%)
- 重量:総重量は約33.4g(※純金含有量は約30g)
【地金としての価値】
- 現在の金相場(2026年2月):21.6金で1gあたり約23,000円(純金ベース)
- 計算式:30g(純金量)× 23,000円 = 690,000円
このコインを「地金(ただの金の塊)」として価値を計算すると、上記の通り。つまり、どんなにボロボロで傷だらけだったとしても、溶かせば約70万円の価値があります。そこに「アンティークとしての価値」が追加されるとどうなるか、見ていきましょう!
国内最大級の相場検索サイトは「オークファン(aucfan)」
まず、国内の実勢価格を知るには「オークファン(aucfan)」というツールを使います。オークファンは、ヤフオクなどの過去の落札データを一覧で見られるので、プロのディーラーや投資家も使っていますよ!
登録は「一般会員(無料)・プレミアム(有料)・プロPlus(有料)」の3種類があり、アンティークコインの相場を見るなら月額2,200円(税込み)のプレミアムが必須。というのも、無料版だと、過去6か月の落札データしかさかのぼれないからです(プレミアムは10年)。
アンティークコインは年単位で価値が上がっていくため、直近半年のデータを見ただけでは正しい相場が分かりません。アンティークコインの取引で損をしたくないなら、プレミアム以上を利用しましょう。
(参考)オークファン(aucfan)|公式(※別タブで開きます)
【実演】国内相場を調べる手順
それでは、ここから具体的にオークファンの使い方を見ていきます。
まず、カテゴリーで「アンティーク」から「貨幣印刷物」を選択しましょう。

次に、コイン名に「pcgs」または「ngc」を足して入力します。
これらはアメリカの2大鑑定機関の名前で、アンティークコインはこの2社のどちらかの「鑑定ケース(スラブ)」に入っていないと相手にされないという事情があります(売れない、または超安くなる)。

サイトはヤフオクを選択します。高額商品の出品・落札の歴史が長いサイトなので、「相場」という点でヤフオクは信用できます。

検索結果が出たら、期間を10年に変更します。

必要に応じて除外キーワードを入力しましょう。
今回で言うと、セント・ゴーデンス金貨は(1907~1933年)に作られていたコインですが、2009年に「現代の技術で作った最高級の記念メダル(モダンコイン)」が出ています。
当時の21.6金に対し、2009年のものは24金で作りも精巧であり、相場が異なるため除外対象としました。

検索結果の中で、入札件数が多いものを中心にチェックしていきます。

アンティークコインの価値の見極め方
PCGSとNGC、それぞれの検索結果を確認したら、「直近10年の落札相場」からざっと傾向を見てみます。
オークファンによると、この金貨のMS63~64あたりは以下のような価格推移が見て取れました。
- 2016年頃:約17万円
- 2020年頃:約24万円
- 2024年頃:約34万円
つまり、このコインの価値は「8年で価格が約2倍」になっています(右肩上がり)。
「MS63って何?」という人は、以下の関連記事もあわせてチェックしておきましょう!アンティークコイン取引に役立つ知識です。
(関連)【初心者向け】アンティークコインの「スラブ・グレード・鑑定」完全ガイド
ここまでの情報から、落札相場(34万円くらい)が地金価値(70万円くらい)より安いと判明しました。この事実だけを見ると、ショックを受けるかも…。ただ、ここ最近セントゴーデンス金貨はヤフオクで動きがありません。
また、金の価格は現在高騰しているため、ヤフオクの2024年相場だけでは、現在の価値を適切に判定できないですね。2024年の2月当時は「21.6金1gあたりの価格」は1万円くらいであり、今の半値以下だったからです。
ここまでの調べを整理してみます。
- 【実勢】ちょっとまだ読めない
- 【底】70万円くらい
次のステップとして、「天井」と「底」から空白の「適正価格」を予測します。そのためには「天井」の価格が必要ですね。
専門店(国内の大手ディーラー)のサイトを見てみると、このコインは現在約120万円で販売されていることが判明。ということは、90~100万円前後が現在のリアルな適正価格と思われます。
改めて相場の情報をまとめると、以下の通りです。
- 【天井】120万円くらい
- 【実勢】90~100万円前後
- 【底】70万円くらい
このようにアンティークコインの国内相場を調べると、仕入れ・販売の具体的な目安が見えてきます。
※注意点※
今回調べたコインは有名なものなので、オークファンでコイン名で調べられましたが、ものによっては「1924年 金貨」といった、もっとあいまいなキーワードで検索をかけないと出てこないケースもかなりあります。
あなたが調べたいコインがうまく検索に引っかからない場合は、キーワードを少しザックリしたものに変更してみてくださいね。
【海外編】アンティークコイン相場の調べ方

日本の相場が分かったら、次は世界にも目を向けてみましょう。実は、アンティークコインの本場は欧米なので、見てみると驚きの事実が判明します…!
世界中のコインが集まるのは「eBay(イーベイ)」
アンティークコインの海外相場を見るときは、eBay(イーベイ)をまず見てみるのがおすすめです!
世界最大級のオークションサイトで、世界中のコインが毎日取引されています。直近3年までのデータではありますが、かなり細かく調べられるので見ておいて損はありません。
(参考)eBay|公式(※別タブで開きます)
「eBayって何!?」「eBayがアンティークコインの取引に役立つの?」という方は以下の記事もチェックしてみてください。
(関連)eBayアンティークコイン輸入とは?まず知っておきたいマーケットの実情
海外の相場はどう動いているか?
「海外サイトなんて英語ができないから無理…」という人もいるかもしれません。しかし、ChatGPTなどのAIが使えるなら全然大丈夫!
例えば、「セント・ゴーデンス 20ドル金貨って英語でなんて言うの?」と聞けば、「Saint Gaudens $20 Double Eagle Gold」などと教えてくれます。あとは「pcgs」か「ngc」を追加して検索するだけです。
以下の画像はセント・ゴーデンス 20ドル金貨「MS63」の相場で、直近3年間は右肩上がりであることが分かります。MS63は比較的、数が出回っていてポピュラー。相場が跳ね上がるのは、MS66ですね(ほぼ出回っていない)。

続いて、同じMS63の相場で期間を「3か月」に設定し、今買うといくらになるかを見ていきます。直近3か月の相場から、約5,000ドル(約75万円)が相場と分かりました。

【衝撃】eBayの価格は「日本の底値(原価)」に近い!
ここで、国内相場と海外相場の数字を比較してみます。
- 日本の小売価格(天井):約120万円
- eBayの販売価格:約80万円(送料・輸入消費税込み)
- 日本の地金価格(底値):約70万円
eBayの価格(約80万円)は、日本の天井(120万円)よりも、底値(70万円)の方に近い状況。
アンティークコインの価値はずっと右肩上がりであることを踏まえると、「今eBayでこのコインを約80万円で買っておき、国内相場が今より高くなるのを数年待つ」というのはアリだと考えられますね!
リサーチで見つけた「価格差」は、そのまま「利益」になる!

ここまでで解説したように、アンティークコイン相場の調べ方が分かると、見ていく中で「国内と海外で価格差がある…!」と気づくことがあります。
実は、この価格差を利用してできるのが「アンティークコインビジネス」。具体的には、アンティークコインの本場である欧米(eBay)から安く仕入れ、日本(ヤフオク!)の相場で売って差額を利益にするという方法です。
物販総合研究所では、アンティークコイン転売のスクールを運営しているので、興味のある人は以下の関連記事も読んでみてくださいね!
(関連)アンティークコイン転売のリアルを公開!実例をまるっと見せます!
アンティークコインの相場に関するよくある質問

最後に、アンティークコイン相場について、よくある4つの質問に回答していきます!
Q1. アンティークコインの相場はどうやって調べればいいですか?
A. アンティークコインの国内相場は、「オークファン」というツールを使って調べるのがおすすめです。
オークファンを使った具体的な調べ方はこちらで解説しているので、参考にしてくださいね!
Q2. 鑑定書のない「裸のコイン」の相場はどう調べればいいですか?
A. 正直、裸のコインの正確な相場特定は困難です。
コインの価格は「状態(グレード)」によって数倍~数十倍の差が出るので、スラブケース(鑑定済みケース)に入っていないコインは、プロでも状態判断が難しく、偽物のリスクも…。
相場リサーチは、基本的にNGC社・PCGS社の「スラブ入りコイン」を基準に行いましょう。
Q3. カタログ価格(カタログ・バリュー)は信用できますか?
A. カタログ価格は、あくまで参考程度に留めておくのがおすすめです。
コインカタログに載っている価格は、「専門店の理想的な小売価格」であることが多く、実際に売れる金額とは乖離があります。市場の変動に情報が追いついていないこともあるので、注意しましょう!
Q4. スマホの画像認識アプリ(CoinSnapなど)の価格は正確ですか?
A. 種類を特定するには便利ですが、価格は目安です。
スマホの画像認識アプリに表示される価格は、非常に大雑把なレンジであることが多いです。「コインの名前を調べるために使う」などであればOKですが、価格を鵜呑みにしないよう注意が必要です。
正しい相場検索ができれば、アンティークコインはビジネスになる!

こんな感じで、アンティークコインの相場は自分で調べられるんだ!

なんだか、頭が良くなった気分です!
アンティークコインには「定価」というものがないので、何も知らずに買取店へ持ち込むと、相場よりも安い金額で手放してしまうリスクがあります。
しかし、今回解説した手順を踏めば、誰でも「本当の価値」にたどり着くことができるんです! リサーチを行うことで、大切な資産を守れるだけでなく、「日本と海外の価格差(利益の源泉)」にも気づくはずですよ。
もし、相場を調べていて「あれ? eBayで安く仕入れて、ヤフオク!で売れば利益が出るのでは?」と興味がわいた方は、アンティークコインビジネスに向いているかもしれません。
物販総合研究所では、アンティークコインの価格推移や、価値あるコインの見つけ方について、より詳しく学べる無料のWEBセミナーを開催しています。期間限定となっていますので、ぜひ以下のバナーをクリックしてお気軽にご参加ください!







