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せどり・転売の確定申告はいくらから?初心者にもわかる解説集!

更新日:2025年3月5日

せどりや転売で、ある程度稼げるようになると直面することになるのが「税金」という問題。

特に、所得税に関わる確定申告の手続きについては、しっかり対応しておきたいところです。

とはいえ、確定申告に慣れていない人には、複雑でよくわからない制度に見えることも多いのではないでしょうか?

そこでこの記事では、確定申告が初めてという人でもわかるよう、知っておきたい知識や、やり方について解説していきます。

 

確定申告とは

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サラリーマンなど、働き方や状況によっては「確定申告をしたことがない」という人もいます。

そこでまずは、確定申告とは何をすることなのか、年末調整とはどう違うのかといった、基本的なところから確認していきましょう。

 

確定申告=税金の手続き

確定申告とは、個人が1年間に得た所得(要するにお金)と、それにかかる所得税を申告・納税する手続きのことです。

所得税は、個人の所得に対して課される税金のことで、国に納める国税として扱われます。

【確定申告の基本ルール】

  • 1年間は、毎年1月1日から12月31日までの期間を指す
  • 申告と納税は、納税地を管轄する税務署で行う
  • 申告・納税期間は原則、翌年2月16日から3月15日まで(曜日によって変動)


納税地は、一般的に住民票に記載された住所を基準に判断します。

せどりの場合、自宅を活動拠点としているケースが多いので、家の近くの税務署を利用することになるでしょう。

もし、管轄の税務署がわからない場合は、国税庁のHPから調べることが可能です。

また、2020年分の確定申告は2021年2月16日(火)~3月15日(月)の予定となっています。

 

確定申告と年末調整の違い

確定申告の意味を知ると、「所得があるのに確定申告をやったことがない!」と驚く人もいるかもしれません。

しかし、サラリーマンなどの場合は珍しいことでもないのです。

というのも、給与所得については、会社が申告・納税手続きを代行してくれているからです。

実際、毎月給与から所得税が天引きされている人が大半でしょう。

ちなみに、天引きされる所得税額は、あくまでも概算なので、年末調整で正確な納税額を確定させる仕組みです。

このとき、払いすぎていた税金がある人は還付、不足分のある人は追加徴収され、手続きは終了します。

つまり、確定申告とは、こうした会社の手続きだけでは済まない事情がある人や、会社のように代行してくれる存在がない場合の手続きということです。

 

せどりで確定申告が必要な人・不要な人

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これまで年末調整だけで済んでいた人でも、給与以外に、せどりや転売の所得がある場合は、別途確定申告が必要なケースも出てきます。

そこで次に、確定申告がいくらから必要になるのかを見ていきましょう。

専業のケースについても解説するので、参考にしてみてください。

 

副業の場合

アマゾンやメルカリなどを活用し、副業でせどりや転売をしているからといって、必ず確定申告が必要というわけではありません。

副業の場合、確定申告をする必要があるのは、せどり・転売の年間所得が20万円を超える人です。

所得とは、簡単にいうと収入から経費を差し引いた金額を指します。

ちなみに、サラリーマンなど本業のある人でも、副業分の所得は自分で計算しましょう。

会社が手続きをしてくれるのは、給与所得についてのみだからです。

所得の計算方法については、後ほど詳しく解説します。

また、人によっては、所得が20万円以下でも、株式などの損失繰越や、医療費控除を目的に確定申告をするケースがあるかもしれません。

この場合、「確定申告をするのであれば、副業分の所得がいくらであっても一緒に申告する」というのが基本ルールとなります。

 

専業の場合

個人事業主やフリーランスなど、専業でせどり・転売をしている場合は、確定申告の要・不要のラインが副業とは異なります。

専業のケースでは、「基礎控除」の金額が基本的な判断基準です。

基礎控除とは、全ての人が所得から差し引くことのできるお金を指し、年間の合計所得がいくらなのかによって控除できる金額も変わります。

例えば、合計所得が2400万円以下の場合、基礎控除は48万円です。

せどりや転売の収入から経費を引いた後に残るお金が48万円以下であれば、基礎控除を差し引いた段階で所得が0円になるため、税金もかかりません。

つまり、確定申告は不要ということになります。

逆にいえば、控除できるお金を全て差し引いてもプラスの所得があれば、確定申告をしなければなりません。

これまで、基礎控除は一律38万円でしたが、2020年分の確定申告からは合計所得によって基礎控除額が変わります。

自分の場合がいくらになるのかは、下の表で確認してみてください。

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せどりで確定申告をする前に知っておきたいこと

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確定申告が必要な人にとって、手続きのやり方は気になるところでしょう。

しかし、実際に確定申告をする前に「事業所得と雑所得の違い」と「白色申告と青色申告の違い」を知っておく必要があります。

そこでまずは、それらの情報から確認していきましょう。

 

事業所得と雑所得

「所得」と一口にいっても、何によって発生したのかによって10種類に分類され、確定申告の際に分けなければなりません。

せどりや転売による所得は、基本的に「事業所得」か「雑所得」とされるので、それぞれの違いを紹介します。

 


種類の違い

事業所得と雑所得の定義は、それぞれ以下のようになります。

事業所得:事業(ビジネス)によって得られる所得のこと

雑所得:他の所得に当てはまらない所得のこと

せどり・転売の場合、事業ならば事業所得、そうでないなら雑所得として申告します。

問題は、これら2つの間に誰にでもわかる線引きがあるわけではなく、「実態」で判断するという点です。

例えば、事業所得として申告するには、一般的に以下のような実態が要求されます。

  • 反復継続性がある
  • 営利性がある
  • 客観的に事業として成立している

こうした点を満たしていて事業所得として申告する場合は、副業にしても専業にしても、最低限、税務署に「開業届」は出しておきましょう。

具体的な内容は次で説明しますが、事業所得の方が雑所得に比べて節税効果が高くなるからです。

 

節税効果の違い

事業所得も雑所得も、収入から経費を差し引いて所得金額を算出する点は共通ですが、事業所得には節税につながるポイントがいくつかあります。

  • 青色申告特別控除が受けられる

青色申告特別控除とは、簡単にいうと雑所得の場合よりも少ない所得額で税金を計算できる制度です。

詳しくは後ほど解説しますが、所得が小さくなる分、税金が安くなります。

  • 損益通算ができる

損益通算とは、事業所得以外の所得とプラス・マイナスを相殺することです。

例えば、事業所得で出た赤字を給与所得で埋めるといったやり方をします。

こちらも、全体の所得が小さくなるので節税対策につながるのがメリットです。

せどりや転売を本格的に行っているのであれば、事業所得で申告した方がお得といえるでしょう。

 

白色申告と青色申告

先ほど青色申告について少し紹介しましたが、確定申告には白色申告と青色申告の2種類があります。

どちらを選択するかによって税金に違いが出てくることも少なくないので、これらの違いも把握しておきましょう。

 


制度の違い

せどりや転売で確定申告をする前に、白色申告でするのか青色申告でするのかを決めておく必要があります。

それぞれの対象者や特徴は以下の通りです。

【白色申告】
白色申告の対象となるのは、せどり・転売で得た所得を雑所得として申告する人、または、事業所得で申告するものの、青色申告の申請手続きをしていない人です。

雑所得の場合は、青色申告は選べません。

白色申告には、手続きが簡易である代わりに、税金対策の面で弱いという特徴があります。

【青色申告】
青色申告の対象者は、所得税の青色申告承認手続きをしている人です。

事業所得の場合、承認を受けていない人は白色申告、受けている人は青色申告となります。

白色申告に比べて手間はかかりますが、節税面でメリットが大きいのが特徴です。

具体的な利点や手続きのやり方については、後ほど解説します。

 

提出書類の違い

確定申告は、白色申告でするか、青色申告でするかによって、作成・提出する書類にも違いが出ます。

白色申告:確定申告書+収支内訳書
青色申告:確定申告書+青色申告決算書

せどりや転売を「たまにやる」程度であれば雑所得なので、白色申告となりますが、事業所得として稼いでいるなら青色申告がおすすめです。

手間はかかるとはいっても、会計ソフトを使えば簡単に書類は作成できるので、特に不安を感じる必要はないでしょう。

 

節税対策にもなる!青色申告の知識解説

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確定申告のような行政手続きは、知識の有無によって得をしたり、損をしたりすることがあるのが実情です。

特に、青色申告は納税額に与える影響が大きい部分なので、ここで詳しく解説します。

 

青色申告のメリット

青色申告は、帳簿付けや書類の保管をしっかりしなければなりませんが、複数の節税対策ができる制度になっています。

  • 青色申告特別控除が受けられる

簡易簿記の場合:最大10万円控除

複式簿記の場合:最大55万円控除(e-Taxの場合は65万円)

青色申告を行うと、上記のように所得から差し引ける特別控除が割り当てられるのが最大のメリットです。

課税所得が小さくなり、税金も少なくできます。

  • 損失を3年間繰り越せる

青色申告では、ある年の赤字額を、次の年以降3年間は黒字と相殺できるのもポイントです。

相殺した年の課税所得が減ることになるので、こちらも節税につながります。

その他にも、従業員として家族を雇った場合に、その給与を丸ごと経費にできるといった特典もあります。

白色申告の場合も可能ですが、給与に限度額が設けられているため、青色申告の方がお得です。

 

青色申告をする方法

確定申告を青色申告で行うには、事前の手続きが必要となります。

とはいえ、手続きは比較的簡単で、管轄の税務署に「所得税の青色申告承認申請書」を提出し、承認を受けるだけです。

無料でできますが、申請期限には注意しましょう。

具体的には、開業日から2カ月以内に手続きした場合、その年の分から青色申告ができるようになります。

ただし、1月1日から1月15日までの間に開業日がある人は、3月15日が締め切りです。期限に間に合わなかった場合、その年の分は自動的に白色申告となります。

しかし、たとえ遅れてしまっても、手続きさえしておけば、その翌年からは青色申告が可能です。

せどり・転売を本格的に行っているのであれば、「事業所得+青色申告」が最もメリットの大きい確定申告方法といえます。

 

確定申告の大まかな流れ

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ここからは、いよいよ確定申告の手続きについて見ていきましょう。

確定申告は、日々の収支さえしっかり記帳(帳簿を付けること)できていれば、会計ソフトなどの活用でスムーズにできます。

その際の、大まかな流れは以下の通りです。

【主な流れ】
事前準備:1年分の帳簿や経費を証明する書類(領収書など)を整える

  1. 確定申告書などの必要書類を手に入れる
  2. 書類を作成する
  3. 作成した書類を提出し、税金を払う必要のある人は納税する

確定申告に必要な書類は、申告期間が近づくと税務署や行政センターなどに置かれます。

また、詳細は後ほど説明しますが、書類をオンラインで入手・印刷したり、手続き自体をWeb上で完結させたりすることも可能です。

 

せどりの所得はどうやって計算するの?

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確定申告書には、せどりや転売による売上や経費を記載しなければなりませんが、そもそも「どうやって計算するのかわからない!」という人もいるかもしれません。

そこで、所得の計算方法や経費として認められるものの例について解説します。

 

 

所得の計算方法

せどりや転売の所得は、基本的に以下のように算出します。

所得=総収入金額-必要経費

せどり・転売の場合、総収入金額は売上に当たり、必要経費は仕入れ費用や手数料などを指します。

アマゾンやメルカリなど、特定のプラットフォームを1つしか利用していない人は、履歴を参照してコツコツ足し算するイメージです。

一方、複数の販路を持つ人は、全体の金額を計算するのにより手間はかかるでしょう。

確定申告のときに慌てないためにも、会計ソフトでまめに管理することをおすすめします。

人気の会計ソフトについては、後ほど紹介するので、参考にしてみてください。

 

せどりで経費として認められるものの例

所得を計算していると、「これは経費にできるの?」といった疑問がわくことが珍しくありません。

経費が大きいほど所得は小さくなり税金も安く済みますが、何でもかんでも経費に計上していると税務署に指摘されるリスクが高くなるため、正しい管理が大切です。

経費は原則として、その年の収入を発生させるのに直接貢献したものを計上します。

【主な経費例】
売上原価:せどり・転売の仕入れ費用
荷造運賃:商品の発送にかかる費用
旅費交通費:店舗せどりの仕入れに出かけた際の交通費
消耗品費:梱包材などの費用
支払手数料:出品先などに支払う手数料

全ての経費には、支出を証明できる領収書やレシートなどが必要です。

ただし、プライベートとごっちゃになっているものは、費用の一部しか計上できない点に注意しましょう。

例えば、車のガソリン代やスマホ代、水道光熱費の30%を経費とするといった具合に、必要に応じて按分(あんぶん)します。

このとき、税務署に根拠が説明できないと、経費として認められないこともあります。

 

確定申告のやり方

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確定申告は、手続きと納税がしっかりできていれば、自分でやっても人に依頼しても問題ありません。

ここでは、確定申告のやり方について紹介するので、自分に合った方法がどれなのかを検討してみましょう。

 

自分で確定申告する

まずは、スタンダードに自分で手続きをするやり方から解説します。

自力で申告すると、お金の使い方や税金の仕組みを意識するようになるのがメリットです。

帳簿付けの勉強がしたい場合は、個人事業主であれば日商簿記3級の知識があれば十分対応できます。

また、近年はリーズナブルで便利な会計ソフトも充実しているので、活用してみましょう。

 


持ち込み

持ち込みは、文字通り作成した確定申告書類を税務署に持って行って、提出する方法のことです。

税務署では、納税も同時に済ませることができます。

確実な方法ではあるものの、外出する手間と時間がかかるので、スムーズに提出できない理由があったり、とにかく不安だったりする人が選ぶ傾向です。

ちなみに、確定申告期間の税務署は非常に混むため、持ち込みをするのであれば、「出すだけ!」という状態にしておいた方がよいでしょう。

また、確定申告の時期は、別途相談会場が開設されるので、書類の作成方法でわからないことは、事前にそこで相談することも可能です。

 


郵送

確定申告書類は郵送で提出する方法もあります。

手書きで作成した書類を送っても問題ありませんし、国税庁のHP上で作成した書類を印刷して郵送するやり方も可能です。

書類の控えと返信用封筒を一緒に入れておけば、収受印の入った控えを返送してもらえます。

このとき、返信用封筒に切手を貼るのを忘れないようにしましょう。

納めるべき税金がある場合は、指定の納付書に金額を記入し、税務署や金融機関で支払います。

納税は、事前の手続きで口座振替としたり、クレジットカードでオンライン納付したりする方法もあるので、自分に合った方法を検討してみてください。

ちなみに、納付書は税務署に置いてあるのが一般的です。

 


オンライン(e-Tax)

「e-Tax」は、確定申告をオンラインでできる行政サービスです。

特に、青色申告で複式簿記を選択している人は、e-Taxで確定申告することをおすすめします。

この方法であれば、青色申告特別控除額が55万円から65万円にアップするからです。

e-Taxに対応している会計ソフトを選べば、Web上で作成した書類をe-Taxに取り込んで送信できます。

e-Taxには、「ID・パスワード方式」と「マイナンバーカード方式」の2種類があります。

ID・パスワード方式は、事前に税務署でe-Tax用のIDとパスワードを発行してもらい、手続きをする方法です。

一方のマイナンバーカード方式は、マイナンバーカードとICカードリーダーライターを用意し、オンライン手続きをします。

ただし、会計ソフトを使う場合は、マイナンバーカード方式を求められるのが一般的です。

ちなみに、ダイレクト納付の手続きもしておけば、e-Tax上で口座振替による納税もできます。

 

税理士に依頼する

確定申告を人に任せたい場合は、税理士に依頼することも可能です。

自分で手続きをする負担が減らせるのが最大のメリットといえるでしょう。

費用相場は、事業規模と、どこまでを任せるかによって変わってきます。

  • 記帳は自分で行い、確定申告書類の作成のみを依頼する:5万円程度~
  • 記帳から確定申告までを全て任せる:10万円程度~

税理士への依頼料は経費として計上できますが、それなりのお金はかかるので、自分の状況に応じて検討するとよいでしょう。

 

確定申告に便利な会計ソフト2選

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確定申告を全て自力で行うのは不安ではあるものの、法人でもないのに税理士に依頼するのもハードルが高いと感じる人は少なくありません。

その場合は、クラウド型の会計ソフトを使うのがおすすめです。

そこでここでは、確定申告時に便利なソフトを2つ紹介します。

【確定申告に便利な会計ソフト2選】

  • 「マネーフォワード」クラウド確定申告
  • クラウド会計ソフト「freee」

「マネーフォワード」クラウド確定申告

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「マネーフォワード」クラウド確定申告は、株式会社マネーフォワードが提供する会計ソフトです。

スタンダードなパーソナルプランは、年額1万1760円(月額980円相当)で利用でき、初月は無料となっています。

マネーフォワードの会計ソフトは、記帳する際、仕訳に必要な勘定科目を自動提案してくれたり、連携している口座やカードの取引を自動取得してくれたりするのが強みです。

仕訳登録はアプリからも対応できるので、仕入れのついでに外出先で記帳することもできます。

また、e-Taxにも対応しており、基礎控除や青色申告特別控除など、細かい内容も自動反映してサポートしてくれます。

 

クラウド会計ソフト「freee」

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クラウド会計ソフト「freee」は、freee株式会社の会計ソフトです。

スタンダードプランにかかる費用は、年額2万3760円(月額1980円相当)となっており、こちらも最大30日間は無料でお試しできます。

freeeは簿記の専門用語がわからなくても、帳簿を作成しやすい仕組みになっているのが特徴です。

例えば、アプリでレシートを撮影し、情報を自動取り込みした上で記帳するといった機能があります。

また、確定申告書を作成する際も、「○×」の質問に答えていくスタイルで必要項目の入力ができるため、初心者にはわかりやすいでしょう。

 

せどりで確定申告をする際の注意点

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確定申告は、慣れてしまえば毎年同じような作業の繰り返しですが、不慣れな人は注意しておきたいこともあります。

せどりや転売をする際に当てはまるポイントもあるので、ここでまとめて確認しておきましょう。

【せどりで確定申告をする際の注意点4つ】

  • 期末の在庫は経費にならない
  • 輸出転売は消費税還付を考慮する
  • 住民税の「普通徴収・特別徴収」の選択をミスしない
  • 楽天ポイントせどりの確定申告は計算をしっかりする

 

期末の在庫は経費にならない

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先ほど、せどりや転売の仕入れ費用は「売上原価」として経費になることを説明しましたが、12月31日の時点で売れ残っている在庫分の仕入れ費用は経費にできない点には注意が必要です。

というのも、その年の売上に貢献していないため、必要経費として認められないからです。

1年目の売上原価は、以下のようにして計算します。

売上原価=仕入れ費用の総額-売れ残った在庫分の仕入れ費用

この計算をする作業は「棚卸し」と呼ばれます。店舗などで在庫処分セールが行われるのは、その年の在庫をできるだけ減らしておきたいという思惑があるからです。

また、2年目以降の売上原価は、次のように算出することになるので、覚えておくとよいでしょう。

2年目以降の売上原価=前年の売れ残り分の仕入れ費用+年間の新たな仕入れ費用-その年に売れ残った在庫分の仕入れ費用

 

輸出転売は消費税還付を考慮する

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日本では、輸出取引については消費税が免除されることになっています。

例えば、輸出転売用の商品の仕入れ費用や、梱包・配送費用などにかかる消費税が免除対象です。

これらの消費税は、支払いの際に省いてもらうことはできないため、後から税務署に還付申請をして、返してもらいます。

ただし、この手続きができるのは消費税の課税事業者のみです。

消費税の課税事業者とは、基準期間、または特定期間の売上高が1000万円を超える人を指します。

基準期間は、前々事業年度の1年間、特定期間は個人事業主の場合、前年の1月1日から6月30日の半年間です。

この期間の売上高が1000万円以下の場合でも、手続きをすれば課税事業者になることはできます。

輸出転売がメインの場合は検討した方がお得かもしれません。

 

住民税の「普通徴収・特別徴収」の選択をミスしない

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確定申告は1年間の所得を申告し、所得税を納める手続きですが、このデータは翌年の住民税を決める際にも活用されます。

確定申告書には、住民税の支払い方法を選択する欄があるので、間違えないようにしましょう。

特別徴収:給与から天引き
普通徴収:自分で納付

専業の人は普通徴収となりますが、副業の人はどちらかを選ぶ必要があります。

「自分で納付」にすると、副業で得た所得に対して追加される住民税のみ、後日送られてくる納付書で支払う仕組みです。

よく、住民税で副業がバレると話題になるのは、特別徴収を選択するケースでしょう。

給与から天引きされる住民税の金額が大幅に上がり、会社に気づかれることがあるからです。

 

楽天ポイントせどりの確定申告は計算をしっかりする

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楽天ポイントせどりを行っている場合、確定申告に向けてポイントの扱い方をしっかり把握しておく必要があります。

この点は、他の企業が発行するポイントについても同様です。

まず、楽天ポイントなどのポイントを私的利用する場合、現状確定申告で申し出る必要はありません。

例えば、個人的な買い物にポイントを使っても、特に申告は不要ということです。

一方、せどりでポイントを活用している場合は、所得としての計算をしなければなりません。

このとき、所得として記帳するのは、ポイントを取得したときではなく、「使用」したときです。

例えば、3万円分の仕入れを楽天ポイントで行った場合の仕訳を複式簿記でやると以下のようになります。

仕訳:仕入高 30,000円 / 雑収入 30,000円

これは、仕入れに3万円かかったものの、3万円分の雑収入(ここではポイントを指す)があったので、実質0円で仕入れたことを意味します。

獲得したポイントをせどりとプライベートの両方で使っている場合、せどり分は正確に管理しておきましょう。

 

確定申告はしなくてもバレないと思ってはいけいない!

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確定申告の手続きは面倒に感じることもあるでしょう。

とはいえ、確定申告をしなくてもバレないのではと考えるのは禁物です。

せどりや転売の場合、プラットフォーム上にデータが全て残るので、隠し通すことはできません。

ここでは、確定申告をしなかった場合のリスクについて解説します。

 

確定申告をしなかった場合の罰金

確定申告をすべき人が必要な手続きをしていないとバレた場合、一般的には罰金を支払うことになります。

一口に「罰金」といっても、いくつか種類があるので、どんなものが考えられるのかを説明します。

 


延滞税

延滞税は、所得税を期限までに納付していない場合に課される税金(要するに利息のようなもの)です。

確定申告は、所得税額を算出して納付するまでが手続きなので注意しましょう。

確定申告をすれば、後から納付書を送ってもらえるという仕組みではありません。

ちなみに、そもそも確定申告自体を期限後に行っていて、納めるべき所得税がある場合も、延滞税は課されます。

延滞税は、日々加算されますが、納付期限から2カ月が経過すると税率が一気に上がり、最大14.6%です。

遅れた日数が長ければ長いほど金額が大きくなるので、確定申告の手続きと納税は必ず期限内に行いましょう。

 


無申告加算税

無申告加算税は、期限が過ぎてから確定申告をしたり、税務署に確定申告をしていないことを突っ込まれてから申告したりした場合に課される税金です。

期限後申告の場合、納税額の5%が追加されるのが原則ですが、期限後1カ月以内に自分から手続きした人は免除されることもあります。

税務署に指摘されてから申告した場合は、納税額50万円までは15%、50万円を超える部分に対しては20%の割合で追加されるルールです。

どちらにしても、同時に延滞税もかかるため、「延滞税+無申告加算税」のペナルティとなります。

ちなみに、遅れて申告した場合の納付日は、申告日当日です。

 


重加算税

重加算税は、申告内容に偽装や隠ぺいがあり、悪質だと判断された場合に課される税金で、最大40%という高い税率が適用されます。

重加算税が徴収されるときは、基本的に他の罰金も一緒に課されるため、ダメージが非常に大きくなるのが特徴です。

しかも、数年分さかのぼって指摘されることも珍しくありません。

税務署は、ネットビジネスの申告漏れも調査しているので、「規模が小さいからバレない」「匿名だからバレない」といった考え方をしていると、後で大変なことになる可能性があります。

 


刑事罰を受けるケース

確定申告をせずに納めるべき税金を免れていると、脱税として刑事罰に問われることもあります。

所得税法では、故意に納税に関する申告書を期限までに提出せず、その結果、税金を払わずにいる人には、10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金、またはその両方を科すと定められているからです。

税金を支払わないといけないことがわかっていながら、わざと申告せずにいる人には、厳しいペナルティが待っているといえるでしょう。

 

せどりの確定申告をスムーズに行うポイント

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確定申告は面倒だと思っても、手続きをしなかった場合のリスクを考えると、しっかり申告しておきたいところです。

そこで最後に、確定申告をできるだけスムーズに行うためのポイントについて紹介します。

【せどりの確定申告をスムーズに行うポイント3つ】

  • お金の管理を一元化する
  • 領収書やレシートは保管しておく
  • こまめに記帳する

 

お金の管理を一元化する

確定申告は、1年間の収入と支出の情報が全てなので、お金の管理を一元化することが重要です。

例えば、せどり・転売用の口座を用意したり、現金取引は避けて専用のクレジットカードに支払いを集中させたりするとお金の出入りを把握しやすくなります。

口座とカード明細をチェックすれば、何にいくら使っているのかがすぐにわかるからです。

また、こうした対応によって、税務調査を受けた際の対応もスムーズにできるようになります。

 

領収書やレシートは保管しておく

お金の管理を一元化していても、支出の証明には領収書やレシートが必要となります。

せどりや転売の場合、取引数が増えるほど領収書なども多くなるので、なくさないように工夫しておきましょう。

例えば、月ごとに1年分の領収書を管理できる市販のファイルは役に立つのでおすすめです。

確定申告に関する書類は、手続き後も5~7年は保管しなければならないので、ファイルは重宝します。

また、どこに何があるのか、すぐに探せるように、普段から保管場所も決めておくとよいでしょう。

 

こまめに記帳する

確定申告を税理士に丸ごと依頼する場合は別にしても、会計ソフトなどで自分で記帳する場合は、まめに記録することを忘れないようにしましょう。

1年分をまとめて対応しようとすると、作業が多すぎて手に負えないこともあるからです。

毎日記帳する時間はないという人でも、最低限1カ月単位で情報を整理することをおすすめします。

特に、会計ソフトでは売上や経費のレポートが見られるため、「来月はもっと頑張ろう!」といった目標も立てやすくなります。

また、具体的な数字がわかっていれば、せどり・転売ブログを立ち上げて、アフィリエイトに応用させることも可能です。

 

確定申告は余裕を持って準備しよう!

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確定申告は、慣れないうちは記帳のやり方や、経費の考え方など、わからないことがたくさんあるものです。

しかし、日々コツコツ帳簿付けをすることで、お金の感覚も身についていくので、余裕を持ってしっかり準備するようにしましょう。

また、物販総合研究所では、せどり・転売の売上をアップさせるノウハウを公開中です。

気になるマニュアルがあれば、無料なのでぜひダウンロードしてみてください。