「せどり」と「転売」は稼ぎ方が違う！2つの物販ビジネスを徹底比較
まず、せどりと転売は以下の2点については同じです。
- 商品を安く仕入れて高く売る「物販ビジネス」
- 小売店から買って小売店で売る
どちらも、基本的にメーカーから直接仕入れたり、卸問屋から仕入れたりするのではなく、小売店で購入したものを販売するビジネスです。ただし、利益を生み出す仕組み（稼ぎ方）は少し異なります。
ここでは、以下2つの点で「せどりと転売の違い」を見ていきましょう。
ポイント1：利益の出し方の違い
まずは、せどりと転売で利益の出し方がどう異なるのか見ていきます。簡単に言えば、せどりは「価格差」、転売は「希少価値（プレミア）」で利益を出すビジネスです。
せどりの利益の出し方
せどりは、「価格差」で稼ぐビジネスです。本来あるべき価値よりも、何らかの理由で安く売られている商品を見つけ出し、適正な市場価格で販売して利益を得ます。
例えば、以下のようなケースが代表例です。
- 近所のリサイクルショップでキャンプ用のランタンが2,000円で売られていた
- フリマアプリで5,000円で売って差額3,000円の利益を得た
「えっ！このランタン超人気のブランドなのに、お店の人知らないんだな」など、目利き次第で利益を増やせるのがせどりです。他の人が気付かない「狙い目」を見つけられれば、その分大きな収入につなげられます。
転売の利益の出し方
一方、転売は「希少価値（プレミア）」で稼ぐビジネスとして語られることが多いです。定価で商品を購入し、人気や品薄によって価格が高騰したタイミングで、定価以上の値段で販売して利益を得ます。
例えば、以下のようなケースです。
- 定価3万5,000円の限定スニーカーを抽選販売で手に入れた
- 市場で価格が高騰したタイミングで8万円で販売し、差額4万5,000円の利益を得た
品薄による価格高騰を狙った買い占めが原因で、世間では「転売ヤー」として問題視されることも。近年では、マクドナルドのハッピーセット問題が話題となっています。
つまり、プレミア転売は、世間的にネガティブなイメージを持たれやすいということですね。
ポイント2：活動範囲の違い
続いて、せどりと転売で活動範囲がどう異なるのかも見てみましょう。
結論から言うと、せどりは主に「国内仕入れ・国内販売」を指す一方、転売は「輸出・輸入を伴う国際取引も含む場合が多い」という特徴があります。
せどりの活動範囲
せどりは、主に「国内で仕入れて、国内で販売する」という日本国内で完結するビジネスを指すことが多いです。
例えば、日本のリサイクルショップや家電量販店、オンラインストアなどで仕入れて、日本のECサイトやフリマアプリで販売するイメージ。日本語の情報だけ見ておけば十分なため、とっつきやすいビジネスです。
転売の活動範囲
一方、プレミア転売も国内で行われるのが一般的ではあるものの、「転売」という言葉はより広く国境を越えた取引を指す場合があります。
例えば、海外から安く仕入れて日本で売る「輸入転売」や、日本の商品を海外で高く売る「輸出転売」は、せどりとは呼ばないのが一般的です。
なお、輸入転売や輸出転売は国内転売のようなネガティブなイメージはありません。
一目でわかる！「せどり」と「転売」の違い比較表まとめ
せどりと転売について、ここまで見てきた違いを以下の表にまとめました。利益の源泉・仕入れ価格・販売価格・主な仕入れ先の点で違いがあることがわかります。
| せどり | 転売 | |
|---|---|---|
| 利益の源泉 | 価格差 | 希少価値 |
| 仕入れ価格 | 市場価格より安い価格 | 定価 |
| 販売価格 | 適正な市場価格 | 定価以上（プレミア価格） |
| 主な仕入れ先 | ECサイトやリサイクルショップなど | メーカー公式サイト、抽選販売など |
せどりと転売の具体的なメリット・デメリット
せどりと転売は、利益を生み出す仕組みが違うからこそ、メリット・デメリットも変わってきます。
似たようなものとして語られることが多いものの、トラブルを避け、利益を生み出すためには違いをしっかり認識して取り組むことが大切です。ここからは、それぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。
せどりのメリット
せどりの主なメリットは以下の3つです。
再現性が高く初心者でも始めやすい
せどりは、「価格差を見つけるリサーチ方法を学べば誰でも実践可能」という再現性の高さが魅力です。ノウハウやツールも豊富にあり、初心者向けの教材や解説が充実しているので、経験や特別なスキルがなくても挑戦できます。
ある程度慣れてきたら、他のせどり実践者が知らないノウハウや情報を元に取り組むことで差別化を図りましょう。物販総合研究所では、せどりに役立つノウハウを提供していて、独自のリサーチツールなども開発しています。
少額資金からスタートできる
数千円規模の中古品からでも始められるなど、初期投資が小さいためリスクを抑えられるのもせどりのメリット。
副業として堅実なスタートを切りたい方におすすめです。利益を積み重ねながら仕入れ規模を拡大できるため、ビジネスの着実な成長が期待できます。
ビジネスの基本が身につく
せどりを通じて、「安く仕入れて高く売る」というビジネスの原則を実践的に学べるのも大きなメリットです。
せどりに取り組む中で、価格調査や販売戦略立案、顧客対応など幅広いビジネススキルを得られます。副業だけでなく、将来独立や起業を考える人にも役立つ経験になります。
せどりのデメリット
一方、せどりの主なデメリットは以下の2つです。
手を止めると収入も止まりやすい
仕入れやリサーチを止めると売上も止まってしまうことから、自分の労働時間に収入が依存しやすい点に注意が必要です。
「労働収入型」の性質が強いため、安定した利益を継続するには常に動く必要があります。一人での作業には限界があるため、ある程度の規模になったら外注化や仕組み化に取り組むのがおすすめです。
利益率が低い商品もある
せどりでは1商品あたりの利益が数百円程度と薄利なケースが多く、大量に販売して利益を積み重ねる必要がある点も押さえておきましょう。
ただし「リピート購入が狙える商品」なら安定収入に結びつきやすく、必ずしもデメリットにはなりません。どのように継続的に利益を生み出すかを考えて取り組むことが大切です。
転売（プレミア転売）のメリット
続いては、せどりではなく「転売」のメリット・デメリットを見てみましょう。
転売（プレミア転売）の主なメリットは以下の2つです。
短期間で大きな利益を得られる可能性がある
転売（プレミア転売）なら、限定品や希少商品は1つで数万円の利益になることも。うまく当選・購入できれば、需要が高いうちに販売できるため即金性が高いです。
希少価値が高ければ高いほど定価からの値幅が大きくなり、大きな利益が取れます。結果として資金効率が良いケースも多くなります。
商品知識が少なくても実践しやすい
転売の場合、商品の相場やブランドに関する知識は必ずしも必要ではありません。店頭での目利きなども必要がなく、「今何の需要が高まっているか」を把握していればOK。
発売日や販売情報を追いかけるリサーチ力があれば、参入可能です。流行に敏感な人には取り組みやすいビジネスです。
転売（プレミア転売）のデメリット
転売（プレミア転売）には、もちろんメリットだけでなく以下のようなデメリットもあります。
仕入れが不安定で再現性が低い
まず、転売（プレミア転売）は抽選販売や先着販売など「運」に左右される部分が大きくなります。安定的に仕入れ続けるのが難しく、収益も不安定になりやすい点に要注意。
労力をかけて抽選に応募したり、販売開始時の列に並んだりしても、狙っていた商品を手に入れられない可能性があります。
社会的に批判されやすく、アカウント停止のリスクがある
さらに、人気商品を買い占めて高額転売する行為は「転売ヤー」として社会的に嫌われます。
SNS炎上や購入者とのトラブルに発展することがある他、プラットフォームの規約変更で規制対象となり、アカウント停止になるリスクも存在します。
みなさんも、ネット上でこうしたトラブルを目にしたことがあるのではないでしょうか？
【重要】せどり・転売の違法性について｜知らないと危険な法律とルール
せどりと転売の違いが明確になったところで、その違法性が気になる方も多いかもしれません。ここでは、以下3つのポイントを解説します。
大前提：せどりも転売も「安く買って高く売る」こと自体は合法
まず「安く仕入れて高く販売する」という行為自体は、法律的に問題ありません。小売店や商社も同じ仕組みで利益を得ており、ビジネスモデルとして正当なものです。
せどりや転売は違法と誤解されがちですが、ビジネスの原理はまったく合法であることを押さえておきましょう。もし違法であれば、世の中の小売店のビジネスは成り立たないことになります。
違法 or グレーゾーンと見なされるケース
ただし、扱う商品や売り方によってはせどり・転売が法律違反や炎上につながるケースがあります。ここでは、以下2つのケースに分けて解説します。
違法なせどり・転売
まず、法律で禁止されていて、絶対に手を出してはいけないものがあります。例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 例1）チケットの不正転売（チケット不正転売禁止法違反）
- 例2）偽ブランド品の販売（商標法違反）
- 例3）お酒や医薬品、化粧品などの無許可販売（酒税法、薬機法など）
偽ブランド品の販売や、許可がない状態での医薬品の販売などは、商標法や薬機法の違反となり、当然ながら違法行為に当たります。
違法となる転売のケースについては、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ確認してください。
（関連）転売ヤーとは？せどりとの違い＆違法行為への該当有無！
グレーゾーンの転売
法律的にNGではありませんが、社会的に問題視され、大きなリスクを伴うケースもあります。
具体的には「商品の買い占め行為」が挙げられます。要するに、「純粋にその商品が欲しい他の消費者の購入機会を奪う行為」で、モラルが問われるものです。例としては、以下のようなものが挙げられます。
- コロナ禍のマスク・消毒液
- 災害時の水や生活必需品
- 供給不足時の米
- キャンペーン時のマクドナルドのハッピーセット
- 発売直後のポケモンカード
下手をするとSNSで顔をさらされてしまうケースもあるため、おすすめはできません。
せどり・転売に「古物商許可証」は必要？
違法性に関連して、「せどり・転売に古物商許可証は必要なのか」と疑問を抱く人も多いのではないでしょうか。結論として、国内で仕入れるなら古物商許可証が必要なケースが多々あります。
「古物という名称だから、新品を仕入れるならいらないのでは？」と考える人もいますが、一度市場に出回った商品を仕入れて販売するなら「古物」扱いです。
例外的に、自分の不用品や、人からタダでもらったものを売る場合は不要とされています。
せどりビジネスと古物商許可証の関係については、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてチェックしてみてください。
（関連）【行政書士監修】せどりで古物商許可証が必要な6つのケースと取得方法
結局どっちがおすすめ？目的別の選び方
ここまでせどりと転売の違いについて紹介してきましたが、どちらを選ぶべきかは目的によって異なります。以下2つの考え方で、自身に合ったものを選びましょう。
副業で堅実に稼ぎたい初心者なら「せどり」がおすすめ！
せどり・転売のどちらも未経験で、副業で堅実に稼ぎたいと考えているなら「せどり」がおすすめです。
再現性の高さやリスクの低さ、ビジネススキルが身につく点などから、長期的に見て「せどり」の方がビジネスの成功につながりやすいです。
物販総合研究所は「物販で人生を変える人を1人でも多く」をコンセプトとし、「物販ビジネスで継続的に稼ぐ力を身につけることで、幸せになってほしい」と考えています。せどりに役立つツール・ノウハウを提供しているので、ぜひチェックしてみてください。
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プレミア転売は非推奨｜転売なら海外市場を視野に！
プレミア転売は、仕入れの不安定さや社会的なリスクから、副業として安定収入を目指す人には推奨できません。
ただし、「転売」という手法全てが悪いわけではありません。特に、海外との価格差を利用する「輸入・輸出転売」は、健全なビジネスモデルの一つです。
例えば、eBay輸出と呼ばれる「欧米版メルカリとも呼ばれるeBayで、日本の中古品を販売する手法」では、ジャパンクオリティの商品がよく売れます。
より高利益を狙いたいなら、プレミア転売ではなく海外を相手にする転売をするのがおすすめ。物販総合研究所でも、輸出転売や輸入転売のノウハウを多数提供していますよ！
せどりを始めるにはどうしたらいい？
今からせどりを始めるなら、以下5つのステップで取り組むのがおすすめです。
- 準備（アカウント登録など）
- リサーチ（どのような商品がいくらで売れているか調査）
- 仕入れ（どこからいくらで購入するか検討）
- 出品（写真や説明文を載せてアピール）
- 発送（購入者が決まったら梱包して出荷）
やり方はシンプルで、誰でも始められるのがせどりの魅力。まずは興味のあるジャンルでリサーチしてみて、イメージを膨らませましょう。せどりの始め方について、詳しくは以下の記事で解説しています。
（関連）せどりは何をするの？これから始める初心者のための入門ガイド
よくある質問【FAQ】
せどり・転売について、ここでは未経験の方がよく抱える以下の疑問にお答えしていきます。
どのくらいの初期費用が必要ですか？
単価の低いジャンルで始めるなら、数千円から可能です。ただし、手元の資金として5〜10万円用意しておくと選択肢が広がります。
せっかく「市場価格の割に安い」という商品を見つけても、予算が少なければ手を出せないケースも。そのため、少額からでもスタートできるとはいえ、少しでも多く資金を用意しておくことで仕入れの自由度を上げられ、成功につなげやすくなります。
スマホだけでも始められますか？
せどりをスマホだけで始めることは可能ではあるものの、現実的ではありません。細かいリサーチや在庫管理を考えると、PCの方が格段に作業がしやすいです。
ただし、PCでの作業を基本とした上で、場面によって使うと便利なスマホアプリなどはあります。
以下の記事では、せどりに便利なスマホアプリや、せどりのプロがスマホをどう活用しているかを解説しているので、ぜひチェックしてみてください。
（関連）【プロ厳選】せどりのおすすめアプリ5選｜現役セラーの解説動画つき！
利益が出たら確定申告は必要ですか？
副業としてせどりを行い、年間所得（利益）が20万円を超えると確定申告が必要です。
税金の基礎知識を身につけておくと、安心して副業を続けられます。
せどりと転売の違いを正しく理解して自分に合った物販ビジネスを始めよう！
今回は、「せどり」と「転売」の違いについて、利益の出し方から具体的なメリット・デメリット、注意点まで詳しく解説しました。
最も重要なポイントは、せどりが市場に埋もれた商品の「価格差」で堅実に利益を出すのに対し、一般的なプレミア転売は商品の「希少価値」に依存するため、不安定な側面があるというビジネスモデルの違いです。
物販総合研究所では、安全で堅実な物販ビジネスへの第一歩を踏み出せるよう、着実に稼ぐ力が身につく「せどり」や、海外との物価の差を利用した「輸出転売・輸入転売」をおすすめしています。
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