クラウドファンディングとは?基本を簡単に解説
「クラウドファンディング」について、なんとなくイメージはあるものの、その仕組みや、具体的な流れが今一つわからないという方も多いのではないでしょうか。
そこでまずは、クラウドファンディングを上手に活用するために、その意味や仕組みを押さえておきましょう。
以下の動画でも、この記事の著者である成田が、クラウドファンディングとは何かについてわかりやすく解説しています。あわせてご覧ください。
クラウドファンディングの意味
クラウドファンディングとは「群衆(クラウド)」と「資金調達(ファンディング)」を組み合わせた造語で、多くの人から少額ずつ資金を集める手法です。
インターネットの普及とともに発展してきた経緯があり、個人や企業がプロジェクトを実現するための資金調達手段となっています。
クラウドファンディングの起源は、1997年のアメリカにさかのぼります。イギリス出身のロックバンド「Marillion(マリリオン)」の全米ツアーを実現するため、アメリカのファンがインターネットで資金を募ったのがその始まりです。
その後、2000年代初頭のアメリカでは「Kickstarter」や「Indiegogo」といったプラットフォームが誕生しました。
日本では、2011年に「READYFOR」や「CAMPFIRE」などのプラットフォームが登場。当時は東日本大震災の復興支援プロジェクトが目立ちましたが、現在はさまざまな分野で活用されています。
クラウドファンディングが注目される理由
クラウドファンディングが多くの人に注目されている理由は、主に3つあります。
【注目される理由】
- 理由1:テクノロジーの進化
SNSなどのテクノロジーの進化により、個人や中小企業でも、不特定多数から共感と支援を集めやすくなりました。
- 理由2:消費者の価値観の変化
「モノ」の所有ではなく「体験・応援・社会貢献」といったコト消費が重視されるようになり、誰かの挑戦に共感して支援するというクラウドファンディングが選ばれています。
- 理由3:資金調達手段の多様化
銀行融資や株式発行に頼らない事業者が増えています。無担保・無保証でも可能なクラウドファンディングは、個人の起業や副業の資金調達手段としても定着しています。
こうした背景を理解しておくと、クラウドファンディングを目的に応じて効果的に活用できるようになるでしょう。
【図解】クラウドファンディングの仕組み
クラウドファンディングは、やりたいことを発信し、共感した人から資金を募る仕組みです。支援が集まるとプロジェクトが成立し、プロジェクトの実行後は支援者にリターン(商品やサービス、感謝のメッセージなど)を届けます。
これらのクラウドファンディングの仕組みについて、基礎からわかりやすく解説します。
登場人物は「起案者」「支援者」「プラットフォーム」
クラウドファンディングは、資金を必要とする起案者が自分のプロジェクトをプラットフォームに公開し、それに共感した支援者から資金を集めるのが基本的な仕組みです。
【登場人物とその役割】
- 起案者
商品やサービスの企画、地域活動などを実現したいと考え、資金を募る個人または団体です。 - 支援者
プロジェクトに共感し、その実現を後押しするためにインターネットを通じて資金を提供する立場の人や組織です。 - プラットフォーム
起案者と支援者を仲介するウェブサイトの役割を担い、プロジェクト情報の掲載や決済などを支援するサービスです。
プラットフォームについては、後ほど主要サイトを紹介します。
プロジェクト成立からリターンが届くまでの流れ
プロジェクトの成立からリターンが届くまでの流れは、以下の4ステップです。
- プロジェクト成立と資金確定
募集期間が終わると、支援の集まり具合に応じてプロジェクトの成立が決まり、資金額が確定します。
※「All-or-Nothing方式」は目標金額を達成した場合のみ成立し、「All-in方式」は目標金額に届かなくても集まった分だけ成立となります。 - 資金を受け取る
プラットフォームから、手数料を引いた支援金が自分の口座に振り込まれます。 - 計画の実行
受け取った資金で、商品づくりや設備準備など、計画していた活動を進めます。 - リターンの発送
支援してくれた人たちに、お礼として事前に約束していたリターンを届けます。
クラウドファンディングは大きく分けて5種類!自分に合うのはどれ?
クラウドファンディングと一口にいっても、幾つかの種類があります。代表的な種類は以下の5種類です。
- ①【購入型】商品やサービスを購入してプロジェクトを応援する
- ②【寄付型】金銭的な見返りを求めず、活動そのものを寄付で応援する
- ③【融資型】企業などにお金を貸し出して、利息(リターン)を得る
- ④【株式投資型】未上場企業の株主になることで成長を応援する
- ⑤【ファンド型】特定の事業に出資して、売上に応じた分配金を得る
自分の夢や事業を実現するには、これらの種類の選び方(=資金の募り方)が重要です。それぞれの特徴をみていきましょう。
①【購入型】商品やサービスを購入してプロジェクトを応援する
【特徴】
- プロジェクトに資金を提供するリターンとして、支援者が商品やサービスを受け取れるクラウドファンディング。
- 新しい商品やサービスの開発・提供において、テストマーケティングや先行販売の手段に活用されることが多い。
メリット | 【起案者】
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デメリット | 【起案者】
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②【寄付型】金銭的な見返りを求めず、活動そのものを寄付で応援する
【特徴】
- 支援者が見返りを求めずに資金を提供し、社会貢献やチャリティー活動を実現するクラウドファンディング。
- 災害支援や医療支援、環境保護活動などを目的としたプロジェクトで活用されることが多い。
メリット | 【起案者】
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デメリット | 【起案者】
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③【融資型】企業などにお金を貸し出して、利息(リターン)を得る
【特徴】
- 支援者が起案者に資金を貸し付け、その利息を受け取るタイプのクラウドファンディングで、市場規模も大きい。
- 中小企業やスタートアップ企業などが資金調達の手段として利用することが多いため、投資の一種とされる。
メリット | 【起案者】
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デメリット | 【起案者】
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④【株式投資型】未上場企業の株主になることで成長を応援する
【特徴】
- 支援者が企業に対して資金提供し、リターンとして未公開株式を手に入れるタイプのクラウドファンディング。
- 企業の成長次第で利益を得られる可能性があり、とくにスタートアップ企業への投資色が濃い。
メリット | 【起案者】
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デメリット | 【起案者】
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⑤【ファンド型】特定の事業に出資して、売上に応じた分配金を得る
【特徴】
- 起案者が挑戦する事業に出資してもらい、成果に応じてお金(分配金)を返すタイプのクラウドファンディング
- 売上に応じた分配金を返す形で、支援者と利益をシェアできるのが大きな特徴
メリット | 【起案者】
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デメリット | 【起案者】
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クラウドファンディングのメリット・デメリット
クラウドファンディングには、メリットとデメリットの両面があります。どちらの面も把握しておき、クラウドファンディングを上手に活用しましょう。
主なメリット
クラウドファンディングは、資金を集める手段としてだけでなく、事業の反応を確かめたり、支援者とつながる貴重な機会にもなったりする新たな資金調達方法です。
主なメリットを以下にまとめました。
- 挑戦のハードルが低い
事業実績や信用力がなくても始められるため、金融機関の融資が難しい方に向いています。 - PRやテストマーケティングになる
支援の集まり方や反響のコメントなどで商品のニーズを確認でき、今後の方向性や改善点のヒントが得られます。 - 共感を通じてファンとつながれる
プロジェクトの想いや背景に共感した人が支援者になるため、単なる「客」ではなく、継続的に応援してくれる「ファン」が増えやすくなります。
主なデメリット
クラウドファンディングには魅力が多い一方で、注意すべきデメリットも存在します。
- プロジェクトが失敗・頓挫するリスクがある
目標金額に届かず資金を得られなかったり、想定外のトラブルで中止になる場合もあります。 - 手数料や手間がかかる
実施や運営には10〜20%程度の手数料や広報・管理業務の負担が生じます。 - リターンが届かない、または遅れるリスクがある
製造や配送の遅れにより支援者の信頼を損なう可能性があります。
メリットを最大化するコツや、各デメリットへの詳しい対策はこちらの記事で解説しています。
(関連)挑戦前に知るべき!クラウドファンディングのメリット・デメリット一覧
クラウドファンディングの始め方(やり方)の流れ
クラウドファンディングに取り組む際は、以下の4つのステップに沿って進めていきましょう。
- 目的と目標金額を明確にする(企画)
どんな想いで何を実現したいのかを整理し、必要な資金を具体的に設定します。プロジェクトの共感性や社会的意義も意識すると、支援を得やすくなります。 - プラットフォームを選び、プロジェクトページを作成する(準備)
各サービスの特徴(手数料・分野)を比較し、自分に合うものを選びましょう。プラットフォームが決まったら、支援者に伝わるよう、丁寧にストーリーやリターンを設計し、プロジェクトページを作ります。 - プロジェクトを公開し、SNSなどで情報を発信する(実行)
支援を集めるには発信が必須。SNSやブログなど、使える手段をフル活用しましょう。情報の発信や共有を積極的に行うと、信頼獲得につながります。 - 支援者へのお礼とリターンの送付を誠実に行う(完了後)
感謝の気持ちを丁寧に伝えることで、継続的なファンづくりにつながります。リターンの遅れが信頼を損なわないよう、スケジュール管理も大切です。
各ステップの具体的な進め方や、成功のためのコツはこちらの記事をご覧ください。
(関連)【完全攻略】クラウドファンディングのやり方の全て|差別化戦略も公開!
代表的なクラウドファンディングサイト
初めてクラウドファンディングに挑戦するなら、まずは多くの支援者が集まり、使いやすさにも定評があるメジャーなサイトから検討するとよいでしょう。
ここでは、国内3大サイトを紹介します。
- CAMPFIRE(キャンプファイヤー)|国内最大級の総合サイト
- Makuake(マクアケ)|新しいモノや体験に出会えるサイト
- READYFOR(レディーフォー)|社会貢献性の高いプロジェクトに強いサイト
CAMPFIRE(キャンプファイヤー)|国内最大級の総合サイト
【特徴】
- CAMPFIREは、国内最大級のクラウドファンディングサイト。
- ユーザー数やプロジェクトの掲載数がトップクラスで、知名度が抜群。
- プロジェクトのジャンルもエンタメからガジェット系、まちづくりまで幅広い。
【こんな人におすすめ】
- 幅広いジャンルでクラウドファンディングに挑戦したい方
- 審査ハードルが低く、迅速に資金調達する方法を探している方
→CAMPFIRE公式サイトはこちら
Makuake(マクアケ)|新しいモノや体験に出会えるサイト
【特徴】
- Makuakeは、購入型に特化したクラウドファンディングサイト。
- 新商品や新サービスの応援を得意としているため、斬新なアイデアが集まる。
- とくに、ガジェット系の目新しい商品が注目されやすい傾向。
【こんな人におすすめ】
- 新商品のテストマーケティングをしたい方
- プロジェクト案やプロモーション方法についてアドバイスを受けたい方
→Makuake公式サイトはこちら
READYFOR(レディーフォー)|社会貢献性の高いプロジェクトに強いサイト
【特徴】
- READYFORは、2011年3月にサービスを開始した日本初のクラウドファンディングサイト。
- リターンのない寄付型のプロジェクトに強い。
- ノウハウが豊富なので、各種サポートプランが充実している。
【こんな人におすすめ】
- 社会課題の解決や研究支援など、公益性の高い活動をしたい方
- 地域活性化、医療、福祉、教育などのジャンルで資金を集めたい方
→READYFOR公式サイトはこちら
クラウドファンディングサイトは、ここで紹介した3つ以外にもたくさんあります。以下の記事では、クラファン経験者が利用するサイトをカオスマップとともに紹介していますので、ぜひチェックしてみてください!
(関連)クラウドファンディングサイトおすすめ一覧|経験者が選ぶ人気サイトとは?
よくある質問【FAQ】
最後に、クラウドファンディング初心者の方からよく寄せられる、以下の質問について、まとめてお答えします。
- クラファンの手数料はどのくらいかかる?
- クラファンって税金はかかる?確定申告は必要?
- クラファンは個人でも挑戦できる?
- クラファンにはどんな成功例がある?
クラファンの手数料はどのくらいかかる?
クラウドファンディングでは、集まった支援金に対して10〜20%の手数料がかかるのが一般的です。この手数料は、プロジェクトが成立した場合のみ発生します。
さらに、一部のプラットフォームでは、支援金に対して5%程度の決済手数料が別途加算されることもあります。支援金の手取り額に影響するため、目標金額は手数料込みで設定しておきましょう。
クラウドファンディングをするのにかかる手数料については、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
(関連)【2024年最新】クラウドファンディングの手数料一覧を徹底比較
クラファンって税金はかかる?確定申告は必要?
クラウドファンディングで得た資金には、税金がかかる可能性があり、状況によっては確定申告が必要です。
税務上の扱いは、支援の種類(購入型・寄付型など)や、起案者が個人か法人かによって異なります。たとえば「購入型」は売上とみなされ、所得税の対象になるのが一般的です。一方、「寄付型」は通常、非課税とされますが、プロジェクトの内容によって課税されます。
あらかじめ税務のルールを確認しておきましょう。詳しくは以下の記事で解説しています。
クラファンは個人でも挑戦できる?
クラウドファンディングは、知名度や事業実績がない個人でも、十分に挑戦できる資金調達の方法です。
たとえば、起業前や副業として商品を開発したい場合でも、必要な資金を先に集められるため、自己資金のリスクを抑えて一歩を踏み出せます。金融機関の融資のような審査や書類も必要なく、初めての方にとっても始めやすい仕組みです。
成功のカギは、「誰が始めるか」ではなく、「どんな想いで何を実現したいのか」を丁寧に伝えること。共感を得る発信をしていけば、個人でも支援の輪を広げていけます。
以下の記事では、クラウドファンディングを個人で行う方法や成功事例を解説しています。
(関連)クラウドファンディングを個人で行う方法|成功事例とコツを紹介
クラファンにはどんな成功例がある?
クラウドファンディングでは、革新的な商品や飲食店の開業、映画制作、地域貢献プロジェクトまで、幅広いジャンルで成功例が見られます。
たとえば、海外の人気ボードゲームを日本に紹介した個人プロジェクトでは、SNS広告を活用して400万円超を調達。知名度や企業規模に関わらず、想いと工夫次第で成果を出しています。
以下の記事では、クラファンの成功事例を多数紹介しています。「こういう商品でも支援が集まるんだ…!」という参考になるので、ぜひ見てみてください!
(関連)【体験談】クラウドファンディングの日本の成功事例を個人・法人まとめて解説
クラウドファンディングは夢を形にする新しい選択肢!
今回は、クラウドファンディングの基本的な意味とその仕組み、5つの種類やメリット・デメリット、そして具体的な始め方まで図解で網羅的に解説しました。
「クラウドファンディングとは何か」という疑問は解消されたでしょうか?
クラウドファンディングは、一部の特別な人が使うものではありません。個人や小さなチームが「こんな未来を作りたい」という情熱を形にし、それに共感した人々が応援という形で参加するための、非常に開かれた選択肢です。
もし、少しでも「やってみたい!」と感じたら、新しい挑戦に向けて第一歩を踏み出してみませんか?
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