コミケとは?
そもそもアニメや漫画に興味がなければ、「コミケ」という言葉の意味も分からない人が多いでしょう。
以下、コミケについて説明していきます。
コミケの概要
まず、コミケとは「コミックマーケット」の略です。
東京ビッグサイトで年に2回開催されているイベントです。
「ブース」と呼ばれる即席の店舗で、個人やサークルが自作の商品を売ります。
商品の大半は同人誌であり、人気作品の二次創作が目立ちます。
ただし、小説やCD、オリジナルの漫画などを販売しているブースも少なくありません。
会期は夏冬それぞれ3日間で、50万人以上を動員する巨大な催しとなりました。
アニメや漫画、ゲームのファンからすれば1年で最大の楽しみのひとつといえるでしょう。
コミケの特徴
なぜコミケが大きな注目を集めているのかというと、限定品が数多く販売されているからです。
コミケには同人作家のほか、有名企業も出店することがあります。
その際、一般のルートでは手に入れられない商品を売っている場合が多く、ファンはアンテナを張り続けています。
また、人気同人作家ともなれば、プロの漫画家に匹敵するだけのファンがついているケースも珍しくありません。
彼らはコミケに合わせて新作を発表するので、待ちかねたファンが殺到してきます。
相場より高値で販売されていても、高確率で売り切れになるでしょう。
メーカーや人気作家の新作を確実に買うため、開場するとすぐに来場者はブースに向かいます。
その結果、長蛇の列ができるのはコミケの風物詩となっています。
ただし、会場内の風紀を守る目的から、来場者にはさまざまなルールが課せられているのです。
たとえば、早く入場するため、徹夜で開場前に並ぶのは禁止です。
実際には、多くのファンが徹夜しているので取り締まり切れなくなっているものの、厳密にはルール違反だといえるでしょう。
なお、開催時期が真夏と真冬なので、会場内の気温は決して快適ではありません。
しかも、1日に10万人以上の人間が押し寄せてくる状態です。
コミケはその場にいるだけでも体力の消耗が激しく、熱射病などで倒れる人もたくさんいます。
コミケで転売の狙い目商品とは?
転売ビジネスのバイヤーにとって、コミケは重要な仕入れ先になりえます。
たとえば、人気の大手サークル商品は狙い目でしょう。
知名度が高く、固定ファンも多いので買い手がつきやすいからです。
また、メーカーがコミケ限定で販売しているレアアイテムも、押さえておきたいところです。
こうした商品はコミケが終わると再販しないケースが大半です。
つまり、プレミア価格がつきやすい傾向にあるので、仕入れておいてから値上がりを待つのもひとつのテクニックでしょう。
そして、「希少価値のある商品」も積極的に探すことが大事です。
人気作家であるにもかかわらず発行部数が少なかったり、直筆サインが書かれていたりする商品は狙い目です。
中でも、小学館の「プリマグラフィ」は「必ず利益が出る」といわれているほどのトレンド商品になります。
プリマグラフィとは特別な印刷技術を用いて美しく仕上がった版画です。
アニメの人気キャラクターなどが描かれており、鑑賞用に買いたいファンは大勢います。
コミケで仕入れを行うつもりなら、ヤフオクをチェックしておきましょう。
ヤフオクで高値取引されていたコミケ商品が分かれば、仕入れする際の基準となります。
リアルタイムのトレンド作品や人気作家を把握するうえでも役立つでしょう。
コミケ転売のコツ
人気商品をコミケで仕入れて、できるだけ高く転売するにはコツがあります。
3つのポイントを意識しながら、少しでも利益率を高められるように工夫しましょう。
コツ1:効率的に会場をまわる
コミケでは「効率性」が非常に重要です。ビッグサイトは非常に広いうえ、ブースの数も膨大です。
まったく予習をしないまま訪れても、目当ての商品がどこに売っているのか分からないままさまようことになるでしょう。
ある程度の仕入れ計画を立ててから当日を迎えるのが賢明です。
たとえば、企業ブースは初日に訪れましょう。
確かに、企業ブースの商品は3日間でラインナップが変わりません。
ただし、初日の在庫をもっとも多く割り振っているケースが多いのです。
2日目以降は手に入れにくくなるので、なるべく早く回りましょう。
次に、同人ブースは全日程の顔ぶれを調べておくべきです。
なぜなら、同人ブースは毎日顔ぶれが変わるからです。
人気サークルを後回しにしてしまうと、もう仕入れは行えません。
ブースごとの特徴を踏まえながら、コミケの公式サイトで仕入れたい商品を想定しておくと当日の動きもスムーズになるでしょう。
そして、仕入れの順番をおおまかに決めておきます。
あまりにも細かく決めると柔軟に対応できなくなるものの、仕入れのイメージは具体的に持っておきましょう。
ブースの配置や列の込み具合、限定商品が売り切れるまでの時間などをシミュレーションして予定を組みます。
会場についてから向かうべき場所がはっきりしていれば、無駄な時間を費やさずに仕入れを進められます。
コツ2:サークルチケットを活用する
コミケ転売ではサークルチケットを有効活用しましょう。
サークルチケットとはコミケ内での通行許可証です。出店者としてコミケに参加する人のみに発行されます。
出店者はブースの準備や商品の搬入などで一般参加者よりも早く会場入りしなくてはいけません。
そのため、特別にサークルチケットをもらえる仕組みになっています。
サークルチケットを見せれば、会場前で長時間並ばなくても、開場を待たずに現場へと足を踏み入れられます。
サークルチケットがあれば開場の瞬間には場内にいるので、人気サークルのブースにも直行できるでしょう。
長蛇の列ができる前に、すぐ目当ての商品を購入可能です。
希少性の高い商品も余裕を持って手に入れられます。
そのかわり、サークルチケットは出店をしないと発行されないので、誰でももらえる代物ではありません。
コミケ側に出店者として申請し、審査や抽選を通過する必要が出てきます。
ネットを見ると、サークルチケットが転売されていることもあるでしょう。
しかし、チケットの転売は法律で禁止されています。
コミケの主催者側もはっきりと転売禁止と公表しているので、取引が見つかったら厳しく罰せられます。
たとえサークルチケットの転売を見かけたとしても、関わらないようにしましょう。
コツ3:出品は早めに行う
コミケで仕入が終わったら、なるべく早く出品しましょう。
なぜなら、コミケ転売にはライバルが多いからです。
確実に利益を得られる商品が多い場所だけに、他のバイヤーも積極的に参加しています。
先を越されて出品されてしまうと、需要が減った状態から買い手を募らなくてはいけません。
そのため、コミケから時間が経てば経つほど転売するのは難しくなるでしょう。
そもそも、出品数が多くなると希少価値がなくなるので、相場も下がっていきます。
高値で売りたかった商品さえ、値下げをしないと買い手がつきません。
その結果、苦労して仕入れた商品をマイナス収支で売らなくてはいけない羽目になるのです。
一方、すぐに出品をすれば市場にほとんどライバルはいません。
買い手からすれば他に選択肢がないので、多少高値でも受け入れるしかないでしょう。
コミケの直後には、会場に行けなかったファンの購買意欲も高まっています。
上手く宣伝をすれば、利益率を高めることも難しくはありません。
商品によっては、コミケ転売は一刻を争います。
会場から帰宅するまでの間に商品価値が下がってしまうケースすらありえます。
仕入れが終わっても気を抜かず、帰りの移動中などで出品をするのが安全でしょう。
コミケで仕入れての転売は違法になる?
転売で気をつけなくてはいけないのは、法律に触れる行為をしないことです。
コミケ転売でも注意点を守って合法的にビジネスを進めましょう。
コミケ転売の違法性
まず、大原則として転売行為そのものは違法になりません。
商品を仕入れて、利益を乗せて販売すること自体はごく当たり前のビジネスだからです。
そのため、転売を禁止する法律もありません。
コミケで仕入れた商品も基本的には堂々と転売できます。
ただし、条件によっては違法となるケースもあるので気をつけましょう。
代表例は、「中古品を仕入れたケース」です。
自分でコミケに行き、仕入れた商品を転売するのは合法的なビジネスです。
しかし、ネットや古本屋で購入した中古品を転売すると違法になることがあります。
バイヤーが違法行為を働けば、買い手からの信用も失墜するでしょう。
何より、刑罰が下されて社会生活で大きな損害を受けます。
無許可で中古品を転売すると古物営業法違反に該当し、3年以下の懲役か100万円以下の罰金が科せられてしまいます。
もちろん、中古品を購入したからといって必ずしも転売目的だったとは限りません。判断が難しいケースもあります。
たとえば、コミケに行った友人から、新品を安くゆずってもらったなどの場合は一概に仕入れと言い切れないでしょう。
それでも、法律に照らし合わせれば裁かれてしまう可能性が出てきます。
コミケ転売をするなら、法律上の問題をクリアできるよう準備を進めましょう。
コミケ転売で必要となる許可とは?
中古品ほか、コミケの商品を問題なく転売するためには古物商許可証を取得しましょう。
古物商許可とは、中古品を転売目的で仕入れるために必要なライセンスです。
バイヤーの中には「コミケで新品しか仕入れていないから、古物商許可はいらない」と考えている人もいるでしょう。
しかし、それでは仕入れの幅が狭まってしまいます。
コミケ以外の場所で仕入を行うためには、古物商許可があると便利でしょう。
また、「古物」の解釈によっては、コミケで購入した商品の転売も合法だと言い切れません。
問屋から直接仕入れた商品なら間違いなく新品です。
ただ、コミケのブースやグッズ売り場で仕入れて、未開封の商品は「新古品」と呼ばれます。
大きくは古物に分類されるので、取り扱うには古物商許可証を求められるケースも出てきます。
古物の定義は曖昧な部分もあるので、安全にビジネスを続けるには許可証を取得しておきましょう。
転売がとがめられたとき、「悪意はなかったと説明すれば分かってもらえる」との考え方もあります。
しかし、古物を転売目的で仕入れたかどうかは、あくまで警察が判断します。
バイヤー本人の意見を聞き入れてもらえるとは限りません。
最初から許可証を持って、警察から目をつけられる要素をなくしておきましょう。
古物商許可証の取得方法
実際に古物商許可証を申請するときは「別記様式第1号その1(ア)」などの書類を手に入れしましょう。
警察庁のホームページからダウンロードできるほか、最寄りの警察署でもらうことも可能です。
また、警察署から「略歴書」と「誓約書」を受け取ります。
そして、市役所や役場で、「住民票のコピー」と「身分証明書」を発行してもらいましょう。
許可証を申請するうえで、個人情報は欠かせないポイントだからです。
それから、法務局に連絡を取ります。
成年後見等の「登記されていないことの証明書」を出してもらうためです。
このやりとりは郵送になってもかまいません。
オフィスがある人は「営業所の賃貸借契約書もしくは使用承諾書」の写しも準備しましょう。
実体のないビジネスには許可証を出してもらえません。
これらの書類が揃ったら必要事項を記入し、警察署に提出します。
その際、申請料1万9000円も支払います。
後は、許可を取得できるまで待ちましょう。
内容に不備がなければ、30~50日ほどで審査が終わり、許可証を渡されます。
許可証が届けば、古物を取り扱っても違法になりません。
ただし、必ず許可が出るとは限らないので注意しましょう。
記入漏れや書類の欠如はもちろん、ビジネスに不審点があると許可が出ないこともあります。
そうならないよう、申請は正しい手順で行いましょう。
コミケでプレミア商品を狙おう!
人気作家や有名メーカーが集うコミケは、転売ビジネスの狙いどころでもあります。
需要に対して供給量が少ない商品は高確率でプレミア化するので、早く仕入れられるよう工夫をしましょう。
また、違法にならないよう安全にも気を配らなければいけません。
必要に応じて古物商許可証を取得するなどして、健全なビジネスを行いましょう。