任天堂で転売対策されるようになった背景
任天堂の商品は、人気で売り切れてしまうケースが多々あり、そのような状況から各社がさまざまな転売対策をしています。
ここでは、なぜそのような転売対策がされるようになったのか、その背景について解説します。
ニンテンドースイッチの買い占め
任天堂の商品が転売対策されるようになったのは、2017年に発売されたニンテンドースイッチの買い占め騒動の影響が大きくあります。
ニンテンドースイッチは、初回に200万台生産されたのですが、製造が需要に間に合わず、店舗とインターネット通販のどちらでも売り切れてしまったという問題がありました。
購入希望者が続出しているのにも関わらず商品がそろわず、ニンテンドースイッチを求める人が店舗に行列をつくったり、販売されると公式通販サイトがサーバー落ちしたりすることもありました。
この品薄問題の原因の一つが、転売ヤーによる買い占めです。
転売ヤーとは、「入手困難なプレミア化している」「プレミア化しそうな商品」を転売目的で買い占め、定価よりも高値で販売する人たちのことをいいます。
ニンテンドースイッチは、発売以降次々と人気ソフトが発売され、需要が高まっていました。
「予約をしなかったけれど欲しい」という人が続出しているのにも関わらず、転売ヤーによって商品が買い占められていてどの店舗や通販サイトでも売り切れです。
今すぐ欲しい人は、転売ヤーによりつり上げられた価格で購入するしかない状態で、転売ヤーは大勢の消費者から反感をかいました。
結果として、商品を買い占めして転売するという行為が社会問題にまでなったのです。
この問題は、ニンテンドースイッチを販売する各会社にも言及され、販売店も転売対策せざるを得ない状況となりました。
転売ヤーはどのようにニンテンドースイッチを買い占めたのか?
ニンテンドースイッチが品薄だったとき、店舗には売られていないし、売られていても抽選でわずか数%の当選確率でした。
インターネット通販でも常に売り切れ状態で、たまに販売されていても、わずか数十秒で販売終了となることも珍しくありません。
欲しくても手に入らない人が続出していて、「どうやってニンテンドースイッチを手に入れるのかわからない」という人も多かったのではないでしょうか。
そのような状況のなかで、転売ヤーは商品を入手し高額で転売していました。
転売ヤーがニンテンドースイッチを買い占められたのには、いくつかの理由があります。
それは、「自動購入ツールの導入」「チェーン店から個人経営の店まで網羅して予約する」「1人1台のお店で複数台購入」「店員の買収」などです。
一般客よりも数十倍速い速度で購入できる自動購入ツールがあれば、通販サイトに商品が出た瞬間に購入することができます。
これを利用されて購入されると、一般客がサイトを見るころにはすでに売り切れていることがほとんどでしょう。
たくさんのニンテンドースイッチを確保するためには、チェーン点や個人経営のお店など、いろいろなお店に入荷日を確認したり予約したりします。
幅広いお店に挑戦することにより、購入できる確率を上げることが可能です。
ポイントカードを大量作成したり、店員が交代したタイミングで2台目、3台目を買ったりといった方法もあります。
これにより、1人1台しか買えないお店から複数台から購入可能です。
本来予約できないお店の店員を買収し、予約可能にしてしまう方法もあります。
このようにして転売ヤーは、入手困難なニンテンドースイッチを買い占めてきました。
ニンテンドースイッチから転売ヤーが得られた利益
転売ヤーは、定価の倍近くの価格で転売したため、1台転売するだけで多くの利益を得ました。
すでに使用歴のある中古品の場合でも定価近くの価格で転売できるケースもあり、新品中古を問わずに利益が出しやすい商品であったのが、ニンテンドースイッチです。
しかし、そんなニンテンドースイッチも買えば必ず利益が出るわけではありません。
ニンテンドースイッチの需要は、販売されるソフトの人気によって上下することもあります。
そのため、人気がないソフトが販売されるときは、転売しても赤字になることもありました。
人気のビッグタイトルのソフトが発売されるときには、1万円以上の利益が得られるケースもあります。
ニンテンドースイッチに対する転売対策
ニンテンドースイッチは、転売により大きな利益が出やすかったので転売ヤーによる買い占めが問題となりました。
本当に欲しい人の手にニンテンドースイッチが渡らなかったので、消費者の不満は高まります。
なかには、モラルに反するようなやり方で買い占めるケースもあり、何台も買い占める転売ヤーに対する不満が販売店のほうにも多く寄せられている状況でした。
そこで、さまざまなニンテンドースイッチ販売店が「転売ヤーに買い占められないように」「本当に欲しい人の手に渡りやすいように」と、さまざまな対策をしたのです。
GEOでは、抽選による販売をやめ「じゃんけん大会」を導入しました。
これにより、大人が大勢で参加しにくくなるうえに、何度も並んで抽選券をもらうことができなくなります。
子供に優しい転売対策です。
ヨドバシカメラでは、一時期誰もが予約できる「無制限予約」を導入しました。
結局、予約は終了してしまったのですが、いつかは買うことができるという安心感があります。
そのほか、大手家電販売店ではポイントカードに購入履歴が残り、プレミア商品が1点ずつしか買えないようにしました。
任天堂が行った対策は、ニンテンドースイッチを大量増産のニュースを発表し、いつごろなら購入できるのかをわかりやすくこまめに知らせるということです。
これにより、消費者の「今すぐ購入しないと買えなくなるかもしれない」という不安な気持ちを解消につながりました。
転売が違法になるケースとは?
一般人に、多くの反感を買ったニンテンドースイッチの転売ですが、通常の任天堂スイッチを転売することは違法ではありません。
ニンテンドースイッチの転売が違法となるケースは、ニンテンドースイッチにウィルスなどのデジタルコンテンツを故意に入れて、第三者に販売するというものです。
また、ニンテンドースイッチに似せた偽物の販売や、ニンテンドースイッチを利用した個人的なハッキングも違法となります。
つまり、ニンテンドースイッチに何か手を加えたり、偽物をだまして売ることは違法です。
モラルに反する方法で購入したニンテンドースイッチを転売したり、定価よりも高い金額で転売しても犯罪にはなりません。
ニンテンドースイッチを転売するメリットとデメリット
ニンテンドースイッチの転売に興味を持つ方もたくさんいるかもしれません。
ここでは、ニンテンドースイッチを転売するメリットとデメリットについて解説します。
ニンテンドースイッチを転売するメリット
ニンテンドースイッチを転売するメリットは、利益をだせる可能性があるというところにあります。
ニンテンドースイッチは、新品であれば定価よりも大幅に価格が下がるということはほとんどありません。
楽天のお買い物セールやスーパーセールを利用して仕入れれば、通常よりも安く買えたり、ポイントバックがあったりします。
そのため、転売しても利益を得られやすい傾向です。
また、人気ソフトの販売のときなど、ニンテンドースイッチの需要が高まっていれば、定価の倍近くで販売できるときもあります。
そのため、利益は2万~3万円にもおよび、1回の転売の利益としてはかなり大きなものとなるでしょう。
ニンテンドースイッチは、抽選で漏れてしまい買えなかった人や、地方で購入できる店舗が少ない人からの需要があります。
そういった需要があれば、転売成功しやすいです。
また、本物のニンテンドースイッチをまったく手を加えずに転売することは違法ではありません。
逮捕されるようなことにはなりませんので、安心して転売を行うことができます。
ニンテンドースイッチを転売するデメリット
ニンテンドースイッチを転売するデメリットは、「失敗してしまう可能性もある」ということです。
ニンテンドースイッチの品薄騒動などから、転売ヤーへの不満が高まっており、「転売されたニンテンドースイッチは買いたくない」という人が多くいます。
また、ニンテンドースイッチの空箱を本体込みのように思わせて売る詐欺まがいな転売が横行があったため、さらに転売ヤーから購入されにくい状況です。
任天堂からの生産も需要に間に合うようになってきてもいるので、市場では飽和状態にもなっています。
さらに、スプラトゥーン2以降は人気が高いソフトが販売されていません。
そのため、ニンテンドースイッチの価格は定価から大きく下がることはないですが、低下傾向です。
人気のビッグタイトルが発売されない限り、需要が供給を上回ることは難しいかもしれません。
そういった背景をふまえると、ニンテンドースイッチは大量に転売して利益をだす薄利多売方式で利益をだすことは難しいといえるでしょう。
なぜなら、ニンテンドースイッチは、品薄問題があったため、大量に仕入れることは社会的にたたかれやすいからです。
こういったデメリットをよく把握してからニンテンドースイッチの転売をするのかどうかを決めるようにしましょう。
ニンテンドースイッチを転売するときのコツ
需要が落ちついてしまったり、転売ヤーへのあたりが強かったりするので、ニンテンドースイッチの転売は難しいかもしれません。
しかし、ニンテンドースイッチを上手に転売するにはコツがあります。
ここでは、ニンテンドースイッチを転売するときのコツを説明していきます。
ニンテンドースイッチを仕入れるときのポイント
ニンテンドースイッチを仕入れるポイントは、家電量販店やゲーム専門店、おもちゃ屋よりもイオンなどの大型スーパーがねらい目です。
ゲームを買うとき、イオンなどのスーパーに行く人は、他の店舗にくらべると少ない傾向にあります。
また、こまめに行ける場所であれば、買い物ついでに在庫チェックもできますし、急な販売にも対応できるかもしれません。
また、気を付けなければならないのは仕入れにかかる時間です。
仕入れる時間がかかりすぎると、利益が出ても時給換算すると目標よりも少なくなってしまう可能性があります。
そのため、仕入れは極力時間がかからないように工夫しましょう。
並んで抽選券をもらい、抽選結果を見に行かなければならないような抽選方式の販売所での購入は、かなり時間がかかるのでおすすめできません。
GEOで行われた「じゃんけん大会」も同様です。
そういった場所での仕入れは時間がかかるうえに、結局外れて購入できないことがあるため、時間のロスは避けるようにしましょう。
電話で在庫を確保したり、インターネット通販を活用したりと、短時間での仕入れを目指すことが仕入れのポイントです。
ニンテンドースイッチは、発売されるソフトによっても需要が変わってきます。
公式サイトやツイッターなどをこまめにチェックし、「盛り上がっているソフトはどれなのか」「いつ販売されるのか」などをよく調べておきましょう。
そういったソフトが販売されるときは、発売前にニンテンドースイッチを仕入れておいたほうがいいかもしれません。
ニンテンドースイッチを転売するときのポイント
ニンテンドースイッチをなるべく高値で販売するためのポイントは、手数料やプレミア商品の転売、セット売りです。
Amazonでは、ゲーム機本体の販売手数料は8%で他の手数料と比較すると安くなっているため、利益が得られやすいでしょう。
また、ニンテンドースイッチは、販売ソフトとコラボレーションした限定デザインが販売させることがあります。
こういった限定品は、生産が終了するとプレミアがついて価格が上昇するかもしれません。
そのため、積極的に限定商品を転売するというのも手です。
通常デザインのニンテンドースイッチでしたら、保護フィルムや追加コントローラーなどとのセット売りもおすすめです。
ニンテンドースイッチ本体以外の商品も一緒に売れますし、本体だけで売るよりも利益が上げやすくなります。
リスクを理解したうえでニンテンドースイッチを転売してみよう
ニンテンドースイッチを転売するときには、どのようなデメリットがあるのかをしっかりと把握することが大切です。
ニンテンドースイッチは、どのようなソフトが販売されるのかによって需要が変わるなど、転売について多くの情報を得る必要があります。
ニンテンドースイッチの転売を検討したり迷っていたりする方は、さまざまな情報が得られる物販総合研究所へメールアドレスの登録をしてみてはいかがでしょうか。