白ロムの転売は違法?逮捕に繋がる?
白ロムの転売が違法になるかどうかは、「携帯電話不正利用防止法」という法律に関わるかどうかで決まります。
「携帯電話不正利用防止法」は、自己名義の携帯電話やSIMカードを携帯電話会社に無断で譲渡することや譲り受けることを禁じている法律です。
つまり、契約がなされていて電話・通信回線が使える状態の携帯電話を携帯電話会社に断りなく第三者に有償で譲渡する行為は違法になるのです。
白ロムはSIMカードが入っておらず、通信・電話回線が利用できない状態の端末なので、「携帯電話不正利用防止法」に抵触しません。
白ロムを販売することそのものは違法ではないのです。
携帯電話不正利用防止法にはかからないが古物商許可証が必要な場合も
白ロムの販売自体は、法律的に問題なく行えます。
しかし「中古品の白ロム」を仕入れて販売することを業務として行う場合には、古物商の免許が必要です。
自分が利用するために白ロムを買って、何らかの事情ですぐに売りに出すというケースは違法行為にはあたりません。
問題は、転売が中古品を扱う事業なのかどうかという点にあります。
中古白ロムの転売を事業として行う予定の人は、あらかじめ古物商の免許を取得しておきましょう。
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携帯乞食はグレー行為
携帯電話会社が展開している新規キャッシュバックキャンペーンなどを利用して携帯電話を転売する、いわゆる「携帯乞食」も要注意です。
携帯電話会社との契約で利用目的を偽って申告すると詐欺にあたります。
携帯電話の契約をすぐに解除して白ロムとして販売しても、ただちに「携帯電話不正利用防止法」には抵触しませんが、転売目的だということを隠して契約をすることは違法です。
そもそも携帯電話会社が新規キャッシュバックキャンペーンを展開する理由は、長く利用してくれる新規ユーザーを獲得することにあります。
携帯電話会社にとって、キャンペーンを利用して端末を購入した人がすぐに解約して端末を転売するのは愉快なことではありません。
要注意人物だとみなされると携帯電話会社のブラックリストに載ってしまう可能性も高まります。
また、キャッシュバックキャンペーンの資金は事実上既存ユーザーが支払っているお金でまかなわれていると考えて良いでしょう。
新規に端末を購入するユーザーにのみ恩恵を与えて、既存のユーザーに不利益をもたらしていることになり、不公平だと指摘されています。
そのため、新規キャッシュバックキャンペーンを大々的に展開することが難しくなってきているのです。
白ロムの規制が厳しくなってきていることもあり、今後の動向を注視する必要があるでしょう。
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白ロム転売の始め方
白ロム転売の主な流れは、
- リサーチ
- 仕入れ
- 商品チェック
- 出品
- 売上
- 発送
となります。
特に仕入れ前のリサーチは、非常に重要です。
白ロム転売を始めたばかりの頃は、1つのミスが大きな資金のロスにつながりかねません。
市場の動向や人気商品をしっかりリサーチして、ニーズのある機種を見極めてなるべく安値で仕入れる努力が必要です。
人気が高いものほど価格も上がり、競争率も高くなりがちです。あえて中価格帯の人気商品にターゲットを絞ってリサーチしてみるのも1つの方法でしょう。
仕入れにあたっては、それを販売している人や業者の評判・口コミを必ず確認することが大切です。
ネットでは、その白ロムが犯罪に関係するものなのかどうかを判断するのが難しくなりがちです。
新規出品者のなかには犯罪に関係する人も少なくないため、出品履歴を調べて信用できる人から安全な商品を購入しましょう。
品物の状態や付属品の有無、赤ロムでないかどうかについても確認しておく必要があります。
ネット取引では実物を見られないだけでなく、状態などがきちんと記載されていないケースも珍しくありません。不明な点が出てきたら放置せず、質問するなどしてしっかり把握することが大切です。
質問をすると履歴が残るので、トラブルに巻き込まれたときに自分の身を守るのに役立ちます。
白ロムが届いたら、すみやかに動作確認をしましょう。
電源や音量ボタンなどが正常に動作するかどうかや充電ができるかどうか、バッテリーの減り具合や時計・GPS機能についてもしっかりチェックしておきます。
次に、利益が出る価格を設定して出品します。
売れたらすみやかに発送しましょう。品物に汚れがあれば事前に清拭して梱包にも気を配ります。
出品者としての評価が上がる丁寧な対応を心がけましょう。
白ロムの仕入れ先
白ロムを仕入れられる場所は複数あり、ネットと実店舗の両方が使えます。
白ロム転売初心者にとってリサイクルショップや家電量販店などの実店舗に足を運んでリサーチをするのは良い方法です。
実物を見比べたりショップスタッフの話を聞いたりできるので、自分の経験値を上げるのに役立つでしょう。
同じチェーン点でも仕入れやすい店舗とそうでない店舗があるため、自分にあった店舗を探して歩いてみるのも良いかもしれません。
ネットを使うと時間と手間を最小限にしながら仕入れができます。
ネットで仕入れてネットで販売できるので効率的です。
仕入れ場所としては、通販サイトや白ロムを販売しているネットショップ、フリマアプリやネットオークションサイトなどが候補になってくるでしょう。
メルマガなどでお得な情報を発信しているケースもあるので、利用してみるのも良い方法です。
ただし、フリマアプリは基本的に個人での利用を前提にしており、事業者の利用を禁じています。
さまざまな仕入れ方法のなかから、安全で自分に合った選択肢を選ぶことが大切です。
(関連)スマホ転売の仕入れ先4選|携帯転売のやり方とあわせて知りたい注意点!
白ロム・黒ロム・赤ロムの違い
白ロムとは?
白ロムとは、SIMカードが入っていない端末のことです。
SIMカードには電話番号や契約者情報などが書き込まれています。
これが外されている端末は電話・通信回線の契約対象ではないため、携帯電話会社が提供するプランを利用できません。
ただし、Wi-Fi環境があればインターネットを使うこと自体はできます。
白ロムを使って携帯電話会社が提供する通信・通話プランを利用するためには、別途SIMカードを用意して白ロムに装着する必要があります。
白ロムを中古端末ショップや家電量販店、オークションサイトやフリマアプリなどから購入して、携帯電話会社のSIMカードのみのプランを利用する流れになるでしょう。
SIMカードプランには携帯端末の代金が含まれないので、端末さえ手元にあれば非常にお得に利用できるのです。
携帯キャリアの料金プランについては総務省主導で見直しが進み、端末代金と通信料の分離が義務化されました。
端末本体の代金と通信・通話プランの料金が別々に発生するようになり、端末代金で大幅な割引ができなくなるのです。
これまでは、携帯電話を長く使ってもらうために携帯電話会社のほとんどが端末代金を安く提供していました。
この見直しによって、iPhoneなどの高額なハイエンドモデルを利用できる人が限られてくるかもしれません。
一方、中古の白ロムであれば格安で端末を購入できる可能性があり、これまで端末を新品でしか買わなかったような人々の関心をも集めているのです。
白ロム以外に、黒ロムや赤ロムというものもあります。
黒ロムとは?
黒ロムとは携帯電話や契約情報が書き込まれたSIMカードがそのまま装着された端末のことです。
SIMカードから個人情報が流出するリスクがあるため、扱いには注意しなくてはなりません。
赤ロムとは?
赤ロムとは、何らかの理由によって携帯電話会社による通信制限がかかっていて通信・通話ができない端末のことを指します。
赤ロムのほとんどは、端末の契約者が分割で端末を購入したのちに滞納するなどして代金が完済されていない端末です。
料金が支払われないために機能に制限がかかってしまっている状態といって良いでしょう。
端末の所有者が紛失・盗難に遭い、この事実を携帯電話会社に連絡して利用停止措置が取られたケースも含まれます。
スマホ転売のメリットとは?
現代人にとってスマホは、なくてはならないものになっています。
白ロム転売が注目されている理由の一つに市場規模の大きさがあるでしょう。
携帯キャリア料金の完全分離が進むなか注目度が上がっている点も見逃せません。
転売で最も避けたいことは仕入れたものが売れずに在庫を抱えてしまうことです。
ニーズが高く売れ残りリスクが小さいスマホ転売は、転売初心者が始めやすいジャンルといえるでしょう。
携帯電話はサイズが小さく1つ1つが高価なものなので、1つ売れたときの利益が大きいのが特徴です。
そのため、転売に適しているのです。日本人に人気のiPhoneでは10万円を超えるような機種も少なくありません。
こういった機種を安く仕入れられれば1つの取引で数万円の利益が出る可能性があるのです。
(関連)iPhoneせどりで稼ごう!仕入れのやり方&中古iPhoneの選び方
スマホを売買する危険性&注意点
スマホを売買する上で知っておきたい、いくつかの危険性・注意点があります。
失敗する前に、どのような危険性があるのか確認しておきましょう。
資金が必要
白ロム転売の最大のデメリットは、白ロムを購入するための資金が必要だという点にあるでしょう。
当然ながら人気が高い白ロムは高額になりがちで、仕入れに多くのお金がかかります。
1個あたりの購入代金が高いために、資金が少ない人では1度に多くの白ロムを仕入れることができません。
運転資金がたまるまでは、少しずつ仕入れて少しずつ転売していくことになるでしょう。
詐欺や犯罪に巻き込まれる危険性もある
詐欺や犯罪などに巻き込まれてしまう可能性がある点にも十分に注意しなくてはなりません。
「すぐにお金がもらえる」などと謳ってアルバイトを探している白ロム転売業者も存在します。
たとえば、「料金は払わなくていいので携帯電話を契約して端末を持ってきて」というようなケースです。
報酬につられて、アルバイト感覚でこのような犯罪に加担してしまう人は決して少なくありません。
このような業者から白ロムを購入すると加害者になってしまうおそれも出てきます。
犯罪に加担したとみなされると逮捕される事態にもなりかねません。
白ロム転売のポイント
最後に、白ロム転売での注意点をまとめて紹介します。
白ロムの仕入れでは、できるだけ携帯電話会社との契約を避けることが大切です。短期間に携帯電話会社との契約やMNP、解約を繰り返すと、契約自体ができなくなってしまうおそれも出てきます。
携帯電話の契約ができないと日々の生活にも支障が出てしまうでしょう。
携帯電話会社のなかには、他社からの乗り換えで発生する違約金を負担するサービスを提供しているところも少なくありません。
これまでの白ロム転売では、たとえ違約金がかかったとしても違約金負担サービスや多額の新規キャッシュバックキャンペーンを利用すれば十分に元が取れました。
ところが、政府は携帯電話の解約に伴う違約金を将来的に低額に抑える方針を打ち出しており、多額の新規キャッシュバックキャンペーンにも監視の目を光らせています。
携帯電話を取り巻く状況は刻々と変化しているのです。
転売でかせぐためには常に最新の情報が得られるようにアンテナを張っておくことも重要です。
携帯電話の機種には特有のエラーが起きやすいものがある点にも注意しましょう。
白ロムが売れても不具合が発生して返品されてしまうと利益が出ません。
仕入れや取引で発生した費用がそのまま赤字になってしまうのです。
仕入れをするまえに、その機種で不具合が発生していないかどうか状況をリサーチしてから購入することが大切です。
端末が赤ロムだという可能性についても検討しましょう。
赤ロムは通信制限がかかった端末なのでWi-Fi環境があればインターネットは使えますが、販売できたとしても高くは売れません。
特定の端末が赤ロムなのかどうかについては、携帯電話会社のサイトで製造番号を「ネットワーク利用制限」にかければ調べることが可能です。
製造番号は、iPhoneなら端末の裏面に刻印されています。またiPhone・Androidともに設定画面で確認できます。
赤ロムの判定は、「○」「△」「×」のいずれかになり、「○」であれば問題なく使えます。
「△」とは、端末代金が完済されていない状態(分割金支払い中)という意味です。
将来的に未納が発生すると通信制限がかかる可能性があることを示しています。
「×」はすでにネットワーク利用制限がかかっている端末なので、購入を避けなくてはなりません。
携帯の転売は注意点をしっかりおさえよう
白ロム転売は、非常に需要のある分野です。
関心がある人も多いのではないでしょうか。
白ロムを販売することそのものは違法ではありませんが、注意すべき点も少なくありません。
白ロム転売を始めるにあたっては、古物商の資格が必要になるケースや犯罪に巻き込まれる可能性についても把握しておくことが大切です。
リスクをしっかり理解して安全にビジネスを始めましょう。