AmazonのFBA料金シミュレーターとは?
FBA料金シミュレーターは、Amazonでの出品にかかる手数料や、最終的に残る利益を計算してくれる公式ツールです。
FBA(フルフィルメント by Amazon)といえば、商品の保管から注文処理・梱包・発送・カスタマーサービスまでまとめてAmazonが代行してくれる便利なサービス。
ただ、手数料が複雑でわかりづらく、仕入れ時に利益を予測したくても「結局手数料はいくらかかるの?」と思うことが多いですよね。
そこで活用したいのが、FBA料金シミュレーターです。
FBAのサービス内容については、以下の記事で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。
(関連)【初心者でもわかる】Amazon FBAとは?仕組みとメリットをやさしく解説
FBA料金シミュレーターの基本情報
初めてFBAシミュレーターを使う場合、以下のような基本情報を知っておくとよいでしょう。
これらの基本情報について解説していきます。
FBA料金シミュレーターはどこにある?アクセス方法(PC・スマホ)
FBA料金シミュレーターは、「Amazonセラーセントラル」からアクセスできます。
セラーセントラルは、スマホやPCのブラウザから表示できますが、データが細かいのでスマホよりPCのほうが見やすいでしょう。
スマホアプリでFBA料金シミュレーターを見たい場合は、「Amazon Seller」アプリを使います。
ただ、スマホでFBA料金シミュレーターを使うシーンは、店舗せどりをしているときだと思います。その場合は、後ほど紹介する別のアプリを使うことをおすすめします。
FBA料金シミュレーターの主な機能と計算できること
FBA料金シミュレーターでは、おもに以下の4つの情報を確認することが可能です。
- Amazon手数料(販売手数料)
- FBA手数料
- 純利益
- 利益率
FBAを利用する場合と自己発送の場合の両方のパターンでシミュレーションできるので、どちらの発送方法にするか迷ったときの比較にも便利です。
具体的な使い方は、後ほど画像つきで紹介します。
ログインは必要?無料で使える?
FBA料金シミュレーターは、セラーアカウントがなくても無料でゲスト利用が可能です。ログインも費用も必要ないので、だれでも手数料や利益の計算ができます。
ただし、アカウントを取得してからログインした状態で使用すれば、自分の出品している商品情報をもとにしてシミュレーションできます。ゲストで利用するよりリアルな数字が算出できるのがメリットです。
【体験】FBA料金シミュレーターを見てみよう!
ここでは「FBA料金シミュレーターがどのような感じなのか見たい!」という方向けに、簡単にイメージを紹介します。
詳しい操作方法は、そのあと解説しますので、ご安心ください!
まずは、以下のページからFBA料金シミュレーターのページにアクセスしてみましょう。
すると、下の画像のようにポップアップが表示されるので、アカウントを持っている人は「セラーセントラルにサインインします」、アカウントを持っていない人は「ゲストとして続ける」をタップすればOKです。
下の画像が、料金のシミュレーション画面です。左側がFBAを使って出品した場合、右側が自己発送した場合の計算結果になっています。
必要な項目を入力するだけで手数料や利益が算出でき、見た目もスッキリしているので、使いやすいですよ!
【実践】FBA料金シミュレーターの使い方ステップガイド
ここからは、FBA料金シミュレーターの使い方の流れを見ていきましょう。初めてFBA料金シミュレーターを使う人でもわかるように、手順を画像つきで解説していきます。
また、以下の動画では、この記事の著者である朝野がFBA料金シミュレーターの使い方を実演解説していますので、あわせてご覧ください。
入力画面の各項目について
はじめに、AmazonセラーセントラルからFBA料金シミュレーターを開いておきましょう。
おもな入力項目は以下の4つです。
- ASIN
- 販売価格
- 配送料
- 商品原価(仕入れ値)
それぞれ、操作方法を解説します。
1. 検索窓
今回は、下の画像にあるデロンギのヒーターを例に、シミュレーションをしてみましょう。
まず、FBA料金シミュレーターの「Amazonカタログを検索」タブを選択して、検索窓に商品のASINを入力します。
Amazonでは、出品されている商品をASINというコードを使って管理しています。
検索窓に入力するものは商品名やキーワードでもいいですが、商品が絞れず候補が大量に表示されてしまう場合があります。出品したい商品と同じ商品を探すときに手間がかかるので、基本的にはASINを入力してください。
ASINはAmazonの商品ページにある、「商品の情報」のところで確認できます。
2. 販売価格の入力
該当する商品がヒットしたら、最初に販売価格を入力します。
下の画像のように「Amazonから出荷」と「出品者出荷」それぞれの「商品価格」欄に金額を入力すると、両者を比較することが可能です。
「商品価格」(販売価格)にはすでに金額が入っている場合がありますが、空欄の場合は現在カートを持っている商品の価格を入力してください。
3. 配送料の入力
FBAを利用して発送する場合、Amazonの倉庫に商品を納品するときに送料がかかります。ここでは、その金額を入力しましょう。
Amazon倉庫への納品時は、100~160サイズで送るケースが多くなります。今回の商品は、だいたい140サイズなので、800円程度です。
ここで、「140サイズで800円は安すぎない?」と思った方は、送料の感覚が鋭いですね。
実はAmazonには、出品者向けの配送サービス「FBAパートナーキャリア」というものがあります。このサービスを利用すると格安の料金で発送できるので、ぜひ活用してください。
なお、自己発送する場合には、購入者に発送する際の送料を商品のサイズから予測して入力しましょう。
4. 商品原価(仕入れ値)の入力
次に、商品の仕入れ金額を「販売された商品の原価」欄に入力します。商品1個あたりに換算した金額を入力しましょう。
たとえば、今回のデロンギのヒーターが5万円で仕入れられるのであれば、FBAの場合と自己発送の場合の両方に同じ金額を入力することで比較が可能です。
ここまでの項目が入力できれば、基本的なシミュレーションの準備はOKです。
計算結果の見方と詳細解説
算出した金額からは、どのようなことがわかるのでしょうか。計算結果の読み解き方をそれぞれ解説していきます。
Amazon手数料の内訳
Amazonに出品する場合には、以下の手数料がかかります。FBAと自己発送のどちらを利用してもAmazon手数料は同じ金額です。
FBA | 自己発送 | |
---|---|---|
販売手数料 | 5%~15%ほど(※) | 5%~15%ほど(※) |
基本成約料 (小口プランのみ) |
売れるごとに100円(税別) | 売れるごとに100円(税別) |
カテゴリー別成約料 (メディア商品のみ) |
140円/1点 | 140円/1点 |
(※)カテゴリーごとに異なります。
小口プランの場合や、本・DVDなどのメディア商品を扱う場合は、販売手数料とは別に手数料が発生する点に注意が必要です。
デロンギのヒーターは「ホーム&キッチン家電」に分類されるため、750円を超える販売価格に対しては10%の販売手数料がかかります。
下の画像は小口出品の設定になっているので「基本成約料」の100円が加算されていますが、大口出品の場合はかかりません。また、メディア商品ではないため、カテゴリー別成約料も0円になっています。
合計すると、販売手数料は7,100円ですね。
FBA手数料の内訳
Amazon FBAを使って発送などを代行してもらう場合は、FBA手数料も発生します。おもな手数料は、配送代行手数料と在庫保管手数料です。
自己発送する場合、購入者へ届けるための送料は必要ですが、FBAに関する手数料はかかりません。
FBA | 自己発送 | |
---|---|---|
配送代行手数料 (FBA出荷費用) |
|
0円 |
在庫保管手数料 |
|
0円 |
FBAの手数料は複雑なので、FBA料金シミュレーターで確認しましょう。
たとえば今回のヒーターの場合、配送代行手数料は1,020円、在庫保管手数料は158円(月額)であることがわかります(自動算出)。
なお、在庫保管手数料は日割り計算されるため、Amazon倉庫に納品したあとは、なるべく早く売り切ることが大切です。
純利益と利益率の確認
実際にFBAと自己発送の場合をシミュレーターを使って比べてみると、純利益と利益率は以下のようになりました。
FBA | 自己発送 | |
---|---|---|
純利益 | 10,920円 | 1,836円 |
利益率 | 15.60% | 16.91% |
この商品の場合、自己配送のほうが1,000円近く利益が高くなることがわかります。
ここで、「じゃあ、自己発送一択だ!」と思った方は、ちょっと待ってください。
確かに利益率は、FBAと自己発送のどちらを利用したほうがよいかの目安にはなります。けれども、利益率はあくまでも売れた場合のもので、売れなければ利益はでません。
どういうことかと言うと、仮にこの商品のライバルセラーの多くがFBA発送だとします。FBA発送と自己発送では、FBAの方がカートを取りやすいため、必然的に自己発送は売れにくくなります。
つまり、計算上は自己発送のほうが利益率が高かったとしても、実質的にはFBAを選ばないと売上にならないというケースがあるということです。
ちなみに、今回の商品のカート状況は以下の通りです。
販売元となっている「Lifeマート」さんが、現在カートを持っているセラーさんです。そして、すぐ上の「出荷元」に着目してください。もし、ここが「Amazon.co.jp」となっていたら、Amazonから出荷される = FBA出品なので自己発送は不利になります。
けれども、今回は出荷元も「Lifeマート」とあるので、自己発送のセラーさんがカートを取得しています。ということは、自己発送を選択してもOKです。
このように、算出した結果を参考にするときは、利益率の高さだけで即断するのは避けましょう。
よくある入力ミスと注意点
FBA料金シミュレーターに入力するときに、以下の2箇所の入力を間違いやすいので注意が必要です。
商品の販売数が1点なのであれば、「売上の見積り」欄の数字は、「1」と入力しましょう。たまに、30といった数字が自動で入っている場合があるので注意してください。
FBA料金シミュレーターで計算される手数料の種類
ここまで解説したように、Amazonの手数料は大きく分けると以下の2種類があります。
- 販売手数料
- FBA手数料
販売手数料は、商品が売れたときに発生するもので、FBA発送・自己発送にかかわらず、すべてのセラーにかかるコストです。手数料率は、カテゴリーごとに決められています。
FBA手数料はFBAを利用する場合にかかる費用で、販売手数料に加えて必要になります。金額は商品のサイズや価格によって決められています。
FBA手数料の内訳については、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
(関連)【初心者でもわかる】Amazon FBAとは?仕組みとメリットをやさしく解説
FBA料金シミュレーター利用時の注意点
FBA料金シミュレーターを利用するときには、以下の3点に注意しましょう。
それぞれの注意点について解説します。
シミュレーターの数値はあくまで概算
FBA料金シミュレーターを使うときには、「完璧にシミュレーションしよう」と思わないことが大切です。
算出した金額はあくまでも想定した範囲のもので、実際にはライバルセラーの状況などにより販売価格を変える場合もあります。事前に完全にシミュレートしようとしても、あまり意味はありません。
この記事で解説した項目だけは最低限入力して、算出した結果から「損益分岐点」を把握するつもりで利用しましょう。
消費税の扱いはどうなってる?(内税・外税)
FBA料金シミュレーターの計算結果には、消費税は含まれていません。
そのため、商品が売れた際、実際に発生するコストと、シミュレーターの金額に差が出る場合があります。
シミュレートの段階で税込金額を算出したい場合は、シミュレーターの結果をもとにして自分で別途消費税の計算をしましょう。
シミュレーターのバージョンや更新情報に注意
FBA料金シミュレーターは、適宜更新されています。バージョンが変わったり、手数料が改定されたりすると、シミュレーターの計算方法も更新されることがあります。
FBAシミュレーターの更新情報は、Amazonセラーセントラルでも確認が可能です。必ず最新のバージョンや最新のデータを使って、計算しましょう。
FBA料金シミュレーターの効果を上げる拡張機能&ツール
AmazonのFBA料金シミュレーターは、出品者にとって便利なツールです。けれども本当に利益を出したいならば、これだけでは不十分です。他のツールとの併用も検討してみましょう。
物販総合研究所でおすすめするのは、次の2つのツールです。
それぞれの特徴について解説していきます。
拡張機能|ショッピングリサーチャー
「ショッピングリサーチャー」はGoogleの拡張機能で、無料で利用できます。Chromeブラウザを使って検索している場合には、この機能を入れておくと以下のような点が便利です。
- Amazonの商品ページからFBA料金シミュレーターがワンクリックで開ける
- ASINがすぐに確認できる
FBA料金シミュレーターは、使うときに「どこだっけ?」と迷う人が大勢います。けれども、ショッピングリサーチャーを入れておけば、画像の①をクリックするだけで、すぐにシミュレーターが開けます。
また、商品を検索するときに必要になるASINも探すのに迷うことがありますが、この機能を入れておけば、画像の②の位置にASINが表示され、ワンクリックでコピーも可能です。
どちらも作業がぐっとラクになる機能なので、ぜひ使ってみてください!
→ショッピングリサーチャー - Chrome Web Store
スマホアプリ|セラースケット
FBA料金シミュレーターは、「スマホで使いたい」という声も多いです。たとえば店舗せどりをしているときなどは、その場で調べたいと思うのではないでしょうか。
「Amazon Seller」というアプリでもFBA料金シミュレーターは使えますが、物販総合研究所では、以下の理由で「セラースケット」というアプリを公式ツールとして採用しています。
- 理由1:仕入れて問題がなさそうかチェックできる
真贋調査や知的財産権の侵害トラブルを事前に回避するのに最適です。 - 理由2:仕入れた場合、売れる商品なのかチェックできる
Keepaというツールとセラースケットを連携すると売れ筋が一目でわかります。 - 理由3:利益計算を自動でできる
FBA料金シミュレーターと同様の計算結果が得られます。
利益計算だけして仕入れても、実際に売れる商品でなければ意味がありません。また、販売してトラブルになるような商品を仕入れないことも大切です。セラースケットの強みは、これらの問題をまとめて解決できる点です。
PCでもアプリでも使えて、Keepaと併用しても月額1万円以内におさまるので、ぜひ利用を検討してみてください。
以下の動画では、この記事の著者である朝野が、実際にセラースケットを実演解説していますので、参考にしてください。
よくある質問【FAQ】
FBAの利用やFBA料金シミュレーターについては初心者にわかりづらいことも多く、以下のような疑問が多いです。
ここでは、それぞれの疑問について回答します。
また、Amazonせどりに関する疑問がある場合は、以下の記事もぜひご覧ください。
(関連)【初心者向】Amazonせどりの始め方|販売~仕入れのやり方全解説
FBA料金シミュレーターは初心者でも簡単に使えますか?
FBAの複雑な手数料をわかりやすく算出するためのツールが、FBA料金シミュレーターです。そのため、初心者にも簡単に使えるように作られています。
使い方は本記事内で詳しく解説しているので、参考にしてください。
FBAの月額料金はいくらですか?
FBAの月額料金は、大口出品の場合にかかる4,900円(税抜)です。
Amazonに出品するためには小口出品と大口出品の2つのプランが選べます。小口出品は月額料金はかからず、商品が売れた場合のみ商品1点につき100円の手数料がかかります。
Amazonで本格的に稼ぐなら、プランは大口出品を選択しましょう。というのも、小口出品では商品ページのカートを取得できないため、そもそも売れにくいからです。
FBA納品のやり方を教えてください。
FBA倉庫に商品を納品するには、まずセラーセントラルで「納品プラン」を作成する必要があります。
納品プランは、納品したい商品の種類や数量、配送方法をAmazonに伝えるために作成するものです。
登録にはいくつかのステップがあるので、詳しい手順は以下の記事を参考にしてください。
(関連)AmazonFBA納品で必要なものと知っておくべき納品手順やルール
(関連)FBAの納品ルール|梱包要件やまとめて納品について詳しく見ていこう!
FBA料金シミュレーターを使いこなしてAmazon物販の収益性を高めよう!
今回は、FBA料金シミュレーターの使い方から、ライバルと差がつく「+α」のツールまで紹介しました。
FBA料金シミュレーターは、あなたのビジネスの赤字リスクを防ぐ「盾」です。そして、ショッピングリサーチャーやセラースケットは、利益を最大化するための強力な「剣」となります。ぜひ、使いこなせるようになってくださいね!
物販総合研究所では、副業からせどりを始めて爆発的に稼ぐためのロードマップを示した「副業せどりの教科書」を今だけ無料で配布しています。
- Amazon FBAを活用した利益UPのコツ
- セラースケットの具体的な使い方
上記についても詳しく解説していますので、ぜひ以下のバナーから無料でマニュアルをダウンロードしてください!