Amazon輸出の魅力
Amazonでは日本での出品はもちろん、海外でも出品可能。
2021年現在、日本を含め、世界21カ国にAmazonの拠点がありますが、日本に居ながら、各国のマーケットプレイスで商品を売ることができるのです。
日本でもAmazonは集客力があり、大きな販売力を持っていますが、アメリカのAmazonなど、その規模は比較にならないほど巨大なマーケットになります。
2020年の具体的な数字で言えば、
- 日本のAmazon売上高は204億ドル超(日本円換算で2兆円超)
- アメリカAmazonの売上高は2,635億円超(日本円換算で28兆円超)
日本のAmazonの売上高も圧倒的な数値ですが、アメリカはその10倍以上の市場規模なのです。
Amazonを介して販売することで、輸出初心者の方でもそのような大きな市場に、比較的簡単に出品できるのは魅力的ですよね。
Amazon輸出のメリット
では、Amazon輸出にはどういったメリットがあるのか、見ていきましょう。
日本のAmazonで出品する場合もそうですが、
- 出品が簡単
- 商品1つからでも販売可能
- 店舗やホームページを持たずに販売可能
といったメリットがあります。
Amazonという信頼性の高い巨大なプラットフォームで、1セラーとして商品を出品できるのですから、これは大きなメリットになります。
自身で海外に販売するための店舗やホームページなど構築するとなれば多大な費用が掛かりますし、確実に集客できるとは限りません。そう考えれば、Amazon輸出は費用対効果が高いこともよく分かるでしょう。
Amazon輸出のデメリット
Amazon輸出のデメリットと言えば、出品者としてのライバルが多いことでしょう。
利用しやすく、よく売れるのですから参入者が増えるのは必然とも言えますね。
ライバルが増えれば、価格競争も発生しやすく、時に価格崩壊を招くこともあります。これは大きな難点ですね。
ライバルの増えにくいジャンルや商品を見つけるなど、出品者としてのスキルも必要です。
では、出品者としてのスキルを上げるにはどうしたらいいのか。続けて見ていきましょう。
Amazon輸出のツールを活用しよう
Amazonで出品するには、リサーチが欠かせません。
出品者の多いAmazonで、利益を確保できる、ライバルの少ない商品を見つけるのは簡単なことではありません。
また、出品商品の価格改定や在庫管理なども必須ですね。そこで活用したいのがAmazon輸出で便利なツールです。
ツールなしでもAmazon輸出をすることは可能ですが、効率良く利益を出すためにも、ツール活用は必須と言えます。
ツールには、無料のもの、有料のものがあり、その目的も多種多様にあります。Amazon輸出をする上で、手間が掛かる部分や、改善したい部分があれば、それをカバーしてくれるツールを探してみるといいでしょう。
Amazon輸出のツールには、大きく分けてリサーチ系と、管理系の2種類あります。
リサーチ系では、
- 商品リサーチツール
- ランキングチェックツール
- ライバルの在庫数チェックツール
などのツールが良く使われています。
リサーチやランキングチェックは、売れる商品探し、利益を確保できる商品探しなど、稼げる出品商品を見つけるためのサポートツールです。
ライバルがどれくらい在庫を持っているのかは、仕入れるかどうか判断する上でも重要な要素ですね。
管理系では主に、
- 価格改定ツール
- 在庫管理ツール
などのツールがあります。
Amazonでは随時価格が変動するので、随時自動で価格を改定したり、在庫が少なくなったら知らせてくれたりする、作業効率化のためのツールです。
具体的なツールとしては、例えば、
などがあります。
【Amazon輸出】販売方法2つの種類
Amazon輸出で商品を販売するには、以下の2つの種類があります。
- 自己発送(Merchant)
- FBA(Fulfillment by Amazon)
Amazon輸出での自己発送(Merchant)
Amazon輸出で自己発送の場合は、商品が売れるごとに、海外の購入者宛てに直接発送します。
顧客対応が必要な場合は自身で、その該当する国の言語で対処する必要があります。
該当する国の言語で不自由が無ければ、自己発送でコストを抑えられますが、自信がない場合は顧客対応のみ外注したり、FBAを利用をするのが賢明といえるでしょう。
Amazon輸出でのFBA
日本のAmazonセラーにもお馴染みのFBAですが、海外AmazonでもFBA出品が可能です。
商品をまとめて海外Amazonの倉庫に送れば、あとはAmazonが、
- 在庫保管
- 受注
- 梱包・発送
- 代金回収
- カスタマーサービス
まで対応してくれます。
とても便利なサービスなのですが、在庫保管手数料などが掛かりますので、在庫数の見極めなどが甘いとコストが嵩むことに注意が必要です。
Amazon輸出の始め方~グローバルセリングのやり方~
2021年12月現在、Amazonには以下21の拠点があります。
国 | URL |
---|---|
アメリカ | amazon.com |
ドイツ | amazon.de |
イギリス | amazon.co.uk |
フランス | amazon.fr |
日本 | amazon.co.jp |
カナダ | amazon.ca |
中国 | amazon.cn |
イタリア | amazon.it |
スペイン | amazon.es |
ブラジル | amazon.com.br |
インド | amazon.in |
メキシコ | amazon.com.mx |
オランダ | amazon.nl |
シンガポール | amazon.sg |
オーストラリア | amazon.com.au |
トルコ | amazon.com.tr |
アラブ首長国連邦 | amazon.ae |
サウジアラビア | amazon.sa |
スウェーデン | amazon.se |
ポーランド | amazon.pl |
エジプト | amazon.eg |
Amazonでは、この世界各国のAmazonで出品するための「グローバルセリング」というシステムがあります。
以前は、日本から海外Amazonに出品するためには、各国のAmazonごとに出品用アカウントを作成してそれぞれに管理が必要でしたが、2018年にグローバルセリングが導入されました。
グローバルセリングを利用すると、各国のセラーセントラルを日本のアカウントに連携することができるようになります。1つのページで、国ごとに切り替えができるよう、効率化されたのです。
では、グローバルセリングによるAmazon輸出の始め方について見ていきましょう。
大まかな手順としては、
- 日本のAmazon出品アカウント作成
- 出品したい海外Amazonで出品アカウント作成
- 出品
といった流れになります。
最初に必要なのは、日本のAmazon出品用アカウントの作成です。
出品用アカウントを作成すると「統合アカウント」が作成されます。
この統合アカウントを通じて、世界各国のAmazonのセラーアカウントとの連携を行えるようになるのです。
次に、輸出をしたい国の出品用アカウントを作成しましょう。
日本のAmazonと同様に、海外Amazonでも、
- 大口出品
- 小口出品
のいずれかを選択します。
グローバルセリングで複数の国で大口出品を検討する場合、その費用も気になりますよね。ですが、グローバルセリングで各国の大口出品を利用するなら、大口出品の月額手数料割引もあるのです。
具体的な割引内容は、
- 出品中の各国の月額登録料合計
- 月額39.99米ドル相当額
この2つの金額の低い方が適用されるというもの。適用された割引月額登録料は、利用している国ごとに按分され、それぞれのアカウントから請求されます。
海外Amazonで出品用アカウントが作成できたら、商品を出品していきましょう。FBA利用なら、海外のAmazon倉庫に商品をまとめて納品します。
海外Amazonを利用する際は、国によって登録要件が設定されているところもありますので、該当する要件がないか、事前にしっかりと確認しましょう。
アカウントヘルスを守ることの重要性を知ろう
海外Amazonで注意が必要なのは「アカウントヘルス」を守ることです。
Amazonのアカウントヘルスというのは、Amazonによるアカウント健全性を示す指標のこと。
アカウントヘルスの項目には、
- Customer Service Performance(顧客サービスの実績)
- Product Policy Compliance(商品ポリシー遵守)
- Shipping Performance(発送の実績)
があります。
Amazonで出品する際は、これらの項目ごとに、
- 注文不良率
- 商品の安全性
- 発送遅延の有無
- キャンセル率
などが数値化されるのです。
この数値が一定の基準以下になると、ペナルティとして出品停止やアカウント停止といった重い措置が下されますので、十分に注意しましょう。
顧客対応をよりスムーズに行う方法
Amazon輸出を自己発送で行う場合、顧客対応も全て自分で行う必要があります。
顧客対応レベルが低いと、アカウントヘルスにも影響します。
相手の国との時差もありますので、できるだけスムーズに無駄なく対応したいですよね。
Amazon輸出でよくあるメッセージは、荷物の配送に関する問い合わせです。
すぐに対応できるよう、マニュアル化したり、定型文が準備できるものはテンプレート化したり、事前に備えることが、よりスムーズな対応に繋がります。
Amazon物販でのありがちな失敗~輸出編~
Amazon輸出でありがちな失敗というと、送料に関するものでしょう。
海外に発送するためには、安くない送料が掛かります。
ツールを利用して計算、しっかりと利益予想を立てたはずなのに「実際発送したら赤字になった」なんてこともあるのです。
例えば、発送重量や、サイズなど、Amazonの商品ページ上の数値と実際の数値が異なっていた場合など。送料が思った以上に嵩み、結果思っていたような利益が出せなかったという失敗です。
ツールは便利なのですが、100%完璧というわけではありません。
海外発送では特に通関もあり、送料など経費の見積もり誤りには要注意です。
Amazon輸出で自動化する方法
Amazon輸出に興味はあっても、副業で物販をしている場合など、時間がなくて躊躇する方もいるでしょう。
ですが、Amazon輸出を自動化してしまえば、時間が無くても挑戦可能。
手数料は掛かりますが、出品や在庫管理など手間の掛かる部分を外注する方法があるのです。
Amazonのアカウント管理者が、外注業者等に一定の権限を設定するアカウントを作成し、外部からアクセスしてもらえるシステムもあります。
Amazon輸出では代行業者は多数あり、サービス形態も様々に展開されています。
中には、無料お試しができる業者もありますので、自分には時間が無いと諦める前に、一度外注化を検討してみてはいかがでしょうか。
ブルーオーシャンでAmazon輸出を勝ち抜くには
Amazonグローバルセリングを利用すれば、海外輸出も気軽に始められます。反面、競合も多いというデメリットもあります。
Amazon輸出のブルーオーシャンを狙うなら、
- 中古品
- セット売り
- OEM
など検討してみてはいかがでしょうか。
新品を扱う出品者は多いですが、海外出品で中古を扱う出品者は比較的少ないです。
セット売りであれば、Amazonに無い商品カタログを新規で登録して、ライバルのいない状態で販売が可能。商品カタログというのは、Amazonの各商品ページのことです。
OEMというのは、例えば、新たな商品を独自開発したり、商標を取得してノーブランド商品にロゴやタグを付けたオリジナル商品のこと。独自性をプラスすることで、相乗り出品を防ぐことができます。
Amazon輸出でもライバルはいますが、様々なマーケットに挑戦しながら、販売力を高めていきましょう。