転売における不良在庫とは?
そもそも、転売ビジネスでは在庫をたくさん確保している状態が珍しくありません。
出品したいタイミングで商品がないと、転売の機会を失ってしまうからです。
余裕をもって在庫を管理していること自体は、決して悪いとはいえないでしょう。
むしろ、商品の回転率さえよければ大量に在庫を抱えることで利益も高まるケースがあります。
ただ、問題なのは長期間売れ残っているだけの在庫が紛れている状態です。
売れる見込みがないまま、長い間スペースを占拠している在庫を「不良在庫」と呼びます。
不良在庫は単なる不人気商品とは限りません。
さまざまな事情で、販売ができなくなった不良品も不良在庫にあてはまります。
たとえば、重大な欠陥が見つかって出品できない商品なども不良在庫に含まれるでしょう。
特に、取り扱いが繊細なのは食料品や飲料品です。
これらの商品には賞味期限が決められており、たとえ味や見た目に問題がなくても期限を超えた以上は大々的に転売ができません。
大量に仕入れていた場合でも、不良在庫にしなくてはいけなくなります。
不良在庫を抱えるリスク
一般的に、不良在庫は転売ビジネスにリスクをもたらすとされています。
理由としてはまず、「資金繰りへの影響」です。不良在庫になった商品は当然、売上につながりません。
つまり、予定されていた売上が入ってこなくなるので、仕入れの費用を回収できなくなってしまいます。
今後の資金を調達できないので、キャッシュフローが悪化するでしょう。
また、「手数料」の問題も出てきます。
大規模で転売ビジネスを行っているバイヤーは、倉庫などを借りて在庫を管理しています。
転売の目途が立たない在庫を管理するということは、無駄な費用を払い続ける状態を意味するでしょう。
たとえ、自宅で在庫を管理する場合でも、余計なスぺ―ㇲをとられて新商品を仕入れにくくなります。
さらに、在庫はバイヤー自身の資産として扱われます。
そのため、バイヤーは確定申告などの節目に向けて、余分な在庫をできるだけ減らさなくてはいけません。
そうしないと、在庫が税金の対象にされる恐れが出てくるからです。
そのほか、ビジネスとしての信用も重大な問題でしょう。
不良在庫の多いバイヤーは、商売人としての手腕をスポンサーや金融機関、取引先から疑われます。
その結果、「取引に値しない」と判断を下されることも珍しくありません。
融資などを受けられにくくなれば、転売ビジネスは続けにくくなります。
不良在庫の対処法
もしも不良在庫を抱えてしまったら、すぐに対処をして損失を食い止めましょう。
以下、主な対処法を3つ紹介します。
対処法1:値段を調整する
1つ目の対処法は「値段調整」です。
当初の転売価格で不良在庫をさばくのが難しいなら、いっそ価格を下げてしまいましょう。
たとえば、Amazonでは安い商品から売れていく傾向が強くなります。
あまり需要が高くない商品であっても、価格で訴求すれば買い手の目に留まる可能性は出てくるでしょう。
値段調整を成功させるコツは、こまめに価格変更を行うことです。
一気に値段を下げるのではなく、時期を見計らいながら微調整を繰り返していきます。
値段調整のタイミングとして、月末から月初にかけてが挙げられます。
多くの企業は25日あたりを給料日に設定しているので、月末から社会人の購買意欲は高まる傾向が顕著です。
逆に、月の中頃あたりには、買い物をしたいと考える人は少なくなります。
また、6月や12月のボーナス月にも、大きな買い物をしたいと思う人が増えます。
そのとき、目当ての商品が低価格で売っていると思わず買ってしまうことも珍しくありません。
月末やボーナス月以外でも、金曜日から日曜日にかけての週末は商品が売れやすくなります。
仕事が休みの間に買い物をしたいと考える社会人が多いためです。
夕方から夜にかけての時間帯は特に、値段調整の効果が現れやすいでしょう。
対処法2:バーゲンセールを行う
2つ目は「バーゲンセールの開催」です。
通常の販売価格よりも大幅に値段を引き下げ、買い手を募る方法です。
バーゲンセールのメリットは、買い手の購買意欲を刺激できる点にあります。
不良在庫になった商品にはトレンドから外れてしまったものも多く、普通に売っても買い手がつく確率は高くありません。
しかし、安価になっていれば、「買わなければ損」という心理が働くようになるのです。
もちろん、バーゲンセールをすると利益率は下がります。
仕入れ額に売上が追い付かず、収支が赤字になることも多いでしょう。
しかし、在庫保管料が将来的に発生する負担を考えれば、決して悪い選択とはいえません。
むしろ、薄利であっても売上が入ってくるだけ、最悪の事態を避けられます。
ただし、少しの間在庫がさばけないからといって、すぐにバーゲンセールを行っていると転売ビジネスは成立しなくなるでしょう。
在庫が売れなくなるデッドラインを見計らってから、バーゲンセールに移行するのが得策です。
転売で活用されることの多いAmazonの場合は在庫ルールが設けられています。
出品から6カ月経過しても売れないようなら、当初の価格で買い手はつきにくいでしょう。
バーゲンセールに踏み切ったほうが、売却できる可能性は高まります。
対処法3:とにかく売り切る
3つ目の対処法は「意地でも売り切る」ことです。
バイヤーの心の持ち方次第ではあるものの、悠長に構えず営業努力を続けましょう。
不良在庫があるだけで、転売ビジネスでは毎日損失が出ているのと同じ状態です。
とにかく、多少は無理をしても不良在庫をなくさないとビジネスに支障をきたします。
高額商品はすぐ売れるよう、出品場所での最安値に設定しておきましょう。
そして、「利益を出す」という発想は捨て去ります。
不良在庫に関しては、黒字を狙っていても処分できません。
「売り切ること」を第一目標に掲げて買い手を募りましょう。
些細な工夫で、不良在庫が売れ始めることもあります。
「3個まとめ買いでもう1個プレゼント」「期間限定でおまけつき」などのアイデアで注目を集めましょう。
それでも売れないなら、極端に安い価格で売ることも避けられないでしょう。
もちろん、値段を下げればそれだけ損をします。
ただ、バイヤーにとってもっとも大きな痛手は不良在庫が残ることで新商品を仕入れられなかったり、悪い評判が広まったりする事態です。
不良在庫さえなくなれば、一時的に赤字が出たとしても取り返しがつきます。
今後のビジネスで挽回をすれば、最終的に収支を黒字に戻すことは可能です。
不良在庫を抱えないための予防策とは?
転売を行うなら、不良在庫を抱えないための予防線を張っておきましょう。
不良在庫が増えると、その処分だけで時間も費用もかかってきます。
無駄な作業に時間を割かないためにも、事前に予防策を学んでおきましょう。
予防策1:売れない商品を仕入れない
不良在庫が発生するケースでは、そもそも売れ筋から外れた商品を仕入れていることが少なくありません。
転売では時勢によって売れ筋商品が変わります。
時勢に合わせて、買い手の需要に合った商品を仕入れておかないと、将来が計算できなくなるでしょう。
本格的に転売で儲けるのであれば、自分の感覚や趣味嗜好に頼らず、売れ筋を仕入れることが大切です。
そのためにも、仕入れの際には商品リサーチを欠かさず行いましょう。
商品の仕様や人気はもちろん、今後の予想も含めて仕入れを行います。
そうやって、売れ筋商品だけを在庫にしていけば、買い手がまったくいなくなるというトラブルは避けやすくなるでしょう。
ただし、商品のリサーチは絶対とはいえません。
完璧に調査を行ったつもりでも、予想外の理由で需要が途絶えてしまう可能性があります。
特に、トレンドの変遷が激しいジャンルだと、その分野の初心者には市場を予測するのが困難でしょう。
そこで、転売ビジネスでは本人に自信がない商品を無闇に仕入れないよう気をつけましょう。
知識が不足している商品だと、市場が縮小したときにも危機を察知できません。
十分な経験を積めるまでは、大きく稼げなくても回転率の高いジャンルを中心に取り扱うのが無難です。
予防策2:最新情報を常に入手する
「情報収集」も不良在庫の予防策として役立つでしょう。
転売ビジネスでは情報量がものをいいます。
たとえば、爆発的な人気を誇った商品でも、メーカーが不祥事を起こすなどの事件があれば需要は急落するでしょう。
しかし、そのような情報を入手できないでいると、今まで通りに大量入荷して不良在庫を生み出してしまいます。
トレンドの移り変わりは、原因も含めて敏感にリサーチする習慣をつけましょう。
また、生産停止や生産開始についてのニュースも重要です。
ある商品が生産停止して新商品に切り替わってしまうと、途端にトレンドから外れてしまいます。
生産停止の情報をつかんだ時点で、新商品のリリースがないか調べるようにしましょう。
最新情報を収集すると、トレンドが分かる以外のメリットも出てきます。
世の中の流れが把握できるので、ユーザー心理に共感しやすくなります。
バイヤーの趣味に合わない商品であっても、誰がどのように求めているのかを知ることができるでしょう。
ユーザーの需要が把握できれば、それに合わせた商品をすぐに仕入れるようにします。
リアルタイムで求めている人がいる限り、不良在庫になる確率は低いからです。
一方で、需要が減りつつある商品は仕入れないように心がけましょう。
予防策3:在庫管理を徹底する
転売バイヤーにとっては、日常的に在庫管理を徹底することも大切です。
今ある在庫の種別や数を細かく把握しておきます。
こうした作業を続けることによって、知らない間に不良在庫が発生するような事態は回避できるでしょう。
もしも取り扱っている商品の種類が少なければ、売れなくなったときにすぐ気づけます。
しかし、種類が多いほど、売れなくなった時期を見逃しやすいものです。
ビジネスの世界では、売れ筋商品の人気が急に落ちてしまうことは珍しくありません。
ただ、需要の変化に対応できないと不良在庫は増えてしまうので、在庫はしっかりチェックしましょう。
転売ビジネスでは、不良在庫が生まれてから対応しても遅いと考えておきましょう。
極端に安い金額で商品をさばかないと売り切れませんし、そもそも、在庫を抱えている間の経費は馬鹿にできません。
日々の在庫を確認しながら、不良在庫になりそうな商品はすぐに売ってしまうのが得策です。
また、独自のルールに従って在庫管理をするのも不良在庫を予防できる方法です。
「在庫の割合を売上の1割以内に留める」などのルールがあれば、ビジネスの危険信号が見えやすくなるでしょう。
本格的な損害を受ける前に、在庫を処分できます。
予防策4:ツールを利用してリサーチする
「売れ筋のリサーチを強化する」のも不良在庫対策として効果的です。
売れ筋でない商品を仕入れてしまうと、高い確率で不良在庫になってしまいます。
ただ、本人に十分なリサーチ力がなければトレンドを勘違いして仕入れを行うこともあるでしょう。
一人前にリサーチを行うには、それなりの経験が必要です。
ネットの情報を鵜呑みにするだけでなく、実践を繰り返して成功や失敗を体験しなくてはいけません。
それでも、「早く転売で稼ぎたい」という人は少なからずいるでしょう。
そこで、自力だけに頼るのではなく、ツールを利用してリサーチするのもひとつの方法です。
たとえば、「物販総合研究所」がプロデュースしているTradeTrapならば、売れ筋商品のリサーチに役立ちます。
実際に転売市場で活躍するバイヤーの声を生かしたツールなので、実用性に優れているのが魅力です。
リアルタイムでの意見も反映させながら、日々、進化を続けています。
さらに、転売ビジネスにおける最新情報を知らせてくれるのもメリットです。
仕入れに不安を抱えているバイヤーは、TradeTrapのデータを参考にしてみましょう。
転売の相談相手がいなくて困っている初心者にとっても、心強いツールとなるはずです。
しっかりリサーチして仕入れをしよう!
不良在庫は処分方法も重要ではあるものの、一番なのはそもそも生み出さないようにすることです。
トレンドのリサーチなどを徹底して、不良在庫を抱えずに転売ビジネスを続ける工夫をしましょう。
「物販総合研究所」は実践に基づくツールをプロデュースするなど、バイヤーに有益な情報をリリースしています。
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