メルカリショップスは、メルカリにはなかった商品の出品や在庫管理に関わる機能が、充実しています。「店舗で安定した売り上げを得たい」「ブランディングを確立したい」という目的を持った法人・個人事業主のユーザーも多い傾向です。
この記事では、メルカリとメルカリショップスのどちらを使うべきか悩んでいる人に向けて、両者の違いについて詳しく解説します。
自身の運営状況に向いているのはどちらのほうなのか、見極めるのに役立ててください。

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そもそも「メルカリShops(メルカリショップス)」とは?
メルカリショップスとは、メルカリ内でネットショップを持ち、商品の販売ができるECプラットフォームのことです。メルカリが法人としてアカウント登録ができないのに対して、法人・個人事業主でもアカウント登録ができる点が大きな違いです。また、管理を複数人で行える機能がある、商品の在庫をつけられるなど。メルカリと比べて便利な機能がたくさんあります。
ネットショップを開設できるサービスは他にもたくさんありますが、メルカリショップスとその他のECプラットフォームの違いは、「メルカリ」をベースとしている点です。
メルカリは、月間2,000万人以上のユーザーが使用するアプリです。メルカリショップスで出店をすることで、自分の店舗がメルカリを利用する数多くのユーザーの目に留まります。その結果、集客がしやすく売り上げも伸ばしやすくなる傾向があります。
加えてスマホだけで店舗運営が始められる点も、メルカリショップスの魅力です。タップひとつで登録と操作ができるため、ネット初心者の方でも簡単にネットショップの開設ができます。
【一覧表】メルカリとメルカリショップスの違いは?
メルカリとメルカリショップスの違いは、下記の表の通りです。
メルカリ | メルカリショップス | |
---|---|---|
在庫管理 | 1商品につき1出品ページ | 複数商品を1出品ページにまとめられる |
SNS連携 | 不可 | 可 |
出品者情報の開示 | 匿名配送可能 | 購入者が望めば開示可能 |
値下げ交渉の有無 | あり | なし |
商品の発送方法 | 「ゆうゆうメルカリ便」「らくらくメルカリ便」 | 「らくらくメルカリ便」「クールメルカリ便」 |
法人利用の可否 | 不可 | 可 |
売上金の振り込み | 任意のタイミング | 末締め・翌10日払い |
古物商許可証 | 不要 | 商品によっては要 |
複数名でのアカウント管理 | 不可 | 可 |
それぞれの項目について、詳しく解説します。
在庫管理
メルカリの場合、1つの商品に対して1ページの出品ページが必要です。たとえば、同じデザイン・色違いのアクセサリーを複数個出品する場合、色ごとに出品ページを作らなくてはなりません。
もしくは、購入者がコメント欄へ「〇〇色の品を希望します」という旨の記載をする必要があったり、購入者の専用ページを作って販売したり、といった手間がかかります。
メルカリショップスの場合は1ページに複数の在庫を登録できます。色やサイズの指定は、購入ボタンを押して表示される選択肢をタップするだけです。
商品ごとに出品ページを作成する手間がないため、在庫を抱えるショップに適しています。
SNS連携
メルカリはSNS連携ができません。メルカリショップスの場合は、各種SNSと連携が可能です。
連携できるSNSは下記の6つになります。
- Tiktok
- YouTube
- note
SNSと連携ができることで、ショップの認知度アップが期待できます。より多くのユーザーの目に留まることで、集客率の向上につながるでしょう。
出品者情報の開示
メルカリでは「らくらくメルカリ便」「ゆうゆうメルカリ便」を使うことで、本名や住所を隠した匿名でのやり取りができます。
メルカリショップスでも匿名のやりとりはできますが、購入者が希望した場合、出品者情報の開示が可能です。開示される情報は、以下の内容になります。
- 運営者名(屋号)
- 代表者氏名
- 事業者住所(運営者住所)
- 事業者電話番号(運営者電話番号)
購入者が希望すれば出品者情報は自動で開示されるため、出品者側での操作は必要ありません。
また、開示を求められたとしても、住所・電話番号の2つは非公開に設定できます。その際、購入者に開示される住所・電話番号の欄には、メルカリショップスの運営元である「株式会社ソウゾウ」の住所と電話番号が記載されます。
値下げ交渉の有無
メルカリには、値下げ交渉の文化があります。商品ページのコメント欄で、値下げの交渉経験を持つ方も多いのではないでしょうか。
メルカリショップスではコメント欄の代わりに質問機能が備わっています。あくまで商品に対する質問の受付のみを目的としたシステムなため、値下げ交渉に応じる必要はありません。
商品の発送方法
メルカリでは、ヤマト運輸の「らくらくメルカリ便」と日本郵政の「ゆうゆうメルカリ便」が選べます。両者以外の配送方法も、選択可能です。
メルカリショップスでは、「らくらくメルカリ便」と冷蔵・冷凍品の配送ができる「クールメルカリ便」が利用できます。メルカリ同様に2つ以外の配送方法を選んでも、問題ありません。
ただし「ゆうゆうメルカリ便」は、メルカリショップスでは非対応となります。メルカリで「ゆうゆうメルカリ便」を頻繁に活用していた方は、メルカリショップスでは発送方法の手段が少なくなるため注意しましょう。
法人利用の可否
メルカリは「家にある不用品の売買」を目的としているため、法人の登録は認められていません。あくまで発生するのは、個人間でのやり取りのみです。
一方で、メルカリショップスは法人・個人・個人事業主も出品ができます。それぞれが出品する際に必要な情報は、下記内容になります。
法人の場合 |
個人事業主・個人の場合 |
|
|
売上金の振込
売上金が発生した際、メルカリでは任意のタイミングで振込申請ができます。一方でメルカリショップスの場合は、毎月月末が締め日となり、翌月10日払いがルールです。メルカリのように好きなタイミングで売上金を引き出すことはできません。
メルカリショップスを使用する場合は、資金繰りにとくに注意を払いましょう。
また、振り込み可能額にも差があります。メルカリの場合は、振り込み手数料(200円)以上の売り上げがあれば、指定した口座への入金が可能です。メルカリショップスの場合は、売上金が5000円以上ないと振り込みがされません。5000円に満たない場合は翌月に繰り越されます。
古物商許可
メルカリショップスの場合、メルカリと違って商品の販売に許可証が必要になるケースがあります。そのうちの1つが、古物商許可証です。
古物商許可証とは、古着や古本、中古CDといった中古品を仕入れて販売する際に取得が必要となるものです。自身が個人的に使用し、不要となった物を販売する場合は、必要ありません。しかし営利目的で仕入れた品を売る際には、古物商許可証が必要になります。
取得をせずに該当する売買があった場合は、メルカリショップスの規約違反となる上に「3年以下の懲役または100万円以下の罰金」が発生する可能性があります。
メルカリショップスで店舗を運営する際は、その他にもさまざまな資格や許可証が必要となるケースがあります。事前に事業に必要な取得内容を確認しておいたほうが安心です。
下記に、メルカリショップスでの店舗展開が多く、資格が必要となる事業内容の一覧を記載します。これからメルカリショップスを利用する予定の方は、ぜひ参考にしてください。
自家製・冷凍及び冷蔵保存が必要な食品 |
食品衛生法に基づく営業許可 等 |
酒類 |
酒類の通販に必要な免許 |
自家製の化粧品 |
化粧品製造販売業許可・化粧品製造業許可 |
自家製の医薬部外品 |
医薬部外品製造販売業許可・医薬部外品製造業許可 |
複数名でのアカウント管理
メルカリでは1人1アカウントが原則です。複数人でのアカウント管理はできない仕様になっています。
メルカリショップスの場合は、スタッフアカウントの作成ができるため、複数人で1つのアカウント管理が可能です。
店長が出品・在庫のページ管理をする、スタッフが配送管理やメッセージ管理をする、といったふうにそれぞれの役割を分担した店舗運営ができます。
メルカリとメルカリショップス、どちらを使うべき?
メルカリとメルカリショップスの2つは、似ている点もあれば異なる点もあります。そのためどちらを利用すれば良いのか、迷ってしまう人も多くいることでしょう。
ここからは、メルカリとメルカリショップス、それぞれに合っている人の特徴について解説します。
メルカリが合っている人の特徴
下記に当てはまる人は、メルカリと相性が良いといえます。
- 家にある不要品を手軽に売りたい
- 出品数が少ない
- 個人情報を購入者に知られたくない
メルカリは、家にある不用品売買を目的としています。本来で不用品として処分したりするはずだった物を、手軽にお金に変えるのがメルカリが持つ本来の役割です。
そのため「利益を得る」ことよりも「不用品をお得に片付ける」という目的のほうが際立つ人は、メルカリの活用をおすすめします。
また、メルカリは売上金が200円以上あれば自分の口座へ振込依頼ができます。メルカリショップスは売上金が5,000円以上ないと出金が不可能です。出品数が少なく売上金額が多くない方は、少額でも振込依頼をできるメルカリの方が合っています。
加えて、メルカリは個人情報の開示責任がありません。やり取りから発送完了まで、本名や住所を公開せずに匿名での取引ができます。メルカリショップスでは希望する購入者には情報開示が必要になるため、個人情報を守りたい人はメルカリを活用したほうが安心です。
メルカリショップスが合っている人の特徴
メルカリショップスは、下記に当てはまる人におすすめします。
- ハンドメイドなど、自分の使った商品をネット販売したい
- 野菜やお菓子などの食品を販売したい
- 自分のお店を持ってブランディングしていきたい
- リピーターを付けて、安定した売上を得たい
ハンドメイド作家の人は、メルカリショップスを活用したほうが便利です。ハンドメイド作品は、同じデザイン・色違いなども多く生産します。
メルカリで1つひとつの商品にページを作り在庫の管理をするのは、簡単ではない作業です。1ページで複数の商品掲載ができるメルカリショップスであれば、販売ページの作成・在庫管理がラクになります。
また、メルカリショップスではメルカリにはない「クールメルカリ便」が利用できます。食品を安全に手軽に購入者の元へ届けられることから、食べ物を販売したい人はメルカリよりもメルカリショップスを活用しましょう。
ネットショップを持ちたい人や、安定した売り上げを得たい人にも、メルカリショップスをおすすめします。メルカリショップスは、スマホ1つで簡単に店舗オープンが可能です。またメルカリショップスで出店した店舗は、月間2,000万人いるメルカリユーザーの目に留まります。
言い換えれば、メルカリショップスは大型ショッピングモールの中に店舗を開くのと同等の意味を持ちます。実店舗のように家賃や光熱費は必要ないため、ランニングコストを抑えながら安定した売り上げを得たい人に、ぴったりのサービスです。
メルカリショップスに関するよくある疑問
メルカリショップスをいざ始めようと思うものの、不安な点もあるかと思います。ここでは、メルカリショップスに関する、よくある疑問について見てみましょう。
メルカリとメルカリショップスは誰でもできる?
メルカリショップスの利用は、18歳以上であれば個人でも登録が可能です。18歳未満の場合は、登録ができないため注意をしましょう。その他の利用条件はとくにありませんが、登録には身分証や住所、口座情報が必要になります。事前に準備をしておきましょう。
メルカリの利用は、保護者の同意があれば年齢制限はありません。ただし法人での登録はできないため、注意が必要です。法人として利益を得たい場合は、メルカリショップスへの登録を検討しましょう。
メルカリとメルカリショップスのリスクは?
メルカリショップスでは、購入者が希望すれば、出品者情報の一部が公開されます。個人情報が他人に把握されてしまうのが不安な方は、利用を検討したほうが良いでしょう。
また、商品のお金を払ってくれなかったり悪質なコメントがついたりするケースは、メルカリ・メルカリショップスともに少なくありません。他の人との取引を邪魔するといった、悪質なユーザーもいます。
目に余る場合でも、関わったり反応をしたりしてしまうと、さらに被害が広がる危険性があります。悪質なユーザーと出会った場合は、速やかに運営に通報を入れましょう。
まとめ
メルカリとメルカリショップス、どちらを使うのが正解か迷ってしまう点も多いかと思います。
家にある不用品を手軽に売りたい場合はメルカリを。売り上げアップやブランディングを実現したい場合はメルカリショップスの活用がおすすめです。
どちらを選んだとしても、利益を得るには経営のコツを押さえることが欠かせません。
メルカリ・メルカリショップスで売り上げを伸ばし、利益を得たい方は物販総合研究所が公開している「メルカリスタートアップマニュアル」を参考にしてみてください。海外から簡単に商品を仕入れる方法や利益が出やすい商品の具体例などについても、記載しています。
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