【2019年】ココナラハンドメイドが終了
先述の通り、ハンドメイドマーケットの一つとして知られていた「ココナラハンドメイド」がサービスの終了を発表しました。
そこでまずは、そのあたりの事情を確認してみましょう。
ココナラとは?
ココナラハンドメイドは、もともと存在する「ココナラ」から派生したサービスでした。
ココナラとは自分の持っている知識やスキル、経験を出品できるWeb上のフリーマーケットのことです。
2012年設立の株式会社ココナラがサービスを提供しています。
一般的なフリーマーケットではアパレル商品やキャラクターグッズといった形ある物を売買しますが、ココナラでは特定のスキルを出品するのが特徴です。
例えば、イラストが得意な人がオーダーに合わせて似顔絵を作成するスキルを出品したり、作曲好きな人がオリジナルの楽曲をリクエストに合わせて提供したりといったことができるようになっていました。
物販とは少しテイストが異なってはいるものの、自分の能力を生かせることを魅力に感じたユーザーがさまざまなタイプの特技を出品しているのがココナラの特徴です。
ココナラハンドメイド終了のニュースについて
「ココナラハンドメイド」というサービスはココナラに遅れること5年、2017年のスタートとなりました。
文字通り、ハンドメイドの作品を個人間でより気軽に売買できるマーケットです。
サービスの終了自体が発表されたのは2019年の6月で、同じ年の8月末にかけて段階的に機能の提供を終了させていく形となりました。
2020年1月現在では、ココナラハンドメイドの全てのサービスが利用できなくなっています。
実質的には約2年半という期間で運営側が手を引いたことにはなりますが、メインである「ココナラ」の方はサービスを継続しており、変わらぬ盛り上がりをみせています。
2020年のハンドメイドマーケット事情
ココナラハンドメイドのニュースを知るとハンドメイド作品を売る難しさを感じる人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。
ここでは、ハンドメイドマーケット全体の傾向について見ていきましょう。
そもそもハンドメイドマーケットとは?
ハンドメイドマーケットとは、手作りの作品を売買できる場所のことです。
インターネットが一般的になる前は実店舗でも持たない限り、個人がハンドメイド作品を販売するのは難しく、友人などにプレゼントするくらいしか自分の作品を見てもらう機会はありませんでした。
しかし、ハンドメイドマーケットが登場したことにより世界中のクリエイターや作家と呼ばれる人たちがWeb上で作品を手軽に販売できるようになったのです。
これにより「いつか自分のブランドを持ちたい」という、かつては非常に大きな夢だったものがより身近で現実味を帯びたビジネスとなりました。
現在はさまざまなハンドメイドマーケットで多くのクリエイターが活躍しています。
ハンドメイド作品が人気の理由
近年、ハンドメイドマーケットはクリエイターや作家だけでなく、消費者からも広く受け入れられるようになってきました。
ハンドメイド作品が好まれる理由は複数ありますが、主なものはこれから説明する3つです。
まずは、世界で1つの商品が手に入るからというものです。
あらゆるアイテムがあふれる現代では周りとは違う「オリジナルの商品」が欲しいというニーズが一定数存在し、そうした背景からハンドメイドのものが支持される傾向があります。
2点目は、自分の好みにぴったり合う商品が見つかるからという理由です。
既製品の場合、手に入りやすい点は便利ですが、自分の好みとは少しずれていることも少なくありません。
その違和感がハンドメイド作品によって解消される経験をすることで、夢中になる人もいます。
3点目はクリエイターの情熱を直接、感じられる点です。
作品やものづくりへのこだわりに触れることで「この人の作品をもっと揃えたい!」と感銘を受け、ファンになる人が多いのもハンドメイドならではでしょう。
ココナラ以外で人気のハンドメイドマーケット
これまで説明したように、ハンドメイドマーケット自体は売り手からも買い手からも支持を集めていてチャンスがなくなったわけでは決してありません。
そこで、ここからは、ココナラハンドメイド以外の有名マーケットを紹介していきます。
minne(ミンネ)
国内のハンドメイドマーケットとして、まず押さえておきたいのはminne(ミンネ)です。
ミンネはGMOグループのGMOペパボ株式会社が運営するハンドメイドマーケットで、規模的には国内最大といわれています。
サービスの開始自体は2012年と早い方ではありませんが、ユーザーの利便性を重視したアプリ開発に力を入れたことで人気となりました。
2018年にはアプリのダウンロード数が1000万ダウンロードを突破し、2019年には公開作品数も1000万点を超えるなど飛躍的な成長を続けています。
ミンネは作品のカテゴリーが豊富なのが特徴で、アクセサリーや小物、陶器、写真などハンドメイドとして扱われやすい分野は一通り扱っています。
また、ハンドメイドである点をブランド化するという意味で「作品」という言葉を使うことを宣言し、「商品」とは呼ばない文化を確立させているのも特徴的です。
自分の作品を多くの人に見て欲しい人は一度、チェックしてみると良いでしょう。
minne 公式HP
Creema(クリーマ)
minne(ミンネ)と並ぶ人気のハンドメイドマーケットといえば、Creema(クリーマ)です。
クリーマは国内のハンドメイドマーケットとしては先頭を切った存在として知られており、2010年に株式会社クリーマがサービスの提供をスタートしました。
クリーマという名前の語源は「クリエイターズ・ニューマーケット」にあり、作家が活躍できる場所を提供したいという思いが込められています。
クリーマでは、ネットでの販売以外に「Creema Store」と呼ばれる実店舗も積極的に展開しているのが特徴です。
例えば、都内では利用者の多い新宿駅に直結したルミネ新宿2の2階に1号店があります。
Creema Storeでは2週間ごとにさまざまなクリエイターの作品を扱うので、リアル店舗での販売を目指している人にとっては大きなチャンスのあるマーケットといえるでしょう。
Creema 公式HP
iichi(いいち)
Pinkoi Japan株式会社が運営するハンドメイドマーケット「iichi(いいち)」もチェックしておきたい存在です。
Iichiは台湾発のデザイナーズマーケット「Pinkoi(ピンコイ)」と博報堂がタッグを組んでサービスを提供しています。
iichiの特徴はサービス開始当初からプロのクリエイターが数多く参加していることです。
そのため、出品されている作品のクオリティが高いことで知られています。
iichiで扱われている作品は木工や陶器、皮革、アクセサリーとさまざまですが、各クリエイターのカラーがはっきり表れるページが豊富にあるので、これから出品する人にとっては勉強になるかもしれません。
ハイクオリティという評判から、多少値段が高くてもいい物を使いたいという購入者が集まりやすい傾向もあります。
クリエイターとして本格的に取り組みたい場合は一度見てみるのがおすすめです。
iichi 公式HP
Etsy(エッツィー)
海外での活躍も考えている場合は「Etsy(エッツィー)」も選択肢の一つとして検討する価値があります。
エッツィーはアメリカの起業Etsy, Inc.が運営するハンドメイドマーケットで世界最大の規模があります。
サービスの開始自体も2005年と日本より早く、ハンドメイドマーケットの先駆け的な存在です。
サイトは日本語にも対応しているので、英語が苦手という人でも安心して利用できます。
エッツィーの魅力は何といってもマーケットの大きさでしょう。
自分の作品を海外の人に販売したり、海外の人の作品を購入したりすることを通じて、国内だけで活動するよりも刺激を受ける機会があるかもしれません。
ただし、アメリカ発のマーケットであるため出品ルールなどが日本とは異なります。
利用するときは事前に確認すると安心です。
Etsy 公式HP
ハンドメイド作品を販売するコツ
国内で利用できる主要なハンドメイドマーケットだけでも、ココナラ以外に魅力的な場所が複数あることは理解できたのではないでしょうか?
最後に、実際に出品することを考えている人に役立つ販売のコツについて解説します。
1.作品に統一感を出す
せっかく自分の作品を出品するなら買ってもらいたいと思うのは自然なことですが、何も考えずに出品すると上手くいかないこともあります。
そこで、最初に重要となってくるのが作品の統一感です。
出品している作品に統一された雰囲気があると、クリエイターの世界観が購入者に伝わり、固定ファンがつきやすくなります。
これは、財布なら財布だけを出品するという意味ではありません。
財布やバッグ、ベルトなどさまざまな作品を扱っていても、ファンが見たときに「あの人の作品だ!」と気づいてもらえるようなテイストが必要だということです。
統一感のない作品を並べてしまうと、何を作っている人なのかが伝わりにくくなってしまうので、自分のこだわりを出していきましょう。
2.魅力的な写真を用意する
ハンドメイドマーケットをいくつか見ていくと、おしゃれな写真を用意しているクリエイターが多いことに気づくはずです。
Web上での販売は写真のクオリティが売れ行きを左右することも多いので、周りから見劣りしないよう、魅力的な写真が必要となります。
写真を撮るときは作品ごとに撮影の手法を変えることはせず、背景や雰囲気を統一するのがポイントです。
そうすることで自分というブランドを確立しやすくなります。
大前提として、フリマサイトへの出品とは難易度が違うと心得ておきましょう。
ただし、良く見せたいからといって画像を加工しすぎるのは禁物です。
実物とかけ離れないようにしながら魅力を伝えるのが重要となります。
3.作品のネーミングを工夫する
ハンドメイドマーケットで作品を販売する場合、ネーミングは非常に大切です。
これは購入を検討している人が欲しい物をキーワードで検索するためです。
例えば、星をモチーフにしたブレスレットを出品している場合、単純に「ブレスレット」として出品した場合と「星のブレスレット」として出品した場合とでは売れ行きに大きな差が出るでしょう。
これは購入希望者が「ブレスレット 星」で検索した場合、ネーミングが「ブレスレット」だけでは上位に表示されない可能性が高いためです。
あまりに長い商品名は嫌われてしまう可能性がありますが、検索キーワードが入った作品の方が「見つけてもらう」段階で有利となります。
4.ラッピングにこだわる
自分の作品が売れたら、当然買ってくれた人へ発送する必要が出てきます。
このとき、ラッピングをハンドメイドらしくこだわるのもおすすめです。
特に、購入者が女性の場合はきれいなラッピングが好印象となり、その後ファンになってリピートしてくれる可能性が高まるかもしれません。
丁寧に梱包して見栄えを整えるのはもちろん、サンクスカードなどを同封して簡単なメッセージを送るのも手段の一つとなるでしょう。
大切なことは作品を受け取った相手のことを考えて発送することです。
あまりに大きく負担になるようなことをする必要はありませんが、気持ちの伝わるやり取りがあると人気クリエイターになれるチャンスが広がります。
5.丁寧に対応する
ハンドメイド作品にかかわらず、物販に挑戦するなら購入者に対して丁寧に接するのが基本です。
特に、問い合わせが来たときやレビューをもらったときは、なるべく早く誠実に返答する必要があります。
このとき、仲良くなりたいばかりに友達に話すような口調でやり取りをしてしまうと印象が良くないので、心のこもった言葉を慎重に選ぶのがポイントです。
作品だけでなく、クリエイター自身へのファンになってもらえれば、口コミなどでよりたくさんの人に出会える機会につながるかもしれません。
気になるハンドメイドマーケットに参加してみよう!
確かに、ココナラハンドメイドはサービスを終了してしまいましたが、ハンドメイドマーケットは他にも複数の選択肢が充実していてどこも魅力的です。
せっかく機会があるのであれば、趣味で作品を作っている人も本格的な活動をしている人も、まずは気になるサイトをチェックして新しい挑戦をしてみてはいかがでしょうか?