メルカリ転売は原則違法ではない！違法になる事例とケースを具体的に紹介

メルカリ転売は禁止ではない

「メルカリで転売」というと、なにやら悪いことのように誤解されがちです。

しかし、メルカリを含むフリマアプリでの転売は、原則として違法ではなく、禁止行為でもないのです。

「転売」とは、購入した商品を再販する行為のことです。個人が不要になった物を売ることから、ビジネスとしての転売まで、幅広い活動を含んでいます。これが違法だとしたら、古物商や中古品を扱う小売業が成り立たなくなってしまいます。

転売が違法となるのは、特定の条件下でのみです。たとえば、著作権や商標権を侵害する商品の販売、公序良俗に反する商品の販売、または法律で禁止されている商品の販売などがそれにあたります。

メルカリ転売の禁止行為

メルカリで転売が禁じられている、代表的な4つの行為を解説します。

• 所有せずに売る行為「無在庫転売」
•  転売取引を隠れ蓑にする「マネーロンダリング」
• 不当なバーター取引形式の転売「商品の交換・半交換」
• 規約違反の商品を扱う「禁止アイテムの転売」

所有せずに売る行為「無在庫転売」

出品者が実際に商品を保有していない状態で出品し、購入者からの注文後に初めて商品を仕入れる「無在庫転売」は、メルカリで禁じられている行為です。

具体的には、以下の行為が禁止されています。

• 出品者が物理的に保有していない商品の出品
• 発売前の商品の予約販売や取り寄せ販売
• 他のECサイトやサービスを利用して、購入者に直接商品を発送する行為
• 事務局が不適切と判断したその他の行為

引用元：メルカリ 手元にない商品の出品やECサイト等から直送すること（禁止されている行為・出品物）

転売取引を隠れ蓑にする「マネーロンダリング」

メルカリでは、マネーロンダリングおよびテロ資金供与への関与並びにそれらが疑われる行為・取引を禁止しています。

メルカリでは、マネーロンダリングおよびテロ資金供与への関与並びにそれらが疑われる行為・取引を禁止しています。

引用元：マネーロンダリングが疑われる行為（禁止されている行為） - メルカリ スマホでかんたん フリマアプリ

マネーロンダリングとは、違法な手段で得た資金の出所を隠し、合法的な資金の流れの中に紛れ込ませる行為のことです。不正な資金を洗浄し、その資金が合法的な活動から得られたかのように見せかける目的で行われます。

たとえば、メルカリでは以下のような取引は、違反とみなされます。

• 通常の取引に見せかけ、一人で複数アカウントを所持し出品者自身が購入したり、関係者が購入したりする行為
• 架空の商品をクレジットカードで購入し、現金化する行為
• その他、事務局が不適切と判断したもの

引用元：メルカリ マネーロンダリングが疑われる行為（禁止されている行為）

不当なバーター取引形式の転売「商品の交換・半交換」

メルカリでは、以下のような行為は禁止されています。

• お互いの商品を値下げして、購入しあうこと
• 一方が商品の差額のみを支払い、お互いの商品を交換すること

引用元： メルカリ 交換、半交換（禁止されている行為）

このような取引は、トラブルの原因となるだけでなく、手数料の損失によりメルカリの収益にも影響を与えます。

たとえば、Aさんが5,000円のジャケットを、Bさんが8,000円の靴の出品をしているケースを考えてみましょう。これらを交換したい場合、正規の取引では合計の手数料が1,300円になりますが、300円での交換では手数料が大幅に減少し、メルカリの収益を損ないます。

規約違反の商品を扱う「禁止アイテムの転売」

メルカリは、禁止されている出品物 を定め、これらを意図的に出品した場合のみならず、故意または過失で出品した場合も「違反行為とみなす」と明言しています。

2023年11月調査時点で、以下に明示される物品のほか、その他「事務局が禁止出品物に該当すると合理的な理由に基づき判断した場合」は違反と判断されるおそれもあるので注意しましょう。

参考：その他、不適切と判断されるもの（禁止されている出品物） - メルカリ スマホでかんたん フリマアプリ

メルカリで悪質な転売と判断される行為

メルカリで悪質な転売と判断される行為には、以下のようなものが挙げられます。

• 不当な高額設定による転売
• 転載画像の掲載して行う転売
• 同一商品の大量出品する形の転売
• 手元にない商品を他サイトから直送する転売

不当な高額設定による転売

メルカリにおける商品の価格設定は、基本的には出品者の自由です。実際、「メルカリ利用規約」に価格設定に関する具体的な規定はありません

しかし、たとえば設定した販売価格が”反道徳的、非人道的な出品・行為”に該当するとみなされた場合は、措置が取られる場合もあります。

これについては、以下のメルカリガイド「価格の決め方」を参考にすると良いでしょう。

一時的に需要と供給のバランスが崩れ、急激に価格が高騰するような商品については、購入者が冷静に購入判断が行えるよう注意喚起や情報提供を行う場合があります

引用元：価格の決め方 - メルカリ スマホでかんたん フリマアプリ

参考：メルカリ利用規約 - メルカリ スマホでかんたん フリマアプリ

メルカリに限らず、高額な価格設定には、「市場の公平性を損なう」「消費者保護の観点から不適切」などの倫理的な問題があります。チケット類などの法的規制がある品に関しては、法的規制に抵触するなどの問題が潜んでいるので注意しましょう。

転載画像の掲載して行う転売

メルカリ事務局は、「他会員が撮影した画像、文章などを無断で使用すること」とともに「商品の状態がわかる画像を掲載しないこと」を禁止行為と定めています。

商品画像に関する規定は、著作権法の遵守と消費者保護の観点から重要です。

他サイトの画像を転載する行為は、著作権の侵害のリスクがあるだけでなく、購入者および購入を検討している者に誤った情報を提供する可能性があるため、避けるようにしましょう。

過去には、ECサイトに無断で画像を使用した事業者が著作権侵害と認められ、裁判で一画像あたり1000円の損害賠償を命じられた事例もあります。

同一商品の大量出品する形の転売

メルカリは、「個人間で不要になった物を売買すること」をコンセプトにしたフリマアプリです。同一商品を短期間に大量に出品する行為は、このコンセプトに反するとともに、さまざまな問題を引き起こす可能性があるので控えた方が賢明です。

メルカリ公式には、大量出品について、以下のような注意書きが掲載されています。

短時間で大量に出品することは、販売機会の公平性を保つためにもご遠慮いただいております

引用元：メルカリ 出品した商品が検索結果／新着に表示されない 

このほか、”利用規約に抵触するとみなされるもの”等に該当するものや、”事務局が禁止出品物に該当すると合理的な理由に基づき判断した場合”は、利用制限措置の対象になる可能性があるため、注意が必要です。

引用元：メルカリ その他、不適切と判断されるもの（禁止されている出品物）

手元にない商品を他サイトから直送する転売

前述のとおり「無在庫転売」は、メルカリの禁止事項のひとつです。

この行為は、適切な情報提供や遅延のリスクをもたらすという理由で、非常に悪質と判断されます。

無在庫販売は、出品者が商品は商品を直接手配するのではなく、注文後に第三者のサイトから購入し、それを購入者に直送する行為です。そのため、配送の遅延や、最悪の場合、商品が届かないというリスクが高くなるのです。

また、出品者が商品を直接確認していないため、商品の品質や状態の保証ができません。これにより、購入者が期待していた物と異なる商品が届く可能性もあり、トラブルの原因となります。

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メルカリで悪質転売と判断された場合のペナルティ

以下に、悪質な転売行為が発覚した際に、メルカリが課す可能性のあるペナルティについて解説します。

アカウントの利用制限

メルカリでの転売活動では、特定の行為や出品物が規制または禁止されています。これらのルールを破ると、利用制限が課される可能性もあるため注意が必要です。

この利用制限は、違反の内容に応じて大きく3段階に分けられます。

参考：アカウントの利用制限 - メルカリ スマホでかんたん フリマアプリ

法令による罰則

以下に、メルカリ転売における法律による罰則を整理します。

ただし、消費者を誤解させるような表示や詐欺的な行為に関しては、以下に掲載した他にも、不正競争防止法、消費者保護法、景品表示法、特定商取引法など、さまざまな法令に違反するリスクが存在します。

法律を遵守し、転売活動を安全に行うために、違反の恐れが少しでもある場合は、その取引を控えるか、事務局に相談することをお勧めします。

メルカリ転売での法令違反の事例

メルカリを活用した転売活動には、さまざまなリスクが伴います。

ここでは、メルカリ転売における具体的な法律違反の事例を紹介し、これらのケースから学ぶべき法的リスクについて検討します。

商標権の侵害の事例

商標権の侵害は、特定のブランドや企業が法的に保護されたマーク、ロゴ、その他の識別記号を無断で使用することによって発生します。

ここでは、メルカリ上での商標権侵害を巡る訴訟の事例として、「シャルマントサック 商標権侵害差止請求」（令和2(ワ)8061）をご紹介します。

参考：裁判所 ｜令和2(ワ)8061

複数アカウントの作成・譲渡・売買の逮捕事例

次に、逮捕者まで出た三重県の男女2人による、複数アカウントの作成・譲渡・売買の事例をご紹介します。

参考：弁護士ドットコム

返金装いお金を詐取した事例

メルカリは2023年9月、外部サービスの返金を装い、利用者に決済をさせる不正な手口についての注意喚起を行いました。

参考：株式会社メルカリ

マネーロンダリングに該当するとされた事案

最後に、メルカリにおいてマネーロンダリングに該当すると判断された事案をご紹介します。

参考：ハフポスト NEWS

メルカリ転売時の規約遵守ガイド

以下にあげるポイントは、メルカリでの転売取引が規約違反または法律違反に該当しないようにするためのガイドです。

禁止出品物を扱わない

規約や法律に違反しないよう、禁止されている出品物を扱うのは絶対にやめましょう。

1. メルカリの利用規約を確認する: 出品前には必ず、最新の利用規約および禁止されている商品を確認すること

2. 商品が合法であるかを確認する: 出品する商品が法律に違反していないかを確認する

3. 疑わしい商品は出品しない: 商品が合法であるか疑わしい場合は、リスクを避けるために出品を控えること

参考：禁止されている出品物 - メルカリ スマホでかんたん フリマアプリ

大量出品しない

短時間で大量に出品する行為は、販売機会の公平性を損なうものとして避けるべき行為です。

同一商品の出品にあっては、適切な数の出品を心がけ、短時間で大量の出品を行わないようにも注意しましょう。異なる種類の商品を出品することも、業者とみなされるリスクを下げる観点からは重要です。

高額な転売をしない

「不当な高額設定による転売」は、場合によっては倫理的な問題や、法的規制がある場合はこれらに抵触するなどの問題が潜んでいます。

メルカリの「価格の決め方」に基づき、高額な転売を避けるためのポイントは、以下の通りです。

1. 一般的な価格の決め方を理解する: メルカリでは、販売価格を300円から9,999,999円の間で設定できます。新品や未使用品は定価の60〜80%、未使用に近い物は30〜60%、使用感や汚れが目立つ物は20〜40%が推奨される価格設定です。

2. 送料を考慮する: 出品者が送料を負担する場合は、「相場価格に配送料を加えた価格」に設定することが一般的とされています。

3. 検索機能で商品価格を比較する: 出品前にメルカリの検索機能を使って、同じ商品状態、配送料の負担、発送オプション等、他の出品商品の価格を参考すると良いでしょう。

4. 自動価格調整機能を利用する: 設定した販売価格と、最低販売価格の間で価格が自動的に調整される機能「自動価格調整機能」を利用して、市場価格に合わせた適正な価格設定をしましょう。

5. 適切に価格を設定する: メルカリは、一時的に需要と供給のバランスが崩れ、価格が急激に高騰する商品について、購入者が冷静に判断できるよう注意喚起や情報提供を行うことがあります。市場の動向を理解し、適切な価格設定を心がけることが大切です。

参考記事：価格の決め方 - メルカリ スマホでかんたん フリマアプリ

転売に必要な資格を取得する

メルカリで中古品を販売するには、一般的には資格などは不要です。

ただし、一部の商品は、その販売に特定の資格や許可が法律で定められています。たとえば、医薬品や化粧品、食品などの販売には、それぞれの業種に応じた許可が必要になります。

たとえば、メルカリShopsで中古品販売を行う場合は「古物商許可証」の取得が必要になります。

古物商許可証を申請するメリットについては以下の記事で詳しく説明していますので合わせてご覧ください。

• （関連）【プロが解説】古物商許可証を申請するメリットとデメリット

転売を考えている商品が資格を要する物かどうかは、商品の種類や取引の形態によって異なります。転売したい商品が資格を要する種類の物かどうかをリサーチし、必要な資格がある場合は、関連する機関から正式な手続きを踏んで取得しましょう。

無在庫転売をしない

メルカリでは前述のとおり、「出品者の手元にない商品の出品」を禁止しています。

このルールに違反をしないようにするためには、出品する前に、商品を物理的に確保しておくことが重要です。

商品の発送は約束された期間内に行い、遅延が予想される場合は購入者に迅速に通知し、適切な対応を取りましょう。

参考：手元にない商品の出品やECサイト等から直送すること（禁止されている行為・出品物） - メルカリ スマホでかんたん フリマアプリ

外部サービスに誘導しない

禁止されている行為の一つに「SNSなど外部のサービスへ誘導すること、または応じること」を禁止しています。

これは、外部誘導先で商品代金の直接振込を促し、その後商品を発送しないなどの詐欺を未然に防ぐための対策です。

質問や取引の詳細は、メルカリのチャット機能を通じて、支払いはメルカリの決済システムを通じて行いましょう。

参考：外部サービスなどに誘導する行為（禁止されている行為） - メルカリ スマホでかんたん フリマアプリ

ブランド品の取り扱いに注意する

ブランド品は価値が高く、需要も大きいため、転売市場で人気のカテゴリーです。しかし、これらの商品は偽造品が多く出回っているため、法的なリスクが高まります。

メルカリの規約に反しないようにするため、ブランド品出品の際は「ブランド品の出品可否」を必ず確認するとともに、以下のポイントを確認しましょう。

参考記事：ブランド品の出品可否 - メルカリ スマホでかんたん フリマアプリ

よくある質問

以下によくある質問とその答えを挙げます。

メルカリで転売するのは違法ですか？

メルカリでの転売自体は、違法ではありません。しかし、偽ブランド品の販売、チケットの転売、盗品の転売、無在庫転売、必需品を法外な価格で転売する行為等は、法律に抵触する可能性があります。

メルカリで転売する商品はどこから仕入れたら良いですか

メルカリでの転売に適した商品の仕入れ先としては、卸売業者や仕入れ市場、国内の実店舗やECサイト、リサイクルショップ、海外通販サイトなどの選択肢があります。

それぞれの仕入れ先にはメリットとデメリットがありますので、リサーチを行い、自分のビジネスモデルに合った仕入れ先を選ぶことが重要です。品質のばらつきや偽ブランド品のリスクに注意をして、メルカリの規約に違反しないように、仕入れる商品の選定には注意を払いましょう。

自分で売った商品が転売されていたらどうしたらいいですか?

転売自体は合法であり、一般的な商取引の一形態です。自分の商品が転売されたからといって、感情的になることなく、冷静に対応することが大切です。

悪質だと考えられる場合は、状況を整理したうえでメルカリ事務局に連絡することを検討しましょう。取引後に購入者の転売がわかった場合、そのユーザーをブロックすることで、今後同じユーザーから購入されることはなくなります。取引キャンセルは、利用制限などのペナルティを受ける可能性があるため、避けるべきです。

困った時は以下のメルカリ事務局へ連絡してみましょう。

参考：メルカリ ヘルプセンター

メルカリ転売は法律・規約を守って正しく行おう

この記事では、メルカリ転売行為の違法性について詳しく解説しました。

• メルカリでは「無在庫転売」「マネーロンダリング」「商品の交換・半交換」「禁止アイテムの転売」が禁止されている
• その他、違法ではなくても悪質な転売行為をするのはNG
• 違法行為に該当した場合は、アカウントの利用制限がかかる可能性がある

上記を理解し、正しくメルカリ転売を行いましょう。

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