ヤフオク仕入れでありがちな失敗と対策
国内転売の仕入れでは、ヤフオクを利用することが多いのですが、数多く仕入れていれば失敗もあります。
例えば、私の実体験として以下のような失敗がありました。
- ヤフオクの消費税
- バーコード切り抜き
- 色の勘違い
- ニセ物
こちらでは、これら「ヤフオク仕入れでの失敗」について、実体験を元にご紹介します。あなたの仕入れではこのような失敗をしないよう、私の失敗談を参考に事前対策をしてください。
ヤフオクの消費税|税込表示「税0円」とは?
ヤフオクでは「個人アカウント」と「ストアアカウント」の2種類の出品スタイルがあります。
このアカウントの違いにより、ヤフオク落札時の消費税負担が変わってくるのをご存知でしょうか。
ヤフオクは税込表示?
ヤフオクでは、個人アカウントでの出品の場合「税0円」と表示されています。
ヤフオクストアアカウントの場合は、10%の消費税が掛かります。ショップによって表示の方法は異なる場合がありますが、税込価格表示などで、必ず消費税が課税されるのです。
こちらの例では、左が個人のアカウントで「税0円」と表示されていますが、右側のストアアカウントでは、現在価格の右隣に「(税込12,528円)」と税込表示が並んでいます。
ヤフオク出品画面でも、このようにやや小さめに税込み価格が表示されており、うっかり見落とすことがあったのです。仕入れでこれを見落とすと、利益にも影響してしまいがっかりです。
ヤフオクの「税0円」とは?
ヤフオクの個人アカウントでは、消費税の設定ができない仕様となっています。
消費税の納税義務を負う方(消費税相当額を徴収される免税事業者の方を含みます)が出品する場合は、ヤフオク!ストアとして出品してください。個人としての出品はできません。
→ ヤフオクヘルプ
ヤフオクの個人アカウントでは「納税義務を負わない個人」しか利用できないことになっています。つまり、個人出品の商品では消費税を請求されることがなく「税0円」と表示されているというわけです。
落札後に消費税負担に気付く
ヤフオクではこのように、個人アカウントの出品か、ストアアカウントの出品かによって、消費税負担が変わります。
これを知らないと、落札してから消費税の負担で失敗!なんてことになりかねません。というのも、ヤフオクでは、個人出品もストア出品も混在して表示されるため、うっかり見落としてしまうこともあるのです。
例えば、ヤフオクストアアカウントの場合、10,000円で落札したら税込価格で11,000円になります。仕入れで1,000円の差は大きいですよね。
ヤフオクでは、「税0円」の出品もあれば、10%の課税対象となる出品もあるということを認識して、仕入れを行わなければ失敗します。
ストアアカウントか個人アカウントかの見分け方としては、出品ページごとに確認するのが確実ですが、商品一覧表示でもストアアカウントには「ストア」と表示があるので、簡単に見分けることができます。
ストアアカウントの場合は、必ず消費税を確認したうえで仕入れを検討してください。
なお、ヤフオクガイドラインで、
- 個人出品が落札者に消費税負担させること
- 個人出品が落札者に消費税負担を求めること
これらの出品者の行為を禁止しています。もし、ヤフオクの個人出品者が取引メッセージなどで「消費税が掛かります」などと要求してきた場合は、ガイドライン違反であることを伝えて対処しましょう。
バーコードの切り抜き
ヤフオクで仕入れをしたところ、メーカーの梱包パッケージが切り取られていたことがあります。
新品で転売する予定でしたので、これは大きな失敗となってしまいました。
その失敗となったのは、ヤフオクでの一眼レフカメラの仕入れ。当時このカメラのメーカーで、キャッシュバックキャンペーンが行われていました。
こういうキャンペーンでよくあるのは、パッケージのバーコードを貼り付けて応募するタイプ。キャンペーン応募目的で、バーコード部分を切り取って出品する人もいるのです。
商品自体は新品だとしても、パッケージのバーコードが切り取られていれば、新品での販売はできません。Amazonへの出品であれば確実に中古品での出品となります。
当然、新品で販売する想定で仕入れ価格を判断していますので、売れたとしても赤字になる可能性が高くなります。
入札前に「パッケージの切り抜きあり」などの記載が無いか、しっかり確認しなかった場合は完全に自己責任。まさにこのヤフオク仕入れでの失敗の原因は、自分の見落としにありました。
こういったメーカーなどのキャンペーンでは、バーコードを貼り付ける以外にも、製品番号や保証書の番号を登録して応募するパターンもあります。
この場合、すでにキャンペーンに登録されていても確認ができず、予防も難しいです。
これは経験値がないと難しいですが、都度キャンペーン開催の確認をしたり、キャッシュバックキャンペーンに登録済みでないか出品者に確認したり、といった対策で防止するしかないでしょう。
商品説明など念入りにチェックして入札をしないと、こういう目に遭います。
色の勘違い
私の場合はデジタルカメラだったのですが、ヤフオク仕入れで商品の色を勘違いするという失敗の経験があります。
画像をいろいろ見ていてると、パッケージに表示されている商品の色と、実際の商品の色が異なる場合があります。
例えば、こちらの出品。パッケージは白と茶のカラーですが、本体は黒。
そして、こちらはパッケージの商品の色は黒で、本体は白。
こうして個別に見れば、まだわかりやすいのですが、たくさんの商品が並んでいると、見間違いや勘違いが起こりやすいので注意が必要です。
カラーバリエーションがある商品の場合、ヤフオク出品では商品説明にもカラーの記載がされていることが多いですが、中にはカラーについての記載がない場合も。
画像だけの判断だと勘違いも起こりやすいので、文字情報も合わせてカラーなど確認することをおすすめします。
商品画像もパッケージを先頭に持ってきて、2枚目以降の写真で本体を掲載しているケースもあります。
ヤフオクでの仕入れに慣れてくると、商品説明文を見落とすことによるミスも起こりがち。私のようなうっかり仕入れで失敗しないためにもご注意ください。
ニセ物
ヤフオク仕入れの失敗やトラブルでありがちなのが、ニセ物を掴まされること。
「◯◯風」など説明文で紛らわしい表示をして、本物に似た商品を出品しているケースもあります。
人気商品はニセ物が出回っていることがあるので、ヤフオクでの仕入れでは特に注意が必要。ヤフオクでの出品はほとんどが本物(正規品)ですが、中にはニセ物(贋物)も混在しています。
万が一、ヤフオクで仕入れした商品がニセ物だった場合、それは破棄するしかありません。
なぜなら、ニセ物の販売は法律で禁止されているからです。
ニセ物の販売は犯罪行為
そもそも、ヤフオクでニセ物を出品することも、商標権を直接侵害する行為に当たり、商標法78条により「10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金、またはその両方」を科せられることとなります。
→ 商標法
ニセ物と知りながら、本物として販売した場合には詐欺罪にあたり、刑法246条により「10年以下の懲役刑」となります。この場合罰金刑はなく、刑期は免れません。
→ 刑法
ニセ物が出回っているような商品は、仕入れの段階で候補から外すことをおすすめします。万が一ニセ物を仕入れてしまった場合は、返品しましょう。
ニセ物が出回っているかどうかは、事前にアマゾンの商品ページのレビューなどを見て、ニセ物についてのコメントなどがないか確認します。ニセ物が出回っているような場合、レビューの中に「星1」でニセ物に関するレビューがあることが多いです。
ヤフオクで仕入れた商品がニセ物で、返品が必要な場合は、取引メッセージなどで出品者にニセ物のため返品したいと伝えます。それでも出品者が返品に応じてくれない場合は、警察に行くと伝え、警察に相談しましょう。
ヤフオクのニセ物トラブルで警察に行く場合
ヤフオクで仕入れたものがニセ物だった場合、警察に行く前に準備するものがあります。
- 対象となったオークションID
- 相手方のYahoo! JAPAN ID
- 送金先の銀行名、口座番号、あて先(商品送付の場合には送付先住所、あて名)
- 送金(または商品の送付)を証明する書類の写し
- 相手とのメールの交換記録(メールの記録は、ヘッダー情報を全部表示して印刷する)
- 具体的な状況を説明するメモ
これらの情報書類を持って、最寄りの警察署や、各都道府県警察本部「ハイテク犯罪担当部門」の窓口で提出します。
ニセ物の返送は代引きで
ヤフオク出品者に商品を返送する際は、必ず代引きで送ります。通常発送してしまうと証拠が向こうに渡り、返金もしてもらえない可能性があります。
代引きで発送すれば、出品者は代金を支払わないと商品を受け取ることができません。そうすれば、商品だけ受け取られて返金をしてもらえない、という事態にはなりません。
着払いではなく代引きなので間違えないようにしてください。
ヤフオク出品者と連絡が取れないトラブルの対処法
ヤフオク仕入れで商品を落札、代金を支払ったにもかかわらず出品者と連絡が取れず、音信不通になってしまうのも困りものですよね。
ヤフオクで出品者が音信不通となった場合、中には体調不良で入院してしまった、などの事情がある可能性も否定できませんが、詐欺である可能性もあります。
詐欺にあった場合、Yahoo!運営に連絡しても、警察が動かない限り出品者の情報を開示してくれません。
詐欺が疑われる場合、まずは警察に相談しましょう。警察に行く際には、以下の内容を準備して持参します。
- 対象となったオークションID
- 相手方のYahoo! JAPAN ID
- 送金先の銀行名、口座番号、あて先(商品送付の場合には送付先住所、あて名)
- 送金(または商品の送付)を証明する書類の写し
- 相手とのメールの交換記録(メールの記録は、ヘッダー情報を全部表示して印刷する)
- 具体的な状況を説明するメモ
ただ、ヤフオクトラブルだと訴えても、警察が動かない場合もあります。
例えば、ヤフオク仕入れで商品の支払いをする前に、出品者の連絡先(住所、氏名、電話番号)を聞いたかどうか、これによって警察の対応が変わるのです。
相手の情報を聞かずに支払いをしていた場合は、支払いをしたほうに取引の不備があったと判断され、警察は動いてくれません。
ヤフオクの取引で相手の情報を確認していた場合は、詐欺として立件できるので警察が動いてくれます。相手が知らせてきた個人情報が嘘だったとしても、取引の際に聞いていれば大丈夫。
こうしたことからも、ヤフオクでの取引では、相手の情報を必ず確認することが、とても大事なのです。
ヤフオクの取引ナビには、相手の情報を確認できる項目があります。その項目は、自分で認証を行わないと、内容の確認ができない仕様となっています。
ヤフオクの取引で、この認証を行ってから支払ったか、それとも認証を行わずに支払ったか、この違いによって、警察が動かないか対応が変わってきます。ヤフオク取引では必ず相手の情報を確認しましょう。
出品者情報の確認方法は、まず、取引ナビで出品者情報欄の[出品者情報を確認する]をクリックします。
次に[認証する]というボタンが表示されるので、こちらをクリックします。
すると、以下のように「画像(音声)認証後、出品者情報をご確認いただけます」と表示されますので、認証を行い、[送信する]で進めば出品者の情報が開示されます。
この確認作業は少々手間が掛かりますが、1分もあれば完了します。万が一、詐欺被害に遭った場合の事前対策にもなりますので、必ず行いましょう。
ヤフオク仕入れトラブル時に使えるサポート制度
ヤフオクの仕入れでの失敗やトラブルは、事前に回避できるのが一番ですが、万が一の備えも把握しておきたいですね。
ヤフオク仕入れで失敗や詐欺被害などトラブルに遭ってしまった場合、サポート制度を利用できる可能性があります。諦めずに確認してみましょう。
ヤフオクの商品満足サポート
ヤフオクの「商品満足サポート」は、年に1度だけ、1万円を上限にPayPayボーナスでお見舞いを受け取れるサポートサービスです。
商品満足サポートは例えば、
- イメージと違う
- 商品に満足できない
- 商品説明と違う
- 傷が付いている
- サイズが合わなかった
などの理由で申請できます。ただし、ヤフオクストアと特定カテゴリの商品は対象外となっています。
偽造品トラブル安心サポート
ヤフオク仕入れで落札した商品がニセ物だった場合は「偽造品トラブル安心サポート」というサポートサービスがあります。
「偽造品トラブル安心サポート」は落札後30日以内の申請が必要で、出品者がヤフオクストアの場合に限られます。
「偽造品トラブル安心サポート」では、対象ブランドについても以下のように限定されています。
これらのブランドの中で、さらに対象品目も限定されます。
ヤフオク仕入れで、これらに該当する商品のニセ物が届いた場合、10万円を上限として、全額Tポイントでお見舞いを受け取ることができます。ただしサポートは1人1回まで、審査が必要です。
いずれのサポートも1回のみしか利用できませんが、ヤフオク仕入れで被害に遭ったら申請を検討してみるといいでしょう。
ヤフオク仕入れの失敗を回避しよう
ヤフオクでは個人間の取引が多いこともあり、トラブルが発生することも珍しくありません。商品説明文など、それぞれの判断や独自ルールで記載されていますので、誤解を招くこともあるでしょう。
ヤフオクで安く良い仕入れをするためには、商品説明文や画像など、しっかりと内容を把握するのは当然のことですが、慣れと共にチェックが甘くなったり、うっかりミスも出てきます。不明な点があれば、出品者に質問することも必要ですね。
事前にできることは怠らず、万が一、ヤフオク仕入れで失敗やトラブルが発生した場合は、焦らず冷静に対処して快適な取引を心がけましょう。