【結論】「Amazon輸出は儲からない」は半分本当。正しいやり方を身につけよう!

Amazon輸出とは、日本の商品をアメリカ版アマゾン(Amazon.com)に出品して稼ぐ方法です。後述するように参入障壁は少し高いですが、市場規模は日本のAmazonの10倍にのぼるため、売れる環境が整っているのは間違いありません。
ただし、「結局、Amazon輸出は儲かるの?儲からないの?」という疑問については、正しい知識がなければ儲からないし、あれば儲かるというのが答えです。立地の良い場所に店を出したからといって必ず成功するとは限らないのと同様に、他にもさまざまな条件が必要になります。
アメリカのAmazonも市場は大きいですが、やり方を誤れば商品は売れません。この記事では「Amazon輸出に挑戦したけど、思ったより儲からない…」とならないために、確実に黒字化するための正しいやり方を紹介します。
なぜ「Amazon輸出は儲からない」と言われるのか?10の代表的な理由

「Amazon輸出は儲からない」と聞いて、いきなり諦めるのはもったいない話。まずは、なぜ多くの人がAmazon輸出でつまずいてしまうのか、「落とし穴」を確認するところから始めていきましょう。
理由1:【関税の壁】トランプ関税とデミニミス廃止
「Amazon輸出が儲からない」と言われる理由の中で、最初に立ちはだかるのが「トランプ関税」です。これは、Amazon輸出ビジネスの利益構造を根底から揺るがす事態と考えて間違いありません。
具体的には…
- ほぼすべての商品に対してプラス15%の関税が新たに課される
- 800ドル以下の商品に対する免税措置「デミニミス」が終了する
本来、関税は「輸入者」が支払うものですが、Amazon輸出の場合は現地のインポーターに輸入者になってもらうという特徴があります(詳細は次段落)。
問題は、インポーターは関税を立て替えてはくれますが、後で出品者に請求が来るという点です。つまり、最終的には出品者が関税を負担しなければなりません。
今後のAmazon輸出は、この関税分を考慮しても利益が出せる商品を選択したり、関税分を商品価格に上乗せしても売れるようにしたりする戦略が不可欠です。
理由2:【大前提の壁】日本から直送不可!複雑すぎる「FBA納品」の仕組み
Amazon輸出は、基本的にFBA(フルフィルメント by Amazon)の利用が前提となります。FBAは、出品者が商品をAmazonの専用倉庫に納品すると、商品の保管・梱包・発送・カスタマーサービスまでを代行してくれる、Amazonのサービスです。
アメリカのAmazonで商品を販売するには、アメリカ国内のFBA倉庫に商品を納品する必要があります。しかし、日本からこれらのFBA倉庫に商品を直接納品することは原則として認められていません。
その理由は、Amazonが自ら「輸入者」にならないという立場を取ってるからです。そのため、Amazon輸出をするためには、現地で商品を受け取ってFBA倉庫に納品してくれる「インポーター(納品代行業者)」の存在が必要になります。
インポーターは、あなたの代わりに輸入者となり、煩雑な通関業務、関税処理、FBA倉庫までの配送を一手に引き受けてくれます。利便性が高い反面、「どの業者を選ぶべきか」という点で初心者はつまずきやすいです。
ちなみに、物販総合研究所ではAmazon輸出を専門とする信頼性の高いインポーターと提携しており、実務に役立つノウハウの提供が可能です!
理由3:【戦略の失敗】甘い「商品リサーチ」
日本人が日本国内で商品を販売する場合ですら、市場リサーチは欠かせませんよね。情報を得にくい海外市場ともなれば、当然、より綿密な下調べが必要不可欠です。
ところが、Amazon輸出で失敗する人のなかには、「日本で人気だから、海外でも売れるはず」という思い込みで、十分なリサーチをせずに進めてしまうケースが少なくありません。
アメリカのAmazonセラーは、データ戦略に長けており、充実した分析ツールを使っています。こうした競争環境において、需要や競合セラー、利益率といったデータを分析せずに参入すると、痛い目を見ます。
ちなみに、アメリカのAmazonセラーに大人気のツールといえば「Helium10(ヘリウム・テン)」。日本語でも使えて便利です。以下の記事で使い方を詳しく解説しているので、ぜひチェックしてみてください。
(関連)Helium10とは?アメリカ発Amazon物販ツールを解説【読者限定クーポンあり】
理由4:【コストの壁】想定以上に高い「手数料」と「送料」
物販に取り組む際、単純に「販売価格 - 仕入れ値」だけで利益を計算するようなどんぶり勘定では、なかなか儲けにつながりません。特にAmazon輸出では、国際送料やインポーターの手数料など、国内取引とは異なるコストが発生するため、丁寧に収支管理をする必要があります。
売上から引かれるすべてのコストを計算に入れておかないと、「気づいた時には利益がほとんど残っていなかった」という事態になりかねません。
理由5:【市場の壁】熾烈な「価格競争」と「相乗り出品」
Amazonでは「1つの商品に対して商品ページは1つ」という原則があるため、他のセラーが出品した商品ページに、自分の商品を追加して出品する「相乗り出品」が一般的です。アメリカのAmazonも日本と同様のシステムを採用しています。
相乗り出品では、ライバルとの価格競争やカート獲得を見据えた戦略が不可欠です。他のセラーの動向を把握し、自分なりの方針を持っておくことが求められます。これを怠ると、価格競争に巻き込まれてしまい、利益が出づらくなるだけでなく、時間と労力ばかり使うことになります。
一方、まだAmazonで販売されていない商品を新規で出品する場合には、SEO対策や広告運用などの集客施策が必要です。対策を講じないまま参入すると、ユーザーに商品を見つけてもらえず、まったく売れないという可能性もあります。
AmazonのSEO対策や、各広告の具体的な運用方法については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
(関連)【Amazon SEO対策】物販ガチ勢が知らないといけない検索順位アップ戦略のすべて
(関連)【比較表あり】Amazon広告の種類、どれを選ぶべき?運用のコツをパターンで解説
理由6:【外部リスク①】予期せぬ「為替変動リスク」
自分の努力とは関係なく、円高や円安によって利益が増減するのが、国際取引の難しいところです。為替の動きを完全に予測するのはプロでも不可能だからこそ、為替リスクを前提とした資金計画が求められます。
大前提として、輸出は円安のときに有利で、円高のときは不利になることは覚えておきましょう。
理由7:【外部リスク②】厳しい「Amazonの規約」と「アカウントリスク」
Amazonというプラットフォームを利用してビジネスをおこなう以上、ルールに従うことが大前提です。違反すると、ある日突然アカウントが停止されるリスクもゼロではありません。
特にアメリカ版Amazonでは、出品しようとする商品がことごとく制限対象になっていて、「制限解除」の手続きで請求書や納品書を求められることが多々あります。つまり、そもそも出品までの道のりが長いということです。
また、出品後も、日本と同様に真贋調査があります。ブランド登録されている商品を無許可で販売すれば、警告が届く可能性も。このときに適切な対応ができずアカウントが停止されると、その後の出品や売上金の受け取りに支障が出かねません。
こうした環境でアカウントの健全性を保つには、利用規約をちゃんと読んで理解することが大切です。英語で書かれているからといって、「わからないから」と流さず、Amazonから届くメールはしっかり確認するようにしましょう。
理由8:【運用の壁①】複雑な「言語」と「文化の壁」
アメリカ版Amazonでは、商品説明やお客様とのやり取りは基本的に英語です。言葉の壁については、翻訳ツールを活用すれば対応自体はできます。
一方で、文化の壁は思いもよらぬ場所に潜んでいます。たとえば、返品やクレームへの考え方ひとつをとっても、日本とアメリカでは大きく異なります。
例えば…
- 返品:日本と比較して、返品のハードルが低く、返品率が高め
- クレーム:直接的でストレートに伝えてくるのはもちろん、問題に対する解決策を求められるのが一般的
トラブルが起きたときには、誠実な謝罪と共に、合理的な落としどころを提示する必要があります。
理由9:【運用の壁②】消費税還付の誤解
事業者は、販売時に受け取った消費税から、仕入れ時に支払った消費税を差し引いて国に納めます。
消費税は、日本国内での消費に対して課される税金なので、海外向けに販売する商品にはかかりません。販売時に購入者から消費税を受け取ることもありません。結果的に、仕入れ時に払った消費税だけがかかるため、計算上は「マイナス」になります。
マイナス分の消費税は還付されることになっているため、輸出ビジネスは消費税が還付されてお得という考え方があります。
しかし、「消費税還付で儲ける」という状態になっているのであれば、ビジネスとして成立しているとはいえません。還付をあてにしすぎた資金計画では、いずれビジネスの継続が難しくなるので注意が必要です。
理由10:【マインドの壁】続かない「モチベーション」と「孤独な作業」
Amazon輸出に限ったことではありませんが、すぐに結果が出ないことや地道な作業の連続で、モチベーションを保てず心が折れてしまう人が多くいます。相談相手がいない孤独感は大きな敵となります。
Amazon輸出では、最初から大きな結果を求めず、小さな成功体験を積み重ねることが重要です。不安な方は、信頼できるスクールで相談しながら進めるのも一つの方法です。相談相手ができることで、モチベーションの維持ができ、安心感も得られます。
あなたは大丈夫?Amazon輸出で失敗する人の共通点

ここまで読んで、「いろいろ知るべきことがあるんだな…」と思ったあなたは鋭いです。
Amazon輸出が儲からないと言われる原因を踏まえると、うまくいかない人には共通点があります。ここでは、失敗しやすい人によく見られる「思考のクセ」をこっそりお伝えします。
【共通点1】楽して稼げると思っている人
Amazon輸出を「魔法」のように捉えている人がいます。ボタンを押せばお金がどんどん増える、といった幻想を抱いているタイプです。
【共通点2】どんぶり勘定で利益計算をしている人
感覚でビジネスを進めてしまうタイプ。売上だけを見て満足し、利益までしっかり把握していないのが特徴です。
【共通点3】学ぶことにお金と時間をかけられない人
無料の情報だけでなんとかしようとして、結果として遠回りになるタイプです。最終的に、時間やお金が余計にかかってしまいます。
【共通点4】すぐに行動しない、継続できない人
いわゆる「ノウハウコレクター」。知識ばかりを溜め込んで満足し、肝心の一歩を踏み出せなかったり、三日坊主で終わってしまったりするタイプです。
【実践編】「儲からない」状況を打破する!Amazon輸出で稼ぐための5ステップ

では、どうしたら「儲からない」状況になるのを避けられるのでしょうか? ここからはAmazon輸出で稼ぐための5つのステップを見ていきましょう。
ステップ1:【マインドセット】ビジネスとして真剣に取り組む
「副業だから片手間で」という意識では、なかなか成功しません。副業で取り組むことがダメなのではなく、たとえ副業でも「自分のお店を開く」という経営者マインドを持つことが大切です。
ステップ2:【リサーチ】利益の源泉!徹底的な商品・市場調査
勘や思い込みではなく、データに基づいたリサーチこそが成功の鍵です。アメリカのAmazonでよく売れている日本商品は何か、しっかり調べてから仕入れをするようにしましょう。
ステップ3:【出品・販売】カートを獲得し売上を最大化する
AmazonでFBAを活用して販売をする場合、手数料やカート獲得の仕組みを理解しておくことが売り上げを大きく左右します。「FBAがよくわからない」という人は、関連する以下の記事をぜひご覧ください。
(関連)【初心者でもわかる】Amazon FBAとは?仕組みとメリットをやさしく解説
ステップ4:【顧客対応・効率化】評価を高め、手間を減らす
良いレビューをもらうためには、顧客対応が重要です。FBAが基本的な対応をしてくれますが、ショップ評価を高く保つためにも、問い合わせなどには迅速に返信しましょう。
とはいえ、対応には手間がかかります。リサーチという最重要の作業に時間を割けるように、必要に応じて他の人の力を借りることも大切。ビジネス運営に慣れてきたら、外注を検討するのも有効な手段です。
ステップ5:【分析・改善】データを制する者が輸出を制す
売上データを分析し、改善を繰り返す「PDCAサイクル」を回していきましょう。とくに、広告を運用している場合は、費用対効果をしっかりチェックし、無駄な出稿を防ぐことが重要です。
以下の記事では、Amazon輸出の具体的な始め方について詳しく解説しています。実際にスタートする前に、ぜひチェックしてみてください。
(関連)Amazon輸出の始め方|メリット・デメリットから始め方まで一挙まとめ
よくある質問【FAQ】
最後に、Amazon輸出について、よくある質問に回答していきます。
Amazon輸出って難しいですか?
最初は試行錯誤が必要ですが、ひとたび売れ始めれば大きく伸びる可能性があります。その点で、規模の大きい海外市場に挑戦する価値は高いです。
有在庫と無在庫、どちらがおすすめですか?
Amazon輸出は、FBA利用が前提なので、有在庫が前提となります。
となると、在庫リスクを抑えるためのリサーチや利益計算は不可欠です。事前の調査を大切にしてください。
おすすめのスクールやコンサルはありますか?
物販総合研究所では、Amazon輸出に必須のインポーター(納品代行業者)の紹介も含めてノウハウを提供しています。
特にAmazonの場合は、「アカウント停止リスク」をうまく回避しなければならないので、必要に応じてプロの手を借りるのがおすすめです。
Amazon輸出は「儲からない」のではなく、「正しくやらないと儲からない」ビジネス
今回は、Amazon輸出が「儲からない」と言われる10の理由と、それらを乗り越えてビジネスを黒字化するための5つの具体的なステップを解説しました。
シンプルな話なのですが、アメリカ版Amazonの市場規模は日本の約10倍。チャンスがないわけはありません。儲からないとしたら、それは「正しいやり方」を知らないということ。
逆に言えば、正しいノウハウさえ身につければ、国内のみで販売するよりも大きく飛躍できますよ!
以下の記事では、今後、参入者が増えていくことが予想される「越境EC」について詳しく解説しています。海外市場を視野に入れる際に重要な情報が満載なので、あわせてチェックしてみてください。
(関連)【超入門】越境ECとは?物販のプロが図解で語る、一番やさしい解説
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