eBay返品の基礎知識|リターンリクエスト
eBayでの返品はバイヤー(購入者)が「リターンリクエスト」を行うことで発生します。リターンリクエストのパターンは「セラー都合」と「バイヤー都合」の2つに分けられます。
それぞれのパターンの内容を、見ていきましょう。
eBayの取引キャンセルやその他のトラブルは、以下の動画でも詳しく解説しています。eBayを勉強中の方は、ぜひこちらもチェックしてみてください。
リターンリクエスト①:セラー(販売者)都合
セラー都合の返品は、「SNAD(Significantly Not As Described)returns」とも言います。セラー都合の返品は、商品の不備や発送中の破損などが原因となり発生します。
適切な状態の商品がバイヤーの元に届けられていないため、基本的に返品を断ることはできません。また、返品送料はセラー負担となる場合が大半です。
【セラー都合によるリターンリクエストの主な理由】
- Doesn't work or defective(正しく機能しない)
- Doesn't match description or photos(商品説明や写真と異なる)
- Wrong item sent(注文した品と違う商品が送られてきた)
- Missing parts or accessories(部品や付属品が付属していない)
- Arrived damaged(破損している)
- Doesn't seem authentic(偽造品と思われる)
リターンリクエスト②:バイヤー(購入者)都合
購入した商品に不備はなく、バイヤーの注文間違いや心変わりなどで返品をする場合は「バイヤー都合の返品」となります。
返品送料は基本的にはバイヤー負担ですが、「Return policy(返品ポリシー)」を「 Free returns(すべての返品に対して返品送料をセラーが負担)」に設定している場合は、セラーが負担しなくてはなりません。
返品ポリシーについては「Free return」とは何ですか?」の項で詳しく解説します。
【バイヤー都合によるリターンリクエストの主な理由】
- Doesn't fit(サイズが合わない)
- Changed my mind(購入の意志がなくなった)
- Found a better price(より安価な製品を見つけた)
- Just didn't like it(好みに合わない)
- Ordered by mistake (間違えて注文をした)
eBay返品対応の流れ
eBayでの取引にトラブルが生じた際は、基本的にバイヤーに有利な判断が下されます。セラー側が大きな損害を被ったり負担が増えすぎたりしないよう、返品対応の流れを事前にしっかり把握し、いざという時に適切な対応ができるよう備えておきましょう。
ここからは、eBayでバイヤーからリターンリクエストがあった場合の、対応の流れを解説します。
1.リターンリクエストを確認する
リターンリクエスト(返品の要求)が届いたら、内容を確認しましょう。リターンリクエストは、Seller Hub > Orders > Returnsからチェックできます。
引用元:eBay「対応方法例:「届いた商品が商品説明と違う」という返品の問合せ~Return Request~」(※別タブで開きます)
リターンリクエストの一覧が表示されている画面の、Action>See detailsを確認してみてください。
引用元:eBay「対応方法例:「届いた商品が商品説明と違う」という返品の問合せ~Return Request~」(※別タブで開きます)
詳細ページでは、SMIR期間(Seler make It Right:セラー対応期間)や返品理由などが記載されています。
引用元:eBay「対応方法例:「届いた商品が商品説明と違う」という返品の問合せ~Return Request~」(※別タブで開きます)
SMIR期間(セラー対応期間について)
セラー対応期間は、リターンリクエストを開いてから3営業日以内です。この期間内にリターンリクエストの対処方法を当事者間で決められない場合、バイヤーが希望すればeBayの介入が行われます。
eBayの介入が行われると、これまでのやり取りや資料を元に、セラーの返金の有無をeBayが判断します。
第三者が介入することで公平な判断が下さるようにも思えますが、本来であれば一部返金で済んでいたはずのトラブルも、eBayに全額返金を言い渡される可能性もあることから、eBay介入が必ずしもセラーにとって良い方向に作用するとは限りません。
また、セラー対応期間内に手続きを終えないことで、バイヤーからネガティブなフィードバックをつけられることもあります。
悪い評価があると、今後の売上にも悪影響を与えるため、セラー対応期間内に話し合いを終えておくことが大切です。
2.バイヤー(購入者)にメッセージを送る
リターンリクエストを確認したら、対応を決める前にバイヤーへメッセージを送りましょう。
(参考)eBay「対応方法例:「届いた商品が商品説明と違う」という返品の問合せ~Return Request~」(※別タブで開きます)
返品理由がセラー都合の場合、まずは謝罪をし、商品の状態や詳細などを確認してください。その後、返品・返金方法などを、話し合います。返品・返金方法は次の「3.返品対応を決める」で解説します。
またこれらの話し合いは、セラー対応期間の3営業日以内に済ませなくてはならない点に注意しましょう。
3.返品対応を決める
返品対応の方法は、複数あります。
- 全額返金+商品の返品あり(Accept the return)
- 全額返金+商品の返品なし(Give a full refund)
- 一部返金+商品の返品なし(Offer a partial refund)
- 返品拒否(Decline the return)
状況に応じて、適切な対応方法を選択しましょう。
全額返金+商品の返品あり(Accept the return)
全額返金の返品を受け付ける場合、返品送料はセラー都合の返品であればセラーが負担します。バイヤー都合の返品であれば、基本的にはセラーが設定した返品ポリシーに従います。
また、返品の送り先や梱包方法の指示、有効な追跡番号の提示の依頼をしておくことも、忘れないようにしましょう。
全額返金+商品の返品なし(Give a full refund)
セラー負担となる送料が高額な場合、商品の返送は要求せず、返金だけで済ませることもできます。入金手続きだけ行えば良いため、もっとも簡単な返品の対応方法です。
なるべく早く、手軽に返品手続きを終わらせたい場合にも、この方法が有効です。
一部返金+商品の返品なし(Offer a partial refund)
部品の欠落や、部分的な破損といったトラブルは、一部返金で解決することもあります。
一部返金で対応する場合、必ずバイヤーとやりとりをし、双方同意の上で手続きを済ませましょう。仮に話し合いをせずに「Return request」内で「Offer a partial refund(一部返金)」を選択しても、バイヤーが拒否することがあります。
返品拒否(Decline the return)
バイヤー都合であり、返品対応期間、もしくはeMBG(eBayマネーバックギャランティー)の補償期間(配達日から30日)を過ぎている場合、返品拒否の選択肢が表示されます。
セラーが返品拒否を行う場合、その理由を明確にバイヤーに伝えましょう。返品できない旨をきちんと理解してもらうことで、トラブルやネガティブなフィードバックの記載を防げます。
4.商品を返品してもらう
「全額返金+商品の返品あり」を選択した場合、返送ラベルの作成か返品送料の支払いが必要になります。
返送ラベルを作成できる場合
返送ラベルとは、バイヤーに返品商品に貼り付けてもらうラベルのことです。「着払いラベル」「支払い済みラベル」のことで、アメリカ国内では広く使われています。
返送ラベルの発行手順は、リターンリクエストページの「Upload your own label」をクリックすればOKです。その後、ZipXやeLogi、もしくはその他の契約中のクーリエ(FedExやDHLなど)を使い、オンライン上で返送ラベルを作成できます。
完成したラベルはバイヤーに共有し、プリントアウトをしてもらいます。その後、ラベルを梱包した商品へ貼り付けてもらってください。
返送ラベルを作成できない場合
「クーリエと契約していない」などの理由で返送ラベルの発行ができないこともあります。その場合、バイヤーにPayPalアドレスと返金送料を確認し、指定された金額を直接入金してください。
返金送料をバイヤー側で確認できない場合は、セラー自身が利用している配送業者のサイトや電話などで、送料を確認してください。
また、バイヤーがPayPalを使用していないケースもあります。その際は、その他の支払い方法を両者で決めてください。振り込み手数料についても、どちらが負担するのかあらかじめ話し合っておいたほうが安心です。
返金送料の振り込み手続きが済んだら、金融機関の取引IDを控え、送金日時や金額と共にバイヤーに連絡をします。これで、返品送料の支払いは完了です。商品の代金に対する返金は、返品された商品が手元に届いてから行います。
5.返金処理をする
返品された商品が到着したら、返金処理を行います。
返金処理の期間は、商品が到着してから2営業日までです。この期間を過ぎると、バイヤーはeBayの介入を希望でき、eBayによって強制返金が行われます。さらに、セラー評価の低下など、アカウントにも悪影響を及ぼすこともあるため、期日は必ず守るようにしましょう。
返金手続きは、リターンリクエストのページの「Refund buyer(バイヤーに返金する)」を選択すれば、バイヤーが商品購入時に選択していた支払い方法で、返金処理が行われます。返金処理が反映される期間は3〜5営業日が目安です。
返金後、商品は自動的に再出品されます。破損などが理由で再出品を希望しない場合は、返金処理時に「Relist item(商品の再出品)」のチェックを外しておきましょう。
返金処理については公式サイトにも詳しく書かれているため、チェックしておくと安心です。
(参考)eBay公式サイト「Seller protections(英語)」(※別タブで開きます)
6.ケースを閉じてもらう
リターンリクエストは、基本的にバイヤーがケースを閉じないと完結しません。そのため返品・返金の手続きが済んだら、バイヤーにケースを閉じてもらうよう依頼しましょう。
ケースが閉じたことを確認できたら、リターンリクエストの手続きは終了です。
返品対応を判断するポイント
セラー側が返品に対してどのように対応をするのか、その方法には複数の選択肢があります。返品対応の方法を誤るとエスカレーション(バイヤーがeBayによる介入を申請できる状態)に発展し、セラーが不利益を被ることもあります。そのため、リターンリクエストが発生した際は、適切な判断を下すことが大切です。
判断に迷った際は、次の2点を基準にして対応方法を検討すると良いでしょう。
それぞれの内容を、解説します。
ケースオープン(バイヤーとセラー間に発生したトラブルの申し立て)については、こちらの記事でも解説しています。ぜひ、チェックしてみてください。
(関連)eBay輸出 出品トラブル ebay オープンケース open case されたら?
アカウント評価への影響
返品対応の方法を誤ったり、期間内に対応しなかったりすると、バイヤーはセラーに対して不信感や不満度を募らせてしまいます。その結果、悪い評価をつけられてしまうことも、少なくありません。
セラーに付けられた評価は他のバイヤーの心象を左右するだけでなく、「Detailed seller ratings」にも影響を与えます。Detailed seller ratingsは、eBayの検索アルゴリズムに深く関わっており、自分が出品した商品がユーザーの検索画面に表示される頻度や優先度の重要な指針となるものです。
商品一覧に出品商品が表示されにくくなれば、売上も伸び悩み、アカウンパフォーマンスの低下を招く恐れがあります。そうなれば、商品の表示回数がますます減り、負のループに陥るでしょう。
このように返品対応の方法は、その場限りではなく、長期的な悪影響につながる恐れがあります。eBayでビジネスをスムーズに進めるためにも、リターンリクエストが発生した際は、適切な方法を選択することが大切です。
バイヤーによるフィードバックの影響については、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
(関連)【コピペOK】eBayのフィードバック(評価)とは?バイヤー&セラー向けにわけて紹介
損失額
返品を受け付ける際、返品理由がセラー都合であれば、セラー側が送料を負担しなくてはなりません。商品の状態が良く、他の購入希望者がいそうな商品であれば、送料を負担してでも返品してもらったほうが良いでしょう。
しかし安価な製品や再出品が難しい商品などの場合、返送の費用と時間的コストを考慮すると、返品はせずに返金だけで済ませたほうが良い場合もあります。
返品する商品に見込まれる利益と負担額、さらにバイヤーの心象なども考慮した上で、返品の方法を選ぶことも大切です。
eBayで返品対応をうまく行うには?
返品対応をスムーズに進めるためには、以下の3つの点に注意することが大切です。
それぞれの内容を、見ていきましょう。
eBayのガイドラインを確認しておく
eBayでリターンリクエストが発生した際は、ガイドラインを確認し返品ポリシーをしっかりと理解した上で、バイヤーとコミュニケーションを取るようにしましょう。ガイドラインを守っていなかったり見落としていたりした結果、バイヤーに迷惑をかけてしまうこともあります。
バイヤーとのトラブルはセラーにとって不利な状況を招く原因にもなるため、ガイドラインは事前にしっかり把握しておくことが大切です。
(参考)eBay公式サイト「販売者として返品リクエストを処理する方法)」(※別タブで開きます)
以下の記事では、返品以外にもeBay輸出で知っておきたいポイントについて解説しています。あわせてご覧ください。
(関連)eBay輸出って稼げる?売れるものから儲かる仕組みまで徹底解説!
返品対応は丁寧に行う
バイヤーからリターンリクエストが来たら、丁寧に応じましょう。
問合せには迅速に対応し、適切な処理を行い、バイヤーとの信頼関係を築くことで、返品手続きを気持ちよく終えられます。
対応を丁寧に行いバイヤーとの信頼性を構築できれば、商品に不備があった場合でも、リピーターとなる可能性があります。
商品説明をしっかり書く
商品説明の内容と実際の商品の内容が異なることで、返品が発生することもあります。期待していた商品が届かないことは、バイヤーにとって大きなストレスとなるでしょう。
事前に商品説明を明確に記載しておくことで、このようなトラブルを防げます。
また商品説明欄を充実させておくことで、クレームがあった際も「商品説明欄に記載している」ことを踏まえた上で話し合いを進められるため、穏便にトラブルを解決できる可能性も高まります。
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eBay返品でよくある質問
ここからは、eBayの返品に関する以下のよくある質問に回答します。
バイヤー都合の返品送料はバイヤー負担ですか?
バイヤー都合の返品送料は、基本的にバイヤー負担となります。ただしバイヤーが納得していない場合や、セラーのアカウント評価に関わる場合などは、セラー負担を選択するケースもあります。
状況に応じて、適切な選択をすることが大切です。
また、返品ポリシーで「Free Return」を設定している場合は、バイヤー都合であってもセラーが送料を負担することになるため、注意しましょう。
「Free return」とは何ですか?
eBayには、セラー側が自由に設定できる返品ルールがあります。返品ルールのことを「返品ポリシー」と呼び、「Free return」は返品ポリシーで選べる選択肢のひとつで、返品理由に関わらず、セラーが返品送料を負担する設定のことです。
「Free return」を返品ポリシーとして選ぶことで、バイヤーが安心して購入できたり、eBay内の検索エンジンでの評価が向上したりといったメリットが得られます。ただしコスト面での負担や返品詐欺のリスクなどが生じる点も、頭に入れておかなくてはなりません。
「Free return」を設定する際はメリットとデメリットを比較し、慎重に選択しましょう。
返品不可としたのに返品リクエストが来たのですが?
返品ポリシーで返品を受け付けていない旨を記載していても、バイヤーはリターンリクエストを送信できます。
返品理由によっては、返品不可としていても対応することをおすすめします。悪い評価やバイヤーとのトラブルは、eBayでビジネスを続ける上でリスクとなるためです。
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