「ラクまるっと」は出品代行型フリマサービス
「ラクまるっと」は、楽天グループ株式会社が運営する「ラクマ」において、2020年10月から提供されている出品代行型のフリマサービスです。実際の主なサービスは、協力企業である有限会社フロンティアエンプロイメントが運営しています。
比較的新しいサービスですので、メルカリやヤフオク!などと何が違うのか、よくわからない人も多いのではないでしょうか。そこでまずは「ラクまるっと」の概要を知っておきましょう。
ラクまるっとは、物を売りたい人の出品を代行してくれるフリマサービスです。「ラクまるっと」宛てに商品を送るだけで、出品のための商品撮影や購入希望者との取引のやり取り、購入者への発送などを代行してくれます。
ラクまるっとのユーザーの約8割は女性で、そのうち30~50代の女性が全体の約6割を占めています。このことは、以下の取引量が多いアイテムのトップ3をみれば、よくわかるでしょう。
- 1位:バッグ(レディース)
- 2位:トップス(レディース)
- 3位:ジャケット/アウター(レディース)
ちなみにブランド別でみると以下のとおりです。
- 1位:COACH
- 2位:Burberry
- 3位:Sony
こうしたラクまるっとの利用傾向を踏まえると、高値で効率的に商品を売るには、メインの女性層を意識するべきだと言えます。男性向けの商品や家電などを売りたいなら、「ラクまるっと」はあまり向かないため、他のサービスの利用も検討したほうがよいでしょう。
出典:楽天「ラクマ」の出品代行サービス「ラクまるっと」、取引件数が4カ月で約2.6倍に伸長|PRTIMES
ラクまるっとなら面倒な作業をおまかせできる
ラクまるっとの最大の特徴は、面倒な作業を「まるっと」おまかせできることです。基本的には、ラクまるっとから送られてきたダンボールに商品を梱包してラクマ宛に送れば、後は出品作業や購入希望者とのメッセージのやりとり、発送などを、すべて代行してもらえます。
ただし、利用者の手間が完全になくなるというわけではなく、以下の最低限の作業はしなければなりません。
・出品審査のための商品写真の撮影
・商品名や簡単な商品説明の記入
とはいっても、見栄えのよい商品写真を撮影したり、購入希望者と交渉したり、注文があればすぐに梱包して発送したりという手間を思えば、ずいぶん楽に感じる人は多いのではないでしょうか。
例えば、仕事や家事が忙しく、フリマアプリを頻繁に確認するゆとりがない人でも、ラクまるっとなら負担が増えることはありません。特に不用品をまとめて処分したいような場合は、便利に活用できるでしょう。
また、初めてフリマアプリを利用する人にとって精神的な負担が大きい部分も任せられるのもメリットです。例えば、購入希望者のなかには購入意欲が低く、なかには冷やかしに近い人もいたり、いろいろ注文や条件を付けて交渉してくる人もいます。慣れないうちは、こうした人とのやり取りが疲れるものですが、ラクまるっとを利用すれば、対応する必要はありません。
こんな人はラクまるっとがおすすめ!
ここまでラクまるっとのサービスの特徴を紹介してきました。具体的にラクまるっとの利用に向いているのは、以下の条件のいずれかに当てはまる人です。
おすすめの人 |
具体例 |
面倒な作業をしたくない人 |
・見栄えの良い写真の撮影や、丁寧な梱包などが面倒 ・仕事や家事が忙しくて時間がない ・迅速な発送作業ができない、したくない |
フリマサービスの利用に慣れていない人 |
・どうやって出品・発送すればよいのかわからない ・個人間取引に対して不安がある |
不用品を処分したい人 |
・多くの利益は望まないが、リサイクルショップに売るより高く売りたい ・不用品がたくさんあるので、売れるまで自宅に置いておきたくない |
もちろん、ケースバイケースで他のサービスとラクまるっとを組み合わせる方法もあります。
例えば、「幾らかでもお金になれば」というような商品はラクまるっとを利用し、需要が高くて高値で売れそうな商品はメルカリに自分で出品するなどの方法もあります。また、フリマの初心者がラクまるっとで慣れてから、他のサービスを利用してみるというのもよいでしょう。
マカセルなど他のサービスとの違いは?
出品代行サービスを提供しているのは、ラクまるっとの他には、マカセルとベアーズが有名です。違いをまとめたのが以下の表です。
ラクまるっと |
マカセル |
ベアーズ |
|
特徴 |
ラクマに出品代行を依頼するサービス |
出品代行者(マカセラー)とマッチングするサービス |
ベアーズに出品代行を依頼するサービス |
出品代行サービスへの送付 |
ダンボールの用意、梱包、送付を自分でする |
宅配業者が自宅に取りに来る |
集荷スタッフに渡す (ダンボールの用意、梱包は自分でする) |
出品代行サービスへの送料 |
実費 ※売上10,000円以上で実費分をキャッシュバック |
無料 |
無料 |
出品期間 |
最長6週間 |
10日~最長2カ月 |
2カ月 |
手数料(税込み) |
880~2,200円+販売価格×13.75% |
フリマアプリ手数料として販売価格×3.85~10%+マカセラーへの手数料として販売価格×25~50% |
販売価格の50% |
購入者への送料(税込み) |
748~1,320円 |
110~3,300円 |
実費 |
振込手数料(税込み) |
220円 |
440円 |
440円 |
ラクまるっとやベアーズのように任せられる部分が大きい出品代行サービスは、手数料が割高です。
一方、マカセラーと呼ばれる出品代行者とのマッチングサービスを提供しているマカセルでは、割安な代行者を見つけられる可能性があります。手間やコストなどを総合的に検討して、自分に合ったサービスを探しましょう。
ラクまるっとの評判は?利用者の声を紹介
実際のところ、ラクまるっとのサービスの評判は良いのでしょうか。また、どのような口コミが多く聞かれるのでしょうか。ここでは、ラクまるっとの利用者の生の声をSNSから取り上げ、総合的にどう評価されているか探っていきます。
悪い評判と口コミ
「ラクまるっとは手数料高すぎる。
地道に自分で出品したが断然いい
二度と使用しません。」
https://twitter.com/rinarinamomo5/status/1403157440569372675
「新品タグ付き、ブランド 34点
段ボール一箱で1600円かかり
■ご精算金額
[ 100 円 ]
- 明細内訳 -
・ 売上金額 8,800円
・ ラクまるっと手数料 3,464円
・ 購入者への送料合計 5,236円
----------------------------------
・ 精算金額
100 円
えっ?」
ラクまるっとの手数料は高すぎるという声がよく聞かれます。
面倒な作業を代行してもらっているので仕方がない部分もありますが、いざ振込額を確認した際にがっかりしてしまう人も少なくありません。
ラクまるっとは不用品処分と同じような感覚なら問題ないですが、なるべく多くのお金をもらいたい人には不向きという意見が一般的です。
「ラクまるっとで色々売りたかったけど、審査ダメだったみたい…
梱包面倒だけど、出品だけしておいとくか、中古ショップに持ち込みor配送のが楽チンっぽい?」
https://twitter.com/chocoholic14feb/status/1378579403479736321
「ラクまるっとって全然申請通らないんだね(主にルミネとかに入ってるお店の未使用に近い服だったけど)。
自分でフリマアプリのやり取りするのは面倒だと思って申し込んでみたけど、そんなに楽な話はないってことかー。」
審査に通りにくいという声もよく聞かれます。
ラクまるっとでは、「1回の申し込みで3,000円以上が見込めること」「ブランド品の場合、領収書や保証書が付いていなければならない」などの条件があって、審査が厳しいことが影響しています。
そのため、出品代行してもらえるので気軽な気持ちで申請してみたところ、ツィートにあるように断られてしまう人も少なくありません。
審査に通る場合も、1週間以上時間がかかるケースがあるため、急いで不用品を現金化したい人には向かない面もあります。
良い評判と口コミ
「不要品を売るにしても。
何か迷いがあったり自信も無い。特に私は。
そんな時は #ラクまるっと が良いかも?
ラクマの運営さんに任せた場合、番組を視た感想ですが綺麗な画像で出品されて良いなと思いました。
5日で1万円!迷いも無くなりますね。」
「ラクマの新サービス出品代行が結構良さげ!
出品から発送までしてくれ手間がかからないし、売れなかったら慈善事業に寄付してくれるのがいい!
売れた場合の手数料は結構取るけどしゃーなし😎」
https://twitter.com/Minimalist_K_/status/1358993783736553478
「綺麗な画像で出品してもらえる」「出品から発送までしてくれる」などで手間がかからない点を評価している声も聞かれます。
フリマ利用の一連の作業が面倒で、なおかつ少しでもお金になればいいと考える人からは、総じて手数料は高くないと評価されていると言えるでしょう。
また、売れ残ってしまったときの選択肢があるのも便利なところです。
無料で破棄をしてくれるほか、ツイートにあるように寄付もできますので、お金が入ってこなくても気持ちを納得させやすい面があることは確かです。
ラクまるっとのサービス料金
ラクまるっとは、1つの商品の販売価格によって手数料が変わります。なお、取引が成立しなかった場合は手数料はかかりません。
1つの商品の販売価格 |
手数料(税込み) |
~4,999円 |
880円+(販売価格×13.75%) ※1,900円以下の場合、販売額と同じ手数料 |
5,000円~9,999円 |
1,375円+(販売価格×13.75%) |
10,000円以上 |
2,200円+(販売価格×13.75%) |
送料は購入者に届けるダンボールのサイズによって決まっています。
サイズ |
ラクマ→購入者への送料(税込み) |
100サイズ以下 |
748円 |
160サイズ以下 |
1,320円 |
例えば、10,000円の商品を100サイズ以下のサイズで出品して取引が成立した場合は、
売上金=10,000円-(2,200円+(10,000円×13.75%))-748円=5,877円
になります。
これに、自宅からラクマに送る際の送料が引かれます。
しかし、売上が1万円以上になると自宅からラクマへの送料分がキャッシュバックされるため、上記の例では最終的な売上金は変わりません。
ただし、自宅からラクマに商品を送る際、100サイズ(外寸合計100cm)以内にしなければ、送料が全額自己負担になるので注意しましょう。
ラクまるっとの利用の仕方
ラクまるっとを利用する手順は、大きく分けると「申し込み→ラクマへの発送→出品、取引→売上金の受け取り」の4ステップです。それぞれについて解説します。
ステップ1:申し込み
ラクまるっとを初めて利用する場合には、利用登録の申請が必要です。また、出品代行を依頼するには、毎回審査を受けなければなりません。手順は以下のとおりです。
- ラクまるっと公式ページにアクセス
- 「ラクまるっとに申し込む」ボタンをクリック
- 利用登録ページに進むので、必要事項を記入
- 出品代行を依頼したい商品と説明文を記載して申請
- 審査が行われる
※以下の場合は、受付不可になるので事前にチェックしておきましょう
- 売上合計3,000円以上が見込めない
- 申込内容が不正確または具体的でない
- ラクまるっとで出品可能な品目でない
ステップ2:発送
審査に通過したら、売りたい物を自宅からラクマへ発送しましょう。手順は以下のとおりです。
1.ダンボールを用意する
※100サイズ(外寸合計100cm)以内にしないと、送料が全額自己負担になってしまうことに注意してください
※ダンボールは使用済みでも問題ありません
2.商品を梱包する
※緩衝材、緩衝シートなどを用意します。これらはホームセンターのほか、100均ショップなどでも販売されています
3.元払いでラクマに荷物を送る
※売上が10,000円以上出ると、後から精算のタイミングで送料がキャッシュバックされます
ステップ3:出品&取引をおまかせ
出品や購入者とのメッセージのやり取り、発送は、ラクまるっと側に代行してもらえます。
利用者側で特に何もしなくても出品と取引は完了できますが、以下のように進めることもできます。
- 出品から1週間以内は、マイページから自分が希望する販売価格を設定できる
- 必要に応じて出品状況をマイページで随時確認する
- 1週間を超えるか希望販売価格を設定しないと、ラクまるっとが最適化した価格が設定される
- 売れ残っている場合は、自動的に30~50%まで下げられる可能性がある
- 商品が売れた場合は次のステップへ
※売れ残った場合は返送、破棄、寄付のいずれかを選ぶ(※詳しくは後ほど解説)
ステップ4:売上金の受け取り
商品が売れた際は、マイページから振込申請すると、売上金から手数料、送料、振込手数料220円(税込み)を差し引いた利益が振り込まれる仕組みです。
この際、売上が10,000円以上あれば、自宅からラクマに送った送料がキャッシュバックされます。
なお、振込申請をしなかった場合は、9月30日または3月31日のいずれかに自動的に振り込まれます。
ラクまるっとについてのよくある質問(Q&A)
ここでは、ラクまるっとについてのよくある質問に対して、Q&A方式で解説します。
商品が売れ残ったらどうなるの?
出品後約6週間以内に売れないと、出品を取り下げられます。その後は、返送か破棄、寄付のいずれかを選択できます。
返送の場合は着払いでの返却になるため、送料を負担しなければなりません。
破棄の場合は費用は無料です。
寄付の場合は、公益財団法人CIESF(シーセフ)というNGO団体に送られ、開発途上国の教育の支援に活用されます。
ラクまるっとのデメリットは?
口コミや評判を総合的に判断すると、手数料が高めなことと、審査が比較的厳しい点がデメリットです。
特に売上金が10,000円未満の場合は、自宅からラクマへの送料も自費になるため、利益が少なくなってしまいます。
自分でダンボールを準備してから梱包して送らなければならないなどの手間を考えると、手数料が割高と感じる人も少なくありません。事前に利益をシミュレーションしてみて、納得いかないなら他の方法も検討するとよいでしょう。
また、審査で意外にハードルが高いのが「売上が3000円以上見込める」という条件です。自分では価値があるはずと思っていても、実は販売価格を相当下げないと売れないことはよくあるものです。
特に元の値段が安い商品なら、ある程度数がまとまってから利用しなければ、審査に落ちてしまう確率が高くなってしまいます。
そのほか、申し込み内容が正確で具体的かどうかもチェックされますので、しっかり記述しましょう。
また、1点でも受付不可の商品があれば、全部を却下されてしまうことにも注意が必要です。受付不可の商品は次項で解説していますので、一通り確認しておいてください。
売れない物はあるの?
ラクまるっとでは、以下の10分野の取扱不可商品があります。
- 家電リサイクル法の対象商品(エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機)
- 車、バイク
- 大型の家具、家電
- 保証書、領収書、レシートのないブランド品、宝飾品
- 和服、着物(※浴衣や作務衣、はんてん、じんべえなどは除く)
- Web媒体の商品(オンラインアカウント、アバターのアイテムなど)
- 専門の管理設備が必要なもの(生鮮食品、冷凍食品)
- アルコール、酒類
- チケット類
- 宅配業者が取り扱えない物
- ラクマのルールで取り扱い不可のもの(レプリカ商品、医薬品、18禁商品など)
参考:ラクマのルール|ラクマ
「ラクまるっと」の特徴を理解して上手に利用しよう
ラクまるっとは出品のための写真撮影や、購入希望者とのやり取り、発送などを任せられる便利なサービスです。
その分、手数料が割高なことは否めません。不用品を売ってなるべく高額で現金化したいなら、メルカリなどの他のサービスも検討しましょう。
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家のちょっとした不用品の出品から試せる内容になっていますので、気軽にチャレンジしてみてください。