せどり帳簿のエクセルでの作り方のポイント
★main
せどりの帳簿をエクセルで作るにはコツがあります。
この段落では、そのための3つのポイントを紹介していきましょう。
仕入れを管理する
仕入れが発生したら、すぐにエクセル帳簿に入力してくことが基本です。
一般的な帳簿のつけ方では、出金伝票などの取引ごとに記録しておく「伝票」が使われます。
この方法では、取扱の商品点数が多くなると手間が増えてしまうのですが、商品点数が少ない段階では逆に効率的な場合があります。
手書きの伝票に一旦書き込んで、あとでまとめてエクセル帳簿に入力するのです。
自分でわかりやすく、間違いの少ない方法で仕入れを記録しておきましょう。
なお、毎日仕入れがあるのなら、その日のうちに入力を完了させます。
つまり、一日ごとに「帳簿を締める」のです。
これは、現金などの入出金管理だけではなく、商品の在庫管理にも役立ちます。
エクセル帳簿の最初の行に書くべき管理項目は、商品名、仕入れ日、仕入れ先などです。
クレジットカードや現金などの支払方法や、その決済日なども記録しておくとよいでしょう。
エクセルを使うと、この仕入れ情報を後で発生する売上情報にリンクさせることができます。
そうすることで、どの商品が回転率が良いかなどの分析に活かせるのです。
売上を管理する
いかにすばらしい商品を仕入れたとしても、売上が向上しなければ利益は出ません。
そのため、売上の管理は利益を確定させるための最も重要なポイントなのです。
特に、金額に関しては正確さを徹底して、お金の流れを十分に管理する必要があります。
エクセルで管理すべき項目は、仕入れと同じように、まず日々の売上です。
商品名、売価、数量、値引き額、決済方法などを正確に記録します。
販売された地域や時間帯のデータがあれば、それも同時に入力しておきましょう。
これらのデータは、商品をECプラットフォームに出品する際に、顧客データや嗜好に合わせたおすすめ広告を導入するときの指標となります。
たとえば、商品によっては売れる時間に偏りがある場合があり、その時間のページ露出を増やして売上高向上を目指すのです。
日々の管理を蓄積していき、ある期間ごとに集計したデータをまとめることはエクセルの得意技です。
売上高、利益率などはすぐに計算することができます。
たとえば、A1セルに仕入れ額、B1セルに売上額が入力されているとします。
ここで、C1セルに「=B1-A1」と入力すれば、利益額が算出できます。
このとき、B1セルの売上に対しての利益率をD1セルに表示させたいのであれば、「=C1/B1」と入力すれば即座に計算できるのです。
A1やB1セルの数値を変更すれば、その変更に対応した利益額や利益率を計算してくれるところもエクセルの魅力です。
なお、利益率をパーセンテージで表示させたいのであれば「セルの書式設定」画面で「表示形式」を「パーセンテージ」に変更します。
その他、次回の売上金の入金日や、次回の振り込みに持ち越されることになる、締め日以降の売上金などについてもエクセルで管理しておきましょう。
支払いを管理する
商品の仕入れの際にはさまざまな支払い方法があるため、この点についてもエクセルでしっかり管理しておきましょう。
特に、せどりの場合は現金ではなくクレジットカードやキャッシュレス決済を用いることが多いと考えられます。
仕入れ金額が大きくなると、ポイント還元率の高い決済方法を使ったほうが実質的な仕入れ価格を抑えることができるのです。
このような還元率は運営会社やカード・タイプによって異なり、キャンペーンなどでも変化します。
関連情報をエクセルで管理しておけば有利な支払い条件で取引を進めるヒントが得られるでしょう。
なお、プライベートとせどりで使う決済方法は別のものにしておいたほうが管理が楽になります。
支払いに関して、それぞれの支払いごとにエクセルで管理すべき項目は、カードでの引き落とし項目、引き落とし額、カードのブランドと名称などです。
これとは別に、決済方法についてもリストを作っておいて、それぞれのカードの上限額、利用可能額、締め日、口座引き落とし日などの情報をまとめておきます。
せどりで帳簿が重要となる4つの理由
★toc1
ビジネスでは帳簿が重要ですが、ビジネスとしてせどりをやるのであれば帳簿は必ず作成しましょう。
ここでは、せどりで帳簿が重要となる理由を4つ紹介します。
在庫管理をするため
せどりビジネスで帳簿を作成する最大の理由は「在庫管理」です。
商品を仕入れたあとで、在庫として手元に残っている数量について管理しておくことは利益追求のための最重要課題といえます。
通常は、在庫は毎日変動するものなので、最新の状態とその変化を押さえておく必要があるのです。
在庫管理が確実に実行されていれば、まず現在抱えている在庫の数量が確定できます。
そして、その商品数に単価を掛ければ資産額がわかるのです。
利益という観点からは、在庫の金額がわかれば利益額も予想できます。
このように、しっかりした在庫管理データさえあれば、目標の利益を上げるために必要な在庫量を決めることができるのです。
また、月間や週間で棚卸しを行い、一定期間ごとのレポートを作成しておけば、商品ごとの売れ行きも把握できます。
このレポートによって、個別の商品についての売れ行きの良い時期や販売数量の推移が客観的に把握できるのです。
この情報は、次に仕入れる際の重要な判断指標となります。
なお、せどりビジネスで注目されているAmazonのFBAサービスを利用している場合、契約のコースによっては詳細なレポートが利用可能です。
ただし、在庫にずれがないかなど概略をすばやく把握するには、別の帳簿を作成しておいたほうが良いでしょう。
自分にわかりやすい帳簿を自分で作成しておけば、事情があってFBAのサービスの利用を停止したときにも、在庫管理で混乱するリスクを減らすことができます。
利益計算をするため
利益を正確に把握するためには、帳簿は不可欠なツールです。収入と支出は別々のタイミングで発生します。
それぞれ通帳への入金履歴や領収証などで記録は残りますが、ある期間に収支のどちらがプラスになっているのかは、そのままではわかりません。
これを明確にするのが帳簿なのです。
収支の情報を1つに集めて、それぞれの合計を出して比較して利益を確定します。
このようにして、現状どれくらいの利益が出ているのかを把握しておくことは、資金繰りを円滑にするうえでも欠かせないといえます。
経理管理・収支管理をするため
せどりは「安く仕入れて高く売る」というわかりやすいシステムなので、売上が上がり資金が回っている間は、利益を正確に把握していない人も多いようです。
ところが、ある決まった期間ごとの利益の推移が正確に把握できていないと、気付いたら赤字になっていたなどということもあります。
定期的に情報を収集しておけば、赤字転落の前兆がわかるので、対策をとることができるのです。
具体的には、仕入れ額や手数料・送料などの「経費」、販売額などの「収入」、そしてその差額の「利益」などが管理項目になります。
なお、出品している商品ごとの情報を管理することに加えて、1カ月ごとにビジネス活動全体の収支を横断的に管理しましょう。
せどりで収益が出ているかどうかが数字でわかるようになります。
資金管理をするため
在庫管理をすれば「不良在庫」の存在が明らかになります。
不良在庫とは、予想したペースで売上が上がらない商品の在庫を抱えている状態で、資金を悪化させるだけです。
ほとんど収益はなく倉庫代などの固定費だけが出ていきます。
せどりに限らず、小売業は仕入れた商品を適切なサイクルで販売することで成り立っています。
もし、不良在庫を抱えていると資金繰りが厳しくなってしまう場合があるのです。このときの対策に「損切り」があります。
損切りとは、仕入額に利益を乗せて販売するのではなく、とにかく不良在庫を現金化するために、原価割れでも販売してしまうことです。
これは損失を伴う行為なので、慎重に行う必要があります。
そのための判断材料は帳簿に記載されているのです。
いつから不良在庫になっているかについては、商品ごとの仕入れや売上の履歴を見ればわかります。
あまりにも動きが悪い商品は、損切りの対象にすればよいのです。
このように帳簿の情報を活用すれば、リスクを抑えながら損切りが可能となります。
確定申告を行うため
個人でやっていても、組織でやっていても、せどりで利益が発生した場合は課税対象となります。
納税額を決めるためには税務署に対しての確定申告が必要になるのです。
その際に提出する書類に記載する情報は帳簿から転記することになります。
これも帳簿を作成しておくべき重要性のひとつといえます。
確定申告には白色や青色などの種類があり、しっかりした帳簿をつけていれば課税の際の控除額が大きくなる点に違いがあるのです。
そのため、可能であれば公的に認められた複式簿記のフォーマットで帳簿を作成しておくとよいでしょう。
複式簿記であれば、規模が大きくなり収支の項目が複雑になったときでも十分に対応できます。
せどりをビジネスとして行うときには、確定申告と在庫保有期間の関係については注意すべき点があります。
せどりは個人事業主という立場になりますが、その場合には仕入れを経費として計上できます。
ただし、課税対象期間を超えることはできません。
個人事業主の課税対象期間は1月1日から12月31日までなので、それをまたいで在庫を保有していると、経費として計上ができないのです。
一般的に、経費が下がると利益が多くなるため、納税額は高くなってしまいます。
このような課税に関してのルールを知っていると適切な納税が可能になり、追徴課税を取られるリスクも低くなるのです。
なお、このようなルールに詳しい税理士を雇う方法もありますが、日常的に帳簿をつけていないと依頼ができないこともあるので注意しましょう。
エクセルで帳簿管理をするメリットとは?
★toc2
マイクロソフト社の表計算アプリケーション「エクセル」は、オフィスで使うパソコンに標準でインストールされていることが多いため、触れたことがある人も多いかもしれません。
エクセルはさまざまな用途に使うことができますが、帳簿の作成は得意中の得意といえます。
エクセルを使い慣れたひとにとっては、帳簿専用アプリケーションを導入するより使いやすいでしょう。
また、初心者でもコツさえ覚えれば、難しい操作手順を覚えることなく面倒な計算を自動化することができるのです。
せどりの際にエクセルで帳簿管理をすると、次のような5つのメリットがあります。
1つ目は、商品の知識が蓄えられることです。
売上帳などの帳簿を作るときに備考欄の列を加えておいて、商品について気がついたことを書き込んでおきます。
ある程度データが蓄積されたら、商品名などのキーワードでフィルターを掛けると、商品情報をまとめてチェックすることができるのです。
2つ目は、利益が出やすい商品を見つけやすくなることです。
売上高から費用を加えた原価を引くと利益が得られます。
この利益を売上高で割ったものが利益率です。
この計算を取り扱う全ての商品で行い、それを比較すれば最も利益率の高い商品が即座にわかります。
3つ目は、仕入れの原価を見直しやすくなることです。
エクセルの帳簿で利益率の悪い商品が見つかれば、仕入れ原価を下げる必要があります。
別の仕入れ先を探してなるべく原価の安いところから仕入れるか、仕入れ量のボリュームを増やす代わりに仕入れ単価を下げる交渉を行う必要があるのです。
4つ目は、売上の全体像が把握できることです。
エクセルでは帳簿のデータを見やすく加工できるさまざまな分析ツールが揃っています。
数値をグラフなどにすることでビジュアルで状況を把握できるのです。
5つ目は、無駄な経費を削減しやすくなることです。
すべての取引をひとつのエクセル帳簿で管理すれば、経費に計上される細かい項目ごとに無駄があるかどうかを確認することができます。
この場合も、グラフを使って「見える化」することで、項目ごとの課題が浮かびあがってくるはずです。
帳簿・台帳へデータを入力するタイミング
取引にはさまざまなタイミングがありますが、帳簿へデータを入力するタイミングについて確認しておきましょう。
まず、商品を仕入れたタイミングで、仕入れ内容のデータを入力します。
つぎに、経費が発生したタイミングで、支払い内容のデータ入力が必要になります。
出品商品が売れたら、その都度売上内容のデータを更新していくのです。
このような日々の作業を積み重ねつつ、月末には、1カ月分の集計作業を行います。
入力の基本は、お金や商品の移動が発生したら、すぐに行うことです。
まとめてやろうとすると、データが欠損して最終的な収支の金額が合わなくなり、無駄な労力が必要になることがあります。
こまめな入力を心がけましょう。
エクセルなら簡単に帳簿管理ができる!
成功するせどりを目指すのであれば、帳簿管理は不可欠です。
手書きで管理する方法もありますが、エクセルを使うと簡単かつ正確な情報の管理が可能になります。
日々の入出金の管理をこまめにやっておけば、ある期間ごとの全体的な利益率計算や、不良在庫の処理などに活かせる情報収集も簡単にできます。
ぜひ、エクセル帳簿でデータを管理してみましょう。