クラウドファンディングとは?仕組みを解説!
クラウドファンディングとは、「群衆(Crowd)」と「資金調達(Funding)」という言葉を組み合わせた造語で、ビジネスへの考え方や取り組み方に賛同してくれた不特定多数の人からインターネットのサイトを介して開業資金や開発資金などを集める手法です。
資金を集めるためにプロジェクトを起案した人を起案者と呼び、起案者に資金を提供する人を賛同者や支援者と呼びます。
クラウドファンディングは、起案者がクラウドファンディングのサイトに自身が行いたいプロジェクトを立ち上げ、賛同者は気に入ったプロジェクトに資金を提供する仕組みです。
資金調達をする際は、銀行や日本政策金融公庫から借りることが基本でしたが、現代ではクラウドファンディングのような方法でも資金を調達ができます。
クラウドファンディングの基本的なやり方とは
クラウドファンディングの基本的なやり方を紹介します。
クラウドファンディングの基本的なやり方や順番は、下記のとおりです。
- 目標を決める
- 利用するサイトを選定する
- プロジェクトの登録
- プロジェクトの審査
- プロジェクトスタート
- 賛同者・支援者への状況報告
- 支援者へのお礼
まずは、どのようなプロジェクトをやるのかを決めて、どのくらいの資金が必要なのかを決定しましょう。プロジェクトに賛同してもらえなければ、資金を集めることもできません。
プロジェクト作成後は審査です。サイトの運営者よりプロジェクトの見通しがたつかどうか、社会的に問題がないか、犯罪に加担していないかを審査されます。
クラウドファンディングビジネスではプロジェクトが達成したら、運営者側によって手数料が引かれて資金が起案者の口座に振り込まれます。起案者は資金を提供してくれた支援者に対してお礼の手紙を送ったり、返礼品を送ったりするのが特徴です。
個人でも成功できるクラウドファンディングのやり方
クラウドファンディングは法人だけでなく、やり方次第では個人でも十分に成功させることができます。
個人でクラウドファンディングを成功させるやり方は3つです。
- 支援者に対しプロジェクトの成功後をイメージさせる
- 支援者にプロジェクトを共感してもらう
- 返礼品の内容をしっかりと考える
まずは、プロジェクト成功後に、どのようなサービスなどが展開されるのかを支援者がイメージしやすくなるようにプロジェクトの内容を考えましょう。特にプロジェクト文は想いを伝えるために、とても重要となります。
プロジェクトに共感してもらうために、SNSでプロジェクトに対する想いを発信していくことも大切です。
また、プロジェクト成功にはリターンも準備しておかなければなりません。プロジェクトに賛同してくれた方が喜ぶリターンを複数用意しましょう。
プロジェクトで扱う商品を決定する
クラウドファンディングを利用するには、プロジェクトで扱う商品やサービスを決定する必要があります。
なぜなら、クラウドファンディングは取り扱う商品やサービスをプロジェクトとして発表し、資金の提供を募る仕組みだからです。
特徴として、これまでにないアイデア商品や、魅力的な映像、音楽、ゲームなどを扱うプロジェクトが多い傾向にあります。
優秀なクリエイターや発明家が、アイデア勝負で資金調達をすることも少なくありません。
それでは、斬新なアイデアがないとクラウドファンディングは始められないのでしょうか。
クリエイティブでないからといって心配になり諦めてしまう必要はありません。
アイデアはないもののクラウドファンディングでビジネスを始めたいという人は、海外の商品を日本で販売するプロジェクトを立ち上げるという手があります。
自分で海外から商品を見つけてきて、輸入販売するビジネスです。
海外から商品を見つけるには、海外で開催される展示会に足を運んだり、クラウドファンディングサイトをリサーチして日本未発売の画期的な商品を探したりする方法があります。
海外は市場が広く、まだ日本に輸入販売されていない商品がたくさんあり、日本の市場にニーズのある商品が転がっているはずです。
日本で未発売の商品を見つけてきて、メーカーと代理店契約を結んで輸入販売するビジネスがあります。
商品の探し方をどう始めてよいかわからない人は、過去のクラウドファンディング成功体験などを読んでみるとイメージがわきやすいかもしれません。
商品を探してどんなプロジェクトをやりたいのか、目標を設定しましょう。
クラウドファンディングの決済方式を決定する
プロジェクトで扱う商品を決めたら、決済方式を2種類から選びます。
クラウドファンディングを実施するには、「All or Nothing」と「All In」の2種類の決済方式から選択しましょう。
All or Nothingは、募集期限までに集まった金額が目標に達した場合のみ、プロジェクトが成立となり資金を受け取ることが可能です。
目標に達しなかった場合はプロジェクトは不成立となり、全ての資金を支援者に返金することになります。
どれだけ資金が集まっていても、一切受け取ることができません。
All Inと呼ばれる方式では、募集金額が目標に達しなくてもプロジェクト期間が終了した時点でプロジェクト成立となります。
募集期間内に集まった分の資金を受け取ることが可能です。
ただし、All In方式ではプロジェクトをキャンセルすることはできません。
それぞれの特徴を押さえ、どちらにするか決定しましょう。
プロジェクトを掲載するクラウドファンディングサイトを選択する
商品と決済方式が決まったら、プロジェクトをどのサイトに掲載するか選択しましょう。
クラウドファンディングにはいろいろな種類があり、プロジェクトの目的ごとに数多くのサイトが存在します。
それぞれに強い分野や手数料が異なるので、自分が達成したいプロジェクトに合ったものを選ぶことが大切です。
ここでは、クラウドファンディングの種類と、それぞれの代表的なサイトを紹介します。
購入型クラウドファンディングサイト【物販やビジネスに】
購入型クラウドファンディングサイトは、クラウドファンディングサイトの大多数を占めます。
購入型は、支援者がお金を支援し、起案者がプロジェクトの商品やサービスを提供する方式です。
金融機関からの融資と違って、金銭での返済を前提とせず、支援者は商品を購入するような感覚で資金提供を行います。
また、購入型クラウドファンディングでは「All or Nothing型」と「All In型」の2種類から選択可能です。
購入型クラウドファンディングサイトの例として、「MAKUAKE」や「CAMPFIRE」があげられます。
商品やサービス内容が伝わりやすく、話題性もあり、おすすめの方式です。
海外商品を日本で輸入販売するビジネスを始めたい人は、この方式を選ぶとよいでしょう。
後に輸入販売を本格化する際にも支援者の応援や口コミが期待できるため、クラウドファンディングでの手応えが活動方針の決定に役立つかもしれません。
→ Makuake
→ CAMPFIRE
寄付型クラウドファンディングサイト【社会貢献や法人・企業向け】
寄付型クラウドファンディングサイトとは、社会や地域に貢献するプロジェクトを提示し、支援者がお金を寄付する仕組みのクラウドファンディングです。
街頭や組織で行われる一般的な寄付と同じで、基本的に支援者へのリターンはありませんが、場合によっては支援者がお礼として手紙や活動報告などを受け取ることがあります。
被災地への支援や地域活性化、環境保全、業界支援など、社会貢献の意味合いが強いプロジェクトに多く採用される方式です。
寄付型クラウドファンディングではやり方によっては、寄附金控除などの税制優遇も受けられるので、節税対策にもつながるでしょう。
クラウドファンディングで行うと通常の寄付よりも広い範囲で支援を募集でき、効率的に寄付金を集めることができます。
寄付型クラウドファンディングのデメリットとして、一度始めたら途中で中止ができないので注意してください。
寄付型クラウドファンディングサイトの例として、「Readyfor Charity」、「CAMPFIRE」などがあげられます。
融資型クラウドファンディングサイト【事業立ち上げなどに】
融資型クラウドファンディングサイト(ソーシャルレンディング)とは、個人投資家がプロジェクトを実施する企業へ融資を行う方式です。
借り手と投資家の間をクラウドファンディングサイトが仲介し、小口の資金を集め大口化して融資します。
融資型クラウドファンディングは、寄付や購入ではなく融資、つまり貸付する性質があり、資金は利息とともに支援者に返済されるため、金融商品のひとつとなります。
「Makuake」、「GREEN FUNDING」などが、融資型クラウドファンディングサイトの一例です。
ファンド型クラウドファンディングサイト【投資目的が多い】
ファンド型クラウドファンディングサイトは、個人投資家がプロジェクトへ出資という形で資金を提供する方式をとります。
プロジェクト成立後の売上等の業績に応じて、投資家に対して金銭的リターンが発生する方法です。
金銭的リターンとともに、プロジェクトの商品やサービスもリターンとして配布される場合があります。
事業として投資するため、単なる金融商品としてだけではなく、社会貢献の意味合いも強いのが特徴です。
日本においてファンド型のサービスはまだ多くありませんが、代表的なサイトとして「ROCKET FUND(ロケットファンド)」があげられます。
株式型クラウドファンディングサイト【ベンチャー企業におすすめ】
株式型クラウドファンディングサイトは、支援者へ出資の見返りとして未公開株を発行して資金調達をする方式です。
支援者は、未公開株を受け取るのでリスクがありますが、ビジネスが成功すると大きな利益を得られます。
時代のニーズに即したビジネスを展開するベンチャー企業が多く利用しており、プロジェクトが成功した実績も十分です。
投資家は企業の詳細な情報を参考にして未公開株を取得でき、プロジェクトの業績に応じた配当金を受け取ることができます。
「FUNDINNO」や「Unicorn」などが、株式型クラウドファンディングサイトの一例です。
→ FUNDINNO
→ Unicorn
クラウドファンディングの手数料は高い?
クラウドファンディングの手数料は、サイトにもよりますが17〜20%が多くなっています。
手数料の割合だけを見ると、多くの金額を取られてしまうのではないかと思う人も多いのではないでしょうか。
クラウドファンディングの手数料は高いかもしれませんが、利用することで下記のメリットもあります。
- 運営側が支援者を募ってくれる
- 決済システムの利用が簡単
- 資金を集めやすいようサポートがある
- 事業開始前から新サービスを認知してもらえる
自分でSNSなどで発信するよりも、クラウドファンディングの運営が出資してくれる人を募ってくれるため、資金を集めやすいでしょう。
また、クラウドファンディングを利用することで顧客がサービス開始前に事業のことを認知してくれるので、サービス開始後に集客がしやすい点もメリットです。
掲載サイトの決定からプロジェクト開始までの流れ
プロジェクトのアイデアがまとまり、クラウドファンディングサイトの種類を理解したうえでプロジェクトの掲載先が決まりましたか。
ここでは、プロジェクトの掲載先を決定した後の流れについて解説します。
サイト内にプロジェクトの詳細を説明するページを作成する
自分の立ち上げたプロジェクトの掲載先が決定したら、プロジェクトの詳細を支援者に周知して賛同してもらうためにサイトに登録し、プロジェクトのページを作成しましょう。
紹介ページには、プロジェクトのタイトル、カテゴリ、説明文、目標金額、支援者へのリターンの内容、連絡先を記載します。
加えて、説明をわかりやすく補足したり印象に残りやすくしたりする画像や映像を載せるとよりプロジェクトの内容が明確になるでしょう。
ページを作成する際のコツは、明確で分かりやすい内容にまとめることです。
また、自分の熱意が伝わるように、なぜそのプロジェクトを実現したいのか、熱い想いを支援者の方に理解してもらいましょう。
内容と熱意を明確にすることで、「このプロジェクトなら応援したい」、「この起案者が夢を実現するのに出資したい」と人々の共感を得やすくなるよう心がけます。
支援者に共感を覚えてもらうのが、クラウドファンディングの成功への一歩です。
説明ページを投稿し審査を受ける
プロジェクトの説明ページを登録したら、必ずクラウドファンディングサイトの運営会社による審査を受けることになります。登録後すぐにサイトに掲載されるわけではありません。
また、全てのプロジェクトが審査に通るわけではないので注意しましょう。
審査を通して、運営会社は成立の見込みがあるのか、社会の常識や法律に反する内容のプロジェクトが持ち込まれていないかを見極めます。
さらに、審査が通った場合も、サイトの運営会社がプロジェクト紹介に関して変更点や改善点などの提案やアドバイスをしてくれるケースもあるでしょう。
運営会社はクラウドファンディングの専門家なので、変更点や改善点を教えてもらった場合はしっかり受け止め魅力的な説明ページを作ることが大切です。
また、その後もサイト運営会社の担当者と連絡を取り合い良好な関係を築くと運営もスムーズになるでしょう。
プロジェクトの審査が完了すると、ようやくクラウドファンディングサイトに掲載されます。
海外商品を輸入販売するビジネスの場合、審査の際に正規代理店としての証明書や独占販売権の証明書の提示が必要です。
あらかじめ商品のメーカーと打ち合わせて必要な書類を準備しておきましょう。
プロジェクトを開始する
プロジェクトがクラウドファンディングサイトに掲載されると、いよいよ資金集めが始まります。
目標金額と募集期間をベースに、あらかじめ1日あたりの目標などを決めておくと進捗状況をはかる目安やモチベーションになり、進捗が遅れている場合にもアクションが取りやすくなるでしょう。
ページが掲載されたら、SNSなどを積極的に活用してプロジェクトを宣伝し、より多くの人に活動内容を知ってもらうことが重要です。
ページの閲覧者を増やしてプロジェクトへの賛同者を獲得していきます。ページの紹介文も随時見直して、想いや熱意を伝えましょう。
また、開始後は進捗状況について支援者への報告が欠かせません。
あとどのくらいで達成できそうか、何人が賛同してくれているのか、など途中経過を発信すれば支援者も安心し、支援しようか迷っている人へのアピールにもなります。
紹介ページで熱意を表現するだけにとどまらず、継続的に報告を続けて支援者からの信頼感や支援者同士の連帯感を強められるように努めましょう。
こうした地道な努力で支援者の方にプロジェクトを身近に感じてもらい、成功に向けて参画してもらえるのもクラウドファンディングサイトならではの魅力です。
プロジェクト終了後の流れ
プロジェクトが成立すると、提供された資金が運営会社によって自分の口座へ振り込まれます。
目標額を達成できなかった場合は、All or Nothing方式のプロジェクトであれば不成立となり、集まった資金はすべて支援者へ返金されてプロジェクトが終了です。
輸入販売ビジネスの場合には、集まった資金で商品を注文し、輸入を開始します。
商品が届く前に、配送の手はずを整えておくことが必要です。商品到着後は、支援者へリターン品を送付します。
万一、プロジェクトが不成立に終わった場合にも、支援者に向けてお礼の文章を掲載したり手紙を送ったりして感謝の気持ちを伝えましょう。
支援者の方々とよい関係を保つことで、次の新しいビジネスに繋がるかもしれません。
また、プロジェクトが成立した場合も、お礼を伝えることや事業の進行状況の報告をすることが大切です。
クラウドファンディングは初めの一歩にすぎません。この先も継続して商品を販売していくためにも、支援してくれた方々とよい関係を築きましょう。
輸入販売ビジネスの場合は終了後に一般販売を検討
クラウドファンディングのプロジェクトが終了したら、一般販売へと発展することが可能です。
プロジェクトの終了後、十分な手応えがあれば、自社販売の本格的な開始へと繋げていくことができます。また、クラウドファンディングが成功すれば、輸入元と独占契約を結ぶことも可能です。
まずは、個人向けにインターネット通販によって商品の輸入販売を行い、継続した売上を狙いましょう。
販売の幅を広げるためには、国内展示会などに出店してアピールすることもできます。
また、クラウドファンディングサイトに掲載していると、プロジェクトを知った量販店などから連絡が来ることもあるでしょう。その後条件を提示し、契約を結んで卸売りができる可能性があります。
クラウドファンディングサイトをきっかけに、継続的にビジネスを発展させていくこともできるでしょう。
クラウドファンディングは個人でも物販ビジネスを始められる
クラウドファンディングを有効に活用できるのは、これまでにないアイデアだけではありません。
日本に上陸していない魅力的な海外商品を見つけて販売するビジネスにも、応用ができます。
クラウドファンディングでのサイトの閲覧者や支援者への地道なアプローチにより、プロジェクトを発展させていくことも可能です。
また、少しでも多くの人にプロジェクトを知ってもらえるよう、SNSなどで想いや熱意を発信することも大切となります。
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