Amazonの「カートボックス」の獲得とは、購入先の出品者としてカートボックスに載ること
Amazonの「カートボックス」とは、商品画面の右側に表示される「カートに入れる」ボタンを含んでいるボックスのことを指します。
Amazonでは、カートボックスに1人の出品者が自動的に選定され、表示されるようになっています。
このカートボックスに、Amazonから自動的に選ばれ表示されることを「カートボックスの獲得」と言います。
Amazonにおいて、カートボックスの獲得は売上に大きく関わる部分です。
購入者の多くは他の出品者を確認することなく、カートボックスに出てきた出品者から購入しています。
そのため、カートボックスを獲得できていると、多くの購入者にクリックされて売上も伸びるというわけです。
Amazonのカートボックス獲得率の確認方法
Amazonのカートボックス獲得率の確認方法は、以下の2つです。
- セラーセントラルから確認する方法
- 商品ページから確認する方法
セラーセントラルから確認する方法
セラーセントラルとは、Amazonでの商品情報の追加や在庫の更新、顧客満足度指数ツールなどが使えるページのことです。
Amazonに出品者として登録すると、アクセス可能になります。
カートボックスの獲得状況も、セラーセントラルから確認可能です。
セラーセントラルトップページ→レポート→ビジネスレポート→「詳細ページ 売上・トラフィック」を開き、「おすすめ商品(ショッピングカートボックス)の割合」欄が100%の表示であれば、カートボックスが獲得できています。
商品ページから確認する方法
商品ページからでも、カートボックス獲得状況を確認可能です。
出品している商品の商品ページを開き、カートボックスの「販売元」が自分の名前になっていれば、カートボックスが獲得できています。
Amazonのカートボックスを獲得する条件
Amazonのカートボックスを獲得する条件は、以下の3つです。
- 出品形態が大口出品であること
- パフォーマンス指標が良い値であること
- 注文数が一定を満たしていること
これらは、カートボックスを獲得するための必要最低限の条件としてAmazonが公開している条件です。必ず条件を満たせるようチェックしておきましょう。
出品形態が大口出品であること
Amazonでは、出品形態を「大口出品」と「小口出品」の2種類から選べます。
カートボックスを獲得するためには、出品形態を必ず大口出品にするのが条件です。
それぞれ、以下の通り違いがあります。
大口出品と小口出品の違いは、以下の記事で詳しく解説しています。合わせてお読みください。
パフォーマンス指標が良い値であること
カートボックスを獲得するためには、以下の指標が良い値であることも条件です。
- 注文不良率
- キャンセル率
- 出荷遅延率
「注文不良率」とは、指定された60日間に販売したもののうち、カスタマーサービスの不備を示す指標の「低評価」などが1つ以上付けられた注文の割合のことを指します。
「キャンセル率」とは、指定された7日間の注文の合計件数に対し、出品者都合でキャンセルされたすべての注文の割合のことです。
「出荷遅延率」とは、10日間または30日間の注文のうち、出荷予定日より後に出荷通知が送信された注文の割合のことを言います。
つまり、購入者の満足度の高い商品を、出品者都合でキャンセルせず出荷予定日通りに届けるという、ちゃんとした取引をおこなっていることが条件だということです。
注文数が一定を満たしていること
出品者のパフォーマンスを正しく評価できるよう、注文数が一定を満たしていることも条件とされています。
しかし、条件に必要な「一定の注文数」はカテゴリーごとに異なり、公開されていません。
具体的な数にはこだわらず、良い取引を積み重ねるようにしましょう。
Amazonでカートボックス取得率を上げるための具体的な方法
Amazonでカートボックス取得率を上げるための具体的な方法は、以下の7つです。
- 大口出品に変更する
- 最安価格にする
- FBA納品にする
- 自己発送は送料無料にする
- アカウントの健全性を保つ
- 多くの高評価をもらう
- 適切な在庫数を選ぶ
以下の動画では、Amazonでカートボックスを取る方法についてさらに詳しく解説しています。ぜひ合わせてご覧ください。
大口出品に変更する
大口出品への切り替えは、セラーセントラル内の「出品用アカウント情報」→「サービスの管理」から可能です。
小口出品のままだとカートは獲得できないので、必ず変更しましょう。
最安価格にする
売りたい商品の商品ページを確認し、既に売られている中で最安の価格に合わせて価格を設定します。
「最安価格」とは言っても、既に売られている中の最安価格より安くするのは、おすすめできません。
なぜなら、既に売られているものより安くすると価格競争が起こり、さらに安い価格で売り出される可能性があるからです。
次々に安い価格で売り出されると、カートを獲得するためにより安くしていく必要があります。
しかし、安くしすぎると当然利益が出なくなります。
そのため、既に売られている中での最安価格と同じ価格に設定する方法が最適です。
FBA納品にする
Amazonでは、商品の出荷方法を以下の2種類から選べます。
- FBA納品
- 自己発送
FBA納品とは「フルフィルメント by Amazon」の略称です。
売る商品を一度Amazonの倉庫へ納品することで、Amazonがその商品の注文の受注、ピッキング、梱包、発送、カスタマーサービスまで代行してくれる出荷方法のことを言います。
カートを獲得しやすいのはFBA納品が選択されている商品なので、出荷方法はFBA納品にしておきましょう。
FBA納品で必要なもの、納品手順やルールについては以下の記事で詳しく解説しています。合わせてお読みください。
また、FBA納品では、商品を一度Amazonの倉庫へ納品する際に「FBAパートナーキャリア」という配送サービスも利用可能です。
FBAパートナーキャリアでは、Amazonが提携している以下の2種類の配送会社から選べます。
- ヤマト運輸
- 日本郵便
もちろん、配送会社を使わず自分で倉庫へ送ることもできます。
しかし、FBAパートナーキャリアを使ってヤマト運輸に配送を依頼した方が、配送料がお得になるのでおすすめです。
FBAパートナーキャリアについては以下の記事で詳しく説明しています。こちらも合わせてお読みください。
自己発送は送料無料にする
FBA納品が選択できない商品で自己発送にしなければいけない場合は、送料無料にしましょう。
さらに、配送日数が短くなるような工夫をしたりオプションをつけたりすると、カートを獲得しやすくなります。
FBA納品が選択できない商品とは、Amazonの倉庫へ送ると大きいなどの理由で手数料や送料がかさみ、利益が出なくなってしまうような商品のことです。
そうした商品は他の出品者もFBA納品を選択していない可能性が高いため、FBA納品以外の「送料無料」や「配送日数の短さ」といった部分で差別化する必要があります。
アカウントの健全性を保つ
Amazonから問題のある出品者として判断されないようにするため、アカウントの健全性を保つことも重要です。
具体的には、注文不良率、キャンセル率、出荷遅延率で良い値を獲得し続けるようにする必要があります。
多くの高評価をもらう
多くの高評価をもらうことも、カートを獲得するための判断基準となります。
多くの高評価をもらうためには、購入してもらった後に送る「サンクスメール」が有効です。
サンクスメールとは、購入者へ「ご購入ありがとうございました」という主旨のメッセージを送るものを指します。
サンクスメールによって評価を促すことで、評価してもらえる確率が高くなります。
しかし、サンクスメールによって「高評価をつけるように」促すのは禁止です。
あくまで「評価する」という行為を促すだけで、「高評価を強制」することはできないので、文面には注意しましょう。
適切な在庫数を選ぶ
在庫数は売れ行きに合わせて、少なくても多くてもいけません。
少ない場合は、商品を適切にお客様へ届けられなくなります。
逆に多い場合は、他の出品者との価格競争を招く原因になったり、他の出品者から悪質な嫌がらせを受ける原因になったりする恐れがあります。
在庫数は、月に売れている数に合わせて適切に選ぶようにしましょう。
適切な在庫数を把握するコツは、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ合わせてお読みください。
Amazonのカートボックスを獲得する際の注意点
Amazonのカートボックスを獲得する際の注意点は、以下の3つです。
- Amazonのカート獲得率を確認する
- BUYBOXカート価格を確認する
- カート価格が表示されていない商品に気をつける
カートボックスを獲得するには、現在のカート獲得率の確認は必須です。
現在のカート獲得率を確認し、カート獲得率が足りていない商品の原因を考え、対策をおこなうと効率が良くなります。
そのための具体的な確認方法と注意点について、詳しく説明します。
Amazonのカート獲得率を確認する
カート獲得率は、前述の方法でセラーセントラルから「詳細ページ 売上・トラフィック」を開き「おすすめ商品(ショッピングカートボックス)の割合」を見ることで確認可能です。
BUYBOXカート価格を確認する
カート獲得率の確認は、セラーセントラルを使う方法の他に「Keepa」というツールを使う方法もあります。
Keepaとは、Amazonのカート獲得率だけでなく、Amazonに出品されている商品の価格変動やランキング、レビュー数などもわかるツールのことです。
Keepaの拡張機能を使って「Data」から「Buy Box Statistics」を開くことで確認できます。
Keepaの使い方については、以下の記事で詳しく解説しています。こちらもぜひ合わせてお読みください。
カート価格が表示されていない商品に気をつける
カート価格が表示されていない場合、何らかの原因でカートが獲得できていません。
条件を満たしているにもかかわらず獲得できていない場合、考えられる主な原因は以下の4つです。いまいちどご確認ください。
- 他の出品者が強く、カートが獲得できていない
- 出品して間もない状態
- 出品価格が定価の1.5倍以上になっている
- 人気ECサイトの価格よりも高い
Amazonに新規登録した直後にカートを取れない時の対処法
Amazonに新規登録した場合でも、カートは獲得できます。
確かに評価や販売実績はすぐにはつかないので、登録直後にカートを獲得するのは難しいです。
しかし、全く取れないということはありません。
初心者でも売りやすい商品、カートを獲得するコツなどを学べば、必ずカートは取れます。
なるべく早く結果を出したいなら、効率的にカート獲得のための準備をしましょう。
Amazonのカート獲得に関してよくある質問
Amazonのカート獲得に関してよくある質問は、以下の3つです。
- AmazonのBuyboxとは?
- Amazonのカート価格とは?
- Amazonがカートを取っている商品でも売れる?
AmazonのBuyboxとは?
Buyboxとは、カートボックスと同じ意味です。
日本語では「カートボックス」が馴染みがあるが、アメリカAmazonなどでは「Buybox」と呼ばれています。
Amazonのカート価格とは?
Amazonのカート価格とは、カートボックス内に表示されている価格のことです。
必ず最安値が表示されるというわけではなく、記事で紹介したカートボックス獲得の条件を満たしている出品者が選ばれ、その出品者が設定した価格が表示されています。
カート価格の確認は重要ですが、必ずしも「カート価格に合わせればカートを獲得できる」というわけではありません。
カート獲得のためには、この記事で紹介している具体的な方法を全ておこないましょう。
Amazonがカートを取っている商品でも売れる?
販売されている商品の中には、Amazonがカートを獲得している商品もあります。
Amazonがカートを獲得しているとカートが変動しにくくなりますが、カートは獲得可能です。
この記事で紹介している方法を実践し、対策をおこないましょう。
Amazonでカート獲得を狙うならプロに学ぼう
Amazonでのカート獲得は、売上を伸ばすために必要な手段です。
カート獲得には条件やコツ、注意点が多数ありますが、しっかり実践すれば初心者でも稼げます。