Amazonの「カートを取る」とは?

Amazonで商品を販売して売上を上げたいならば、まず「カートを獲得する」というAmazon特有のシステムを理解しておきましょう。
カート獲得が売上に直結する理由
Amazonで商品が売れるかどうかの命運は、「カートボックスを獲得できているか」にかかっています。
買い物をしているほとんどのAmazonユーザーは、商品ページ右側にある「カートに入れる」という黄色いボタンをクリックして決済に進みます。
このボタンを押したときに「自分の在庫が購入される状態」になっていることが、「カートを獲得する(カートを取る)」ということなんですね。
下の画像では、緑色の枠で囲んだ箇所に「新品&中古品(7)件の出品」と表示されています。これは同じ商品を7人のセラーが販売しているという意味です。
では、商品が購入された際、この7人のなかで、誰の在庫が売れると思いますか?
「カートに入れる」ボタンが押されたときに売れるのは、ボタンのすぐ下に販売元として表示されているセラーなんです。

つまり、ボタンのすぐ下に自分のアカウントが表示されていれば(カートを取得できれば)商品は順調に売れていきます。
一方、カートが取れない場合は、自分の商品は「全く売れない」と言っても過言ではありません。それほど、カート獲得は売上に直結する重要な要素なんです。
相乗り出品におけるカート獲得の仕組み

楽天市場やYahoo!ショッピングの場合、検索結果には「店舗ごと」に商品ページがズラリと並んでいます。同じ商品が出品されても、店舗が違えば別の商品ページが作成される仕組みですよね。
けれども、Amazonの場合は「1つの商品につき1つのページ」しか存在しません。
Aという商品のページは1つしかなく、別の出品者が同じ商品を売りたい場合は、同じ商品ページ内に別の出品者として登録するというシステムなんです。
Amazon独特のこの方法は、「相乗り出品」とも呼ばれています。
つまり、1つの商品ページには、10人、20人というライバルがひしめき合って登録されている状態になります。
ここで、理解しておきたいのがAmazonのアルゴリズムです。
カートが与えられるのは、価格や配送スピードなどの条件から「最もお客さんにとって良い条件の出品者」としてAmazonが自動で選んだ1人だけなのです。
つまり、相乗り出品の中でライバルに勝って、Amazonから「あなたが一番おすすめの出品者です」と選ばれるためには、この仕組みへの対策が必要になります。
【重要度順】Amazonカート取得の対策6選

とはいえ、Amazonはカート獲得の明確なアルゴリズムを公開していません。
けれども、僕(朝野)の長年の販売実績から「これをやればカートが取りやすくなる」というポイントは判明しています。
そこで、具体的な6つの対策を重要度の高い順に解説していきましょう。
ちなみに、見出しについている★マークは、以下のように重要度を表しています。★の多い順に対応してくださいね。
★★★(必須):これを満たさないと土俵に上がれないスタートライン
★★☆(重要):カート獲得率を引き上げる強力な武器
★☆☆(有効):ライバルと競り合った際に差をつける最後の一手
また、カート獲得の方法については、手順を動画でも解説しています。あわせてご覧ください。
★★★ 大口出品に登録する(絶対条件)

カート獲得の土俵に上がるためには、「大口出品者」として登録することが絶対条件です。
Amazonには月額無料の小口出品と、月額4,900円(税抜)の大口出品という2種類の出品プランがあります。
無料で利用できる小口出品のプランではシステム上、カートを獲得できません。「まだ月に数個しか売れないから…」と小口出品を選んでいると、いつまでもカートが取れず売れる機会を損失し続けてしまうんですね。
本気で利益を出していきたいなら、まずは大口出品への切り替えが必須のアクションになります!
大口・小口の出品プランについては、以下の記事で違いやメリットを解説しているので、こちらを参考にしてください。
(関連)Amazon大口小口出品の違いと選び方|メリットも注意点も総まとめ
★★☆ カート取得者の最安値に合わせる

カートを獲得するためには、価格を「最安値」に設定することが基本です。けれども、実はここに大きな落とし穴があるんです。
最安値に設定するということは、「現在の最安値よりさらに安くする」ことではありません!「現在カートを取得している人の価格に合わせる」のが正解です。
たとえば、ライバルが5,000円で出しているとします。早く売りたいからといって、ライバルより安い4,999円に下げると、どうなると思いますか?
もちろん、相手も4,998円に下げてくるので、あっという間に価格競争(値下げ合戦)が始まり、さらに値下げしていくことになってしまいます。
結果として自分の商品が売れたとしても、送料や手数料を引いた後の「実利益」だけが削られてしまい、赤字になるおそれもあるんです。
適正な利益を守るためにも、むやみな値下げは避け、まずは「カート取得者と同価格で並ぶ」ことを徹底しましょう。
★★☆ FBAを活用する(大型は要注意)

Amazonは「安く、かつ早く届く」出品者を優遇しています。
そのため、即日Amazonの倉庫から発送できる「FBA(フルフィルメント by Amazon)」を利用している出品者は、自己発送よりも圧倒的にカートを取りやすくなります。
カートの獲得優先度が高いのは「Amazon本体 ➡ FBA出品者 ➡ 自己発出品者」の順です。
ただし、カートを取りたい一心で何でもかんでもFBAに入れるのは危険。
たとえば、「サイズが大きな商品」や「高価格帯の商品」の場合は、一概にFBAのほうがいいとは言えません。
電子レンジのような大型商品をFBAに納品すると、高い納品送料に加えて高額なFBA手数料・保管料がかかってしまいます。そのようなケースでは、自己発送と比べて1,000~2,000円も利益が減ってしまうことも…。
カート取得者(ライバル)の発送方法を確認して、「自己発送」しているならば、送料や手数料をシビアに計算して自己発送も検討しましょう!
「あえて自己発送を選ぶ」という見極めも、副業せどりで手元にお金を残すための重要なスキルですよ!
ここで解説している「FBA」については、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
(関連)Amazon FBAとは|歴10年超のプロ直伝!赤字を出さない使い方
★★☆ アカウント健全性を高水準に保つ

アカウント健全性とは、Amazonから「この出品者は安心して購入者に商品を届けられるか」を評価される指標です。
以下のような項目の数値が評価の対象になっています。
- 注文不良率(クレームや低評価)
- キャンセル率
- 出荷遅延率
これらの数値が悪化すると、カート獲得率が著しく低下します。とくに、在庫切れなどで「出品者都合のキャンセル」を繰り返すのは厳禁です。
もし初心者さんでこれらの指標が悪化してしまった場合は、早急にリカバリー対策が必要です。
取り急ぎ、利益が出なくても回転の早い商品(日用品など)を安値で売りさばきましょう。販売母数を増やせれば、不良率を下げられます!
★☆☆ サンクスメール等で評価を集める

出品者の評価(星の数)も、カート獲得において影響を与える要素です。
評価数は決定打ではないですが、同じ価格・同じFBA出品のライバルと並んだ場合には、評価の有無で差がつくことがあります。
それでは、評価を集めるにはどうすればいいのでしょうか?
まずは、購入後に「サンクスメール」を送り、レビューをお願いするのが効果的です。ただし、「星5つの評価をお願いします」というように高評価を強制したり、誘導したりすると、Amazonの規約違反とみなされ、アカウント停止のおそれがあります。
「もしご満足いただけましたら、評価をお願いいたします」というように、自然に評価を促しましょう。
★☆☆ 値崩れ防止のため在庫数を調整する

在庫を多く持っているセラーは、カートが取りやすい傾向があります。
けれども、月に5個しか売れない商品なのに、まとめて10個納品するような行為は危険です。
たとえば、あなたが大量の在庫を抱えてカートに居座っているとします。すると、他の出品者は「自分の順番が回ってこない」と焦って、価格を下げてでも無理やりカートを奪おうとする可能性があるでしょう。
これが値崩れの原因になり、抱えている大量の在庫が売れなくなったり利益が少なくなったりする原因につながります。
適正な在庫数を知るには、Keepaのデータを活用するのがおすすめです。商品が月にどのくらい売れているのかを把握できるので、適正数を見極められます。
さらに、納品は数回にわけて小分けにするとライバルを刺激せずにすみ、過剰な価格競争を防ぐことができますよ。
Amazonのカート獲得率を確認する方法

対策を実施した後は、実際にどれくらいカートが取れているのか、データを正確に確認することが大切です。
ここでは、カート獲得率の確認方法を紹介します。
カート取得率をレポートで確認する
自分の正確なカート獲得率は、セラーセントラルから確認できます。
①まずは、セラーセントラルのメニューから「レポート」>「ビジネスレポート」を開きましょう

②左メニューから「子商品別の詳細ページ 売上・トラフィック」を選択します。

③表示された表の「おすすめ出品の割合」という項目を見てください。この「おすすめ出品の割合」が、あなたのカート獲得率です

次は、この獲得率からどのようなことが分かるのかを解説していきます。
適正な目安を把握してデータを分析する
調べたカート獲得率が高いのか低いのかの判断は、ライバルの数によって異なります。
たとえば、カート獲得率が「10%」だった場合、FBA出品のライバルが自分を含めて4人なら、均等に割ると25%前後取れる計算です。つまり、「10%は低い(改善が必要)」という判断ができます。
逆に、FBA出品者が20人いる中での10%なら「非常に優秀」ということになります。
また、「カート取得率は高いのに売れない」という場合は、そもそも商品ページへのアクセス(ページビュー)が少なく、商品に需要がない可能性も…。
もしくは、設定した販売価格が市場の適正価格からズレていることも考えられます。
このように、カート獲得率の数字の裏にある原因を分析する癖をつけていきましょう!
Keepaの統計情報でライバルを分析する
自分だけでなく、ライバルたちがどれくらいの割合でカートを取っているかを調べるには、リサーチツール「Keepa」を使うのがおすすめです。
調べ方は、Keepaのグラフ上部にある「Data(データ)」タブから、「Buy Box 統計情報」をクリックするだけです。
表示されたデータから、過去にどの出品者が何%の割合でカートを獲得していたかを調べることができます。

このデータは、強すぎるライバルが独占していないかなど、仕入れ前の判断材料としても非常に役立つので、活用してください。
カートが取れない2つの例外パターンと対処法

カート獲得には、例外パターンもあります。
「対策を完璧に行ってもカートが取れない」「そもそもカートが存在しない」という場合は、ここで解説する対処法を試してみてください。
強い出品者は「ほぼ新品」で回避する
Amazon本体(amazon.co.jp)が出品している場合や、過去に何万個も販売している「パワーセラー」がいる場合は例外パターンとして対応しましょう。
このライバルに合わせて価格を下げても、カートを独占されてしまい、太刀打ちできない可能性が高いからです。
この場合、無理に価格を下げて消耗戦に挑むのは得策ではありません。
もし、回転率が非常に高い商品ならば、あえてコンディションを「中古(ほぼ新品)」にして、少しだけ安く出品するという戦い方があります。
「箱にわずかなスレがあるだけの未開封品」ならば、「少しでも安く買いたい」という層にリーチする可能性があります。
強敵には、あえて正面衝突(価格競争)を避けつつ、購入をめざしましょう!
カートロスト時はKeepaの履歴から判断する
商品ページを見ても「カートに入れる」ボタン自体が存在せず、「すべての出品を見る」というリンクしか表示されていない場合も例外パターンです。
この状態は「カートロスト」と呼ばれ、誰もカートを獲得できません。
カートロストになる主な要因は、以下の3つです。
- 販売価格が参考価格(定価)や他ECサイトより高すぎる
- 販売実績がほとんどないセラーしかいない
- 出品されている商品のコンディションが「新品」以外である
カートロストしている商品は、売れにくいのが実情です。けれども、「全く売れない」わけではありません。
まずは、Keepaのグラフでカートロストしている期間の動きを確認してみましょう。

グラフで確認してほしいのは、カートが存在していた時期(Buy Boxのピンク色の線がある時期)だけでなく、ピンク色の線が消えた後でも売れ筋ランキングのグラフ(緑色の線)がギザギザと変動しているかどうかです。
ピンク色の線が途切れている間はカートがロストしています。それでも緑色の線がギザギザしているならば、「出品者一覧から選んで買っているお客さんがいる(=売れる)」と判断できます。
カートロストしているからといってすぐに諦めず、データから需要を読み解くことが大切ですよ。
Keepaのグラフの見方については、以下の記事でくわしく解説しているので、参考にしてください。
(関連)Keepaのグラフの見方をマスター!稼ぐための応用テクまで一挙公開!
Amazonのカート獲得に関するよくある質問

Amazonへの出品を始めたばかりの方からは、以下のような質問が寄せられています。
これらの疑問を解消していきましょう!
Q1. Amazonのカートボックスとは?
A. カートボックスは、Amazonの商品ページ右側にある「カートに入れる(または「今すぐ買う」)」というボタンのある部分のことを指しています。

Amazonでの注文の9割以上がこのボタンから発生すると言われていて、売上に直結する非常に重要なエリアです。
Q2. カートを獲得するって何?
A. 1つの商品ページに複数の出品者がいる相乗り出品の状態で、購入者が「カートに入れる」ボタンを押すと「あなたの在庫が購入される状態になっていること」を指しています。
詳しくは「Amazonの「カートを取る」とは?」で解説しているので、再度確認してください。
Q3. Amazonでカートが獲得できない原因は?
A. カートが獲得できない主な原因として、以下の要素が挙げられます。
- 大口出品ではなく「小口出品」になっている(※絶対条件)
- 価格が現在のカート取得者よりも高い
- 自己発送を利用していて、配送スピードがFBA出品者より遅い
- キャンセル率など、アカウントの健全性が低下している
- Amazon本体など、強すぎるライバルがカートを独占している
これらの原因に心当たりがある人は、「【重要度順】Amazonカート取得の対策6選」を上から順番に確認してみてくださいね。
アカウントの設定や出品状況を見直して、カート獲得をめざしましょう!
Amazon販売はカートの獲得が超重要!

Amazonのカート獲得、イメージできたかな?

はい!僕は値下げの考え方を間違えていたので、まずはそこから直します!
Amazonせどりにおいて、ショッピングカートボックスの獲得は売上を左右する最も重要な要素です。
しかし、カートを取得したいからといって、むやみに最安値を狙うのは非常に危険。送料やAmazonの手数料を差し引いて「手元にいくら利益が残るのか」をシビアに計算しなければ、作業ばかりが増えて全く稼げない「値下げ合戦」に疲弊してしまいます。
大口出品への登録やFBAの活用、アカウント健全性の高水準維持など、今回ご紹介した6つの対策を一つずつ実践して、適正な利益を守りながらカート獲得率を底上げしていきましょう!
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